大腸内視鏡検査の痛みは、多くの場合「お腹を押される感じ」や「お腹が張る感じ」と表現される程度で、誰もが激痛を感じる検査ではありません。
ただし、痩せ型の人や腸が長い人、お腹の手術歴がある人、便秘気味の人などは、痛みを感じやすい傾向があります。
一方で、鎮静剤や炭酸ガスの使用、軸保持短縮法など挿入技術の高い医師による検査によって、痛みは大きく和らげられます。
この記事では、大腸内視鏡検査で痛みを感じやすい人の特徴と原因、医療機関と自分でできる痛み対策を解説します。
院長 有住忠晃ありずみ消化器内科では、鎮静剤を活用し、痛みや不安に配慮した大腸内視鏡検査を行っています。

執筆者 有住 忠晃
近畿大学医学部を卒業後、近畿大学医学部消化器内科に入局し消化器内科を専門領域として最先端の診療・研究を実施。
その後、医療法人太雅会辻賢太郎クリニックにて消化器疾患や生活習慣病をはじめとした一般内科の診療・内視鏡検査に従事。
現ありずみ消化器内科院長。
大腸内視鏡検査の痛みはどのくらい?
大腸内視鏡検査の痛みは、多くの場合「お腹を押される感じ」や「お腹が張る感じ」と表現される程度です。
ただし感じ方には個人差が大きく、ほとんど平気な人もいれば、強いつらさを感じる人もいます。
大腸の粘膜には痛みを感じる神経がほとんどなく、カメラが入るだけでは痛みは起こらないとされています。
日本消化器内視鏡学会の学会誌では、1分ほどで苦痛なく大腸の奥まで到達する人がいる一方、1時間近くかけても到達しない人もいると報告されています。
挿入の難しさには、それだけ大きな個人差があるのです。
痛みの主な種類
| 痛みの種類 | 起こりやすいタイミング | 感じ方の例 |
|---|---|---|
| 押されるような痛み | S状結腸・横行結腸などのカーブを通るとき | お腹の内側をぐっと押される感覚 |
| 張るような痛み | ガスを送って腸を膨らませるとき | お腹がパンパンに張る苦しさ |
| 引っ張られる痛み | 癒着(臓器同士がくっついた部分)を通るとき | 腸が引きつれるような感覚 |
体質や腸の形、医師の技術によって痛みの程度が大きく変わる検査だと考えておきましょう。
参考:大腸がん(結腸がん・直腸がん) 検査:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]
激痛で検査が中止になることはある?

痛みが強すぎて検査が途中で中止になるケースはありますが、頻度は高くありません。
中止の背景には、本人の我慢強さではなく、腸の形や癒着といった体の条件が関係していることが多いです。
- 体位変換やお腹の圧迫、鎮静剤の使用などを行っても内視鏡が進まない
- 鼠径ヘルニアが原因でS状結腸への挿入が難しく、検査が中止された
中止になった場合でも、方法を変えて再検査できる可能性があります。
中止は「もう検査できない」という意味ではないため、不安な方は事前に医師へ相談しておくと安心です。
大腸内視鏡検査が痛い人の特徴と痛みの理由を紹介
大腸内視鏡検査が痛い人の特徴には、体質や腸の形のほか、お腹の状態や心理的な要因などが関係します。
内視鏡検査で痛みを感じやすい人は、おもに以下の7つのパターンです。
- 痩せていて腸が細い人
- 腸が長い・曲がり角が多い人(S状結腸など)
- 過去にお腹の手術をしたことがある人
- 胃腸が炎症を起こしている人
- 痔など肛門にトラブルがある人
- 便秘気味で腸内にガスが溜まっている人
- 緊張しやすい・腸の神経が過敏な人
ここでは、これら7つのパターンについてそれぞれ紹介しましょう。
痩せていて腸が細い人
痩せている人は、大腸内視鏡検査で痛みを感じやすい傾向があります。
内視鏡が触れることで痛みを感じると書きましたが、実際には大腸の内部には痛点がありません。
そうでなければ、食事をした際に食べたものが触れるだけで痛みを感じてしまいます。
