「快便なのにお腹が張るのはなぜ?」
「お腹の張りを解消する方法は?」
快便でもお腹が張る原因は、食事中の空気の飲み込み、食物繊維によるガス発生、ストレス、女性特有のホルモン変動など様々です。
今回は、「快便なのにお腹が張る原因」や「考えられる病気」「張りを和らげる方法」などについて詳しく解説していきます。
お腹の張りでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
快便なのにお腹が張る原因は?

快便なのにお腹が張る原因は以下の通りです。
- 食事中に空気を飲み込む
- 食物繊維による腸内ガスの発生
- ストレスや不安による腸の動きの乱れ
- 女性特有の原因
上記の原因について解説していきます。
食事中に空気を飲み込む
食事中に空気を飲み込むことでお腹が張ることがあります。
食事や会話の際に無意識に空気を口から胃へと流し込んでしまうことで、その空気が胃や腸に溜まり、膨満感や不快感を引き起こすためです。
例えば、早食いの習慣がある方や、よく噛まずに食べる方、おしゃべりしながら食事をする方は、食べ物と一緒に空気を多く飲み込む傾向があります。
こうした行動が続くと腸内のガスも増えてしまい、快便でもお腹の張りを感じやすくなります。
食物繊維による腸内ガスの発生
快便なのにお腹が張る原因は、食物繊維によって腸内ガスが発生するためです。
食物繊維は腸の調子を整え、便を出しやすくする働きがあります。
しかし、人の消化酵素では分解できず、大腸に届いた後、腸内細菌によって発酵・分解される過程で水素やメタンなどのガスが発生します。
| 食品 | 食物繊維量(g/100gあたり) | 分類 |
|---|---|---|
| 豆類(いんげんまめ) | 13.6 | 豆類 |
| 豆類(あずき) | 12.1 | 豆類 |
| じゃがいも | 9.8 | イモ類 |
| さつまいも | 2.8 | イモ類 |
| ごぼう | 5.7 | 野菜 |
| キャベツ | 1.8 | 野菜 |
| ブロッコリー | 5.1 | 野菜 |
そのため、多く摂りすぎると腸内でガスが増え、お腹の膨満感や張りにつながることがあります。
ストレスや不安による腸の動きの乱れ
快便なのにお腹が張る原因のひとつは、ストレスや不安による腸の動きの乱れです。
ストレスがかかると自律神経のバランスが乱れ、腸の運動が正常に働かなくなります。
その結果、腸の蠕動運動が過剰になったり鈍くなったりし、ガスが溜まりやすくなります。
腸の動きが不安定になることで、便通があってもお腹の張りや違和感を感じる人が多いです。
女性特有の原因
快便なのにお腹が張る原因として、女性特有のホルモン変動が大きく関係しています。
特に生理前になると、プロゲステロンというホルモンの影響で腸の動きが鈍くなり、ガスが溜まりやすくなるのです。
女性は生理周期に合わせてホルモンバランスが変化します。
特に生理前の黄体期にはプロゲステロンが増加し、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が弱まります。
上記により、腸内にガスが溜まりやすくなり、お腹が張る症状が出やすくなります。
この現象は「月経前症候群(PMS)」の一つとして知られています。
快便でお腹が張っている場合に考えられる病気
快便でお腹が張っている場合に考えられる病気は下記の5つです。
- 過敏性腸症候群(IBS)
- 急性胃腸炎
- 大腸がん
- 機能性ディスペプシア
- 卵巣腫瘍
便通が正常だからと放置してしまうと、重大な病気の発見が遅れる原因になります。
過敏性腸症候群(IBS)
快便でもお腹の張りが続く場合、過敏性腸症候群(IBS)の可能性があります。
過敏性腸症候群(IBS)とは、検査をしても腸に