大腸の痛みを感じる神経は、筋層や漿膜、腸を支える腸間膜などに分布しており、腸が引き伸ばされたり引っ張られたりすると痛みや違和感として感じます。
つまり、内視鏡の挿入やガスによって腸が伸ばされることが痛みの主な原因です。
さらに、脂肪が少ないと内臓の固定力が弱く、腸が動きやすいため、検査中に圧迫感を覚えることがあります。
腸が長い・曲がり角が多い人(S状結腸など)
腸が長い人や曲がり角が多い人は、内視鏡を進める途中で痛みが出やすくなります。
大腸には、お腹の中で固定されている部分と、固定されずに動きやすい部分があるためです。

大腸の部位ごとの特徴
| 部位 | 特徴 | 痛みの出やすさ |
|---|---|---|
| S状結腸 | 固定されておらず、ループができやすい | 出やすい |
| 下行結腸 | 固定されている | 比較的出にくい |
| 脾彎曲(左上の曲がり角) | 曲がりが強い | 出やすい |
| 横行結腸 | 固定されておらず、たるみやすい | 出やすい |
| 肝彎曲(右上の曲がり角) | 曲がりが強い | 出やすい |
| 上行結腸 | 固定されている | 比較的出にくい |
腸の長さや形は生まれつきの体質であり、自分ではコントロールできません。
そのため、ループを作りにくい挿入法に慣れた医師を選ぶことが大切です。
過去にお腹の手術をしたことがある人
過去にお腹の手術を受けた人は、大腸内視鏡検査で痛みを感じやすいことがあります。
癒着とは、手術後に腸が他の臓器や組織とくっついてしまう現象のことです。
癒着があっても、症状がなければ生活を送るうえで問題はありませんが、内視鏡の挿入時に引っ張られる感覚が生じ、痛みを伴うことがあります。
特に、開腹手術を経験した人は癒着が発生しやすく、スムーズな内視鏡の挿入が難しくなる場合があります。
そのため、事前に医師に手術歴を伝え、適切な対応を取ってもらうことが重要です。
胃腸が炎症を起こしている人
潰瘍性大腸炎や感染性腸炎などで大腸に炎症がある人は、大腸内視鏡検査で痛みを感じやすいです。
炎症によって腸の粘膜が過敏になり、内視鏡が触れるだけでも痛みを感じることがあるためです。
炎症がある腸は知覚が過敏になっているため、通常より弱い刺激でも痛みを感じやすくなります。
炎症が強い場合は、検査中の刺激で痛みが増すことがあるため、腹痛や下痢などの症状がある方は事前に医師へ伝えましょう。
痔など肛門にトラブルがある人
痔などの肛門のトラブルがある人は、内視鏡を入れる最初の段階で痛みや不快感を覚えることがあります。
大腸の内側は痛みを感じにくい一方で、肛門のまわりは皮膚に近く、痛みを感じやすい部分です。
特に注意したいのは、次のような状態です。
- いぼ痔(痔核)が腫れている
- 切れ痔(裂肛)で排便時に痛みがある
- 肛門のまわりに炎症や傷がある
痔だと思っていた出血が、大腸の病気によるものだったというケースもあります。
出血の原因が痔なのか、ほかの病気なのかを確かめる意味でも検査は大切です。
痔がある方は、肛門の診療にも対応している消化器内科を選ぶと、検査時の痛みや不快感に配慮してもらいやすくなります。
痔の症状がある方は、予約時や問診の段階で必ず伝えておきましょう。
便秘気味で腸内にガスが溜まっている人
便秘気味でお腹にガスが溜まっている人は、検査中の内視鏡の挿入時に痛みを感じやすいです。
便は検査前に下剤で出し切るため、便秘があっても検査自体に問題はありません。
ただし、便秘の人は腸にガスが溜まりやすく、検査で空気を送るとお腹が張りやすいため、痛みを感じやすくなります。
また、便秘の人は大腸が折りたたまれたような状態になっていることがあり、内視鏡が曲がり角を通りにくいため、痛みを感じやすくなります。
緊張しやすい・腸の神経が過敏な人
緊張しやすい人や腸の神経が過敏な人は、同じ刺激でも痛みを強く感じやすくなります。
不安や緊張といったストレスがかかると、痛みに敏感になるとされています。
また、過度の送気や痛みの刺激、不安や緊張がきっかけで、血圧が下がったり気分が悪くなったりする「迷走神経反射」が起こることがあります。
- 検査前から「痛いに違いない」と身構えてしまう
- 無意識にお腹や肩に力が入っている
- 呼吸が浅く速くなっている
- 過去のつらい経験を思い出して不安になる
このタイプの人には、鎮静剤の使用が役立つ場合があります。
鎮静剤には、検査への不安感や緊張を和らげる効果があるためです。
「怖い」という気持ちは我慢せず、事前に医師や看護師へ伝えておくことをおすすめします。
大腸内視鏡検査の痛み対策
このように、大腸内視鏡検査の痛みには、さまざまな要因が関係しています。
しかし、病院側でもそういった人の対策を考えており、痛みをできる限り軽減する方法は確立されています。
ここでは大腸内視鏡検査で病院側が行っている痛み対策について紹介しましょう。
鎮静剤を使用して痛みを軽減
最もオーソドックスな痛み対策が、鎮静剤の使用です。
鎮静剤を使用すると、検査中の意識がぼんやりし、不安や緊張が和らぐため、痛みや違和感を感じにくくなります。
鎮静剤は使う量や体質によって、ほぼ眠った状態になる場合と、意識がある程度保たれる場合があります。
どの程度の鎮静にするかは、医師と相談して決めるか、医療機関の方針によって異なります。
検査後はしばらく安静が必要なため、ある程度回復するまでの1時間前後は院内で休んでいただきます。
意識が朦朧とした状態だと判断力も下がり、事故を起こす可能性があるからです。
そのため、鎮静剤を使用した場合は検査当日の車・バイク・自転車の運転は控え、無理をせず安静に過ごしましょう。
鎮痛剤を併用する
痛みを感じやすい人は、鎮静剤に加えて鎮痛剤を併用する方法もあります。
鎮静剤は主に気持ちを落ち着かせて眠気を起こす薬であり、痛みを抑える薬とは役割が異なるからです。
2つの薬の違い
| 薬の種類 | 主な役割 | 使用される薬の例 |
|---|---|---|
| 鎮静剤 | 不安や緊張を和らげ、眠いような状態にする | ミダゾラムなど |
| 鎮痛剤 | 痛みそのものを感じにくくする | ペチジンなど |
ただし、鎮痛剤を使っても痛みが完全になくなるわけではなく、全身に作用するため呼吸や血圧への影響に注意が必要です。
鎮痛剤の併用を行っているかどうかは施設によって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
空気の代わりに炭酸ガスを使用しお腹の張りの不快感を減らす
従来の内視鏡検査では、腸を膨らませるために空気が使用されていましたが、近年では炭酸ガスを使用する方法が普及しています。
炭酸ガスは体内での吸収が早いため、検査後の腹部の膨張感や不快感を軽減する効果があります。
特に、検査後のお腹の張りが気になる人には、炭酸ガスを使用している医療機関を選ぶのがおすすめです。
挿入技術の高い医師を選ぶと痛みが減る(軸保持短縮法など)
挿入技術の高い医師による検査を受けると、痛みを大きく減らせる可能性があります。
痛みの大きな原因である「腸の引き伸ばし」や「ループ」を、技術によって起こりにくくできるためです。
痛みの軽減と安全性の観点から、ループを作らない「軸保持短縮法」による挿入が推奨されています。
- 軸保持短縮法:ループを作らず、腸を短くまっすぐにしながら進める
- 浸水法:空気の代わりに少量の水を使い、腸を広げすぎずに進める

医師の技術は外から見えにくいものの、挿入法や検査実績を公式サイトに掲載している施設は少なくありません。
クリニック選びの際は、こうした情報もチェックしてみてください。
個人でできる大腸内視鏡検査の痛み軽減方法
大腸内視鏡検査の痛み対策は、個人でもできるものがいくつかあります。
ここでは、個人でできる大腸内視鏡検査の痛み対策を紹介しましょう。
前処置(下剤)をしっかり行い腸をきれいにしておく
指示どおりに下剤を飲み、腸をきれいにしておくことは、立派な痛み対策の一つです。
食事制限や下剤の服用が不十分だと腸内がきれいにならず、検査時間が長引く原因になるためです。
- 前日は医師の指示に沿って、消化のよい食事を早めにとる
- 指示があれば、前日の夜に下剤を飲む
- 当日は指定の時間から腸管洗浄剤を少しずつ飲む
- 便が黄色く透明な水のようになったか確認する
便が黄色く透明な水のようにならないと、検査ができません。
きれいになっていない場合は受付で申し出ましょう。浣腸を追加して対応することがあります。
下剤を飲んでいる途中で腹痛や気分の悪さを感じたら、無理をせずスタッフに知らせてください。
腸がきれいなほど検査はスムーズに進み、痛みの軽減にもつながります。

深呼吸をする
検査前にゆっくりと呼吸を整えると、緊張が和らぎ、痛みの軽減が期待できます。
吐く息を長めにした呼吸は副交感神経を働かせ、体がリラックスしやすくなるためです。
一方で、検査中に大きく息を吸い込むことはおすすめできません。
お腹に力が入ったり腸の位置が変わったりして、内視鏡を進めにくくなることがあるためです。
検査中は大きく吸い込まず、吐く息を意識した穏やかな呼吸を続けましょう。
検査中は体の力を抜き、体位変換に協力する
検査中は体の力をできるだけ抜き、医師やスタッフの指示に合わせて体の向きを変えることが大切です。
体の向きを変えると腸の位置や形が変わり、内視鏡が曲がり角を越えやすくなります。
- 「体の向きを変えてください」と言われたら、ゆっくり従う
- 看護師がお腹を手で押さえるときは、力を入れずに任せる
- お腹にガスが溜まったら、我慢せずに出す
- 痛みが強いときは、我慢せずに声をかける
恥ずかしいと感じるかもしれませんが、ガスを出すことはお腹の張りを和らげるうえで役立ちます。
不安をなくすため大腸内視鏡検査の内容を動画で見たり検査の流れを知っておく
検査前に内視鏡検査の内容を知ることは、不安を軽減するのに有効です。
検査が必要以上に怖く、痛みを感じやすい理由に、見えないことやわからないことが挙げられます。
近年では、医療機関がYouTubeなどで検査の様子を公開していることも多く、検査中の内容が把握しやすくなっています。
こういった動画を事前に見て、検査内容を把握するのも痛みや恐怖を軽減できる方法の一つといえるでしょう。
過去に痛かった・検査が中止になった人の対処法
一度つらい経験をすると、「次も同じように痛いのでは」と不安になるのは自然なことです。
前回の経験を医師に伝えれば、次の検査では方法を工夫してもらえます。
ここでは、過去に痛みや中止を経験した人ができる対処法を紹介します。
前回の経験を事前に医師へ伝える
前回の検査で痛かった、または中止になった経験がある人は、その内容を必ず事前に医師へ伝えましょう。
情報があれば、医師は内視鏡の種類や挿入の方法、薬の使い方を前もって工夫できるからです。
- どのあたりで痛みが強かったか
- 中止になった場合は、その理由(説明された内容)
- 前回、鎮静剤や鎮痛剤を使ったかどうか
- 前回の薬の効き具合(効きすぎた・効かなかった)
- お腹の手術歴やヘルニアの有無
- ふだんの便秘の程度
前回の検査を受けた医療機関がわかれば、施設名も伝えておくとよいでしょう。
「前回は痛かった」と一言伝えるだけでも、医師の対応は変わります。
鎮静剤の量や方法を相談する
前回つらかった人は、鎮静剤の量や使い方について医師と具体的に相談しておくことをおすすめします。
鎮静剤の効き方には個人差があり、量や種類を調整できる場合があるためです。
鎮静の深さは、薬の量や体質による効きやすさによって変わります。
相談するときのポイント
| 前回の状況 | 相談したい内容 |
|---|---|
| 鎮静剤なしで痛かった | 鎮静剤や鎮痛剤を使えるか |
| 鎮静剤を使ったが痛かった | 量や種類、鎮痛剤の併用を変えられるか |
| 薬が効きすぎてふらついた | 量の調整や付き添いの必要性 |
以前に鎮静剤でふらつきが強く、帰宅までに時間がかかった方は、付き添いの方と一緒に来院すると安心です。
また、持病によっては鎮静剤が使えない場合もあります。
安全に検査を受けるためにも、持病や飲んでいる薬もあわせて伝えておきましょう。
大腸内視鏡検査の痛み対策はクリニック探しが重要
大腸内視鏡検査を受ける場合、痛み対策で重要なのはクリニック探しです。
個人でできる痛み対策は補助的なものしかなく、クリニックの医師の腕前に左右されるからです。
ここでは、大腸内視鏡検査における消化器内科クリニック選びの基準を紹介しましょう。
消化器内科で内視鏡検査の専門家が常駐しているクリニックを探す
内視鏡検査の専門医がいるクリニックを選ぶことで、技術的に優れた検査を受けることが可能になります。
上述した痛みを感じやすい人の特徴の多くは、熟練の専門家による検査で回避できます。
痩せている人や痛みを感じやすい人でも、腸を引き伸ばさない挿入法に熟練した医師であれば、痛みを大きく軽減できる可能性があります。
熟練した医師の手技によって、腸への負担が少ない検査を実施できるため、痛みのリスクが軽減されるでしょう。
専門家が常駐しているかどうかは、事前にクリニックの設備や実績を確認することが大切です。
内視鏡専門医の在籍は医療機関にとって大きな強みのため、公式サイトで紹介されていることが多いです。
鎮静剤などの痛み対策を行っているか確認する
鎮静剤の使用や炭酸ガスの導入など、痛みを軽減する取り組みを行っているクリニックを選ぶことが重要です。
クリニックの公式サイトや口コミを参考にしながら、自分に合った対策を提供している施設を選びましょう。
といっても、基本的に現代の消化器内科では、ほとんどのクリニックが鎮静剤を使用しています。
そのため、痛みを感じやすい人でも大腸内視鏡検査は比較的痛みを緩和した状態で行うことができます。
しかし、クリニックによって合う、合わないがあるので、複数の候補を比較し、気に入ったところを見つけましょう。
胃カメラ(上部内視鏡)は痛い?経鼻内視鏡なら負担を減らせる
胃カメラのつらさは、痛みよりも「オエッ」となる吐き気によるものが中心です。
口から入れる方法(経口)と鼻から入れる方法(経鼻)の違いは、次のとおりです。
| 比較項目 | 経口内視鏡 | 経鼻内視鏡 |
|---|---|---|
| 内視鏡の太さ | 約9mm | 約5〜6mm |
| 「オエッ」となる反射 | 起こりやすい | 起こりにくい |
| 検査中の会話 | 難しい | できる |
| 主なデメリット | 吐き気が出やすい | 鼻の痛み・鼻血、画質がやや劣る |
胃カメラが苦手な方は、経鼻内視鏡という選択肢があることを覚えておきましょう。
咽頭反射で「オエッ」となる理由
胃カメラで「オエッ」となるのは嘔吐反射によるもので、最大の原因は内視鏡が舌の付け根に触れる刺激です。
口から入れる内視鏡は、どうしても舌の付け根を通る必要があるため反射が起こりやすくなります。
- 内視鏡が舌の付け根に触れる
- 内視鏡が口からのどへ通過する
- 検査への不安や緊張が強い
不安による緊張が、検査前から嘔吐反射を招くことがあるとも指摘されています。
この反射は、本人の我慢や努力だけで抑えるのが難しいものです。
対策としては、舌の付け根を通らない経鼻内視鏡を選ぶ方法や、鎮静剤を使う方法があります。
反射が強くて胃カメラがつらかった方は、次回の検査方法を医師に相談してみましょう。
経鼻内視鏡は鼻が痛い?
経鼻内視鏡では鼻に痛みを感じることがありますが、事前の処置によって多くの場合は和らげられます。
鼻の中は狭く、内視鏡が通るときに粘膜がこすれやすいためです。
経鼻内視鏡のデメリットとして、鼻の痛みや鼻血が起こりやすいことが挙げられています。
そのため、多くの施設では検査前に次のような処置を行います。
- 鼻の通りをよくするスプレーを両方の鼻に入れる
- 通りのよい側に麻酔のゼリーを入れる
- 麻酔薬を塗ったチューブで鼻の通り道を慣らす
まれに鼻の中が狭くて内視鏡が入らなかったり、鼻血が出たりすることがあり、その場合は口からの検査に変更することがあります。
鼻炎や鼻づまりがある方は、事前に医師へ伝えておくと安心です。
大腸内視鏡検査の痛みに関するよくある質問
最後に、大腸内視鏡検査の痛みに関して多く寄せられる質問にお答えします。
検査当日の過ごし方を考えるうえでも、ぜひ参考にしてください。
鎮静剤を使うと当日は運転できない?
鎮静剤を使った場合、検査当日は車・バイク・自転車の運転ができません。
鎮静剤の効果は検査が終わったあともしばらく残り、眠気やふらつき、判断力の低下が起こることがあるためです。
医療機関によっては、使用後24時間は車・バイク・自転車の運転を控えるよう指示されることもあるため、事前に確認しておきましょう。
鎮静剤を希望する方は、帰りの交通手段まで含めて事前に計画しておきましょう。
検査後のお腹の張りはいつまで続く?
検査後のお腹の張りは、腸に入ったガスが吸収されたり体の外へ出たりすると自然におさまります。
続く時間は、検査で空気と炭酸ガスのどちらを使ったかによって大きく変わります。
- ガスは我慢せずにこまめに出す
- 検査後は無理をせず、ゆっくり過ごす
- 張りが気になるなら、炭酸ガスを使う施設を選ぶ
強い腹痛が続く場合や出血がある場合は、我慢せずに検査を受けた医療機関へ連絡してください。
参考:大腸内視鏡検査における二酸化炭素送気の有用性の検討(日本消化器内視鏡学会雑誌 2012年54巻11号、石川県立中央病院)

まとめ
大腸内視鏡検査の痛みは、痩せ型や腸の形、お腹の手術歴、便秘といった体質によって感じ方が変わりますが、鎮静剤や炭酸ガス、挿入技術の高い医師による検査で大きく和らげることが可能です。
今回紹介した痛い人の特徴や対策を参考に、自分に当てはまる点や過去の経験を事前に医師へ伝え、痛み対策に力を入れているクリニックで検査を受けましょう。
大腸内視鏡検査は大腸の病気を早期に見つけるための大切な検査なので、痛みへの不安から先延ばしにせず、安心して任せられる医療機関に相談してみてください。



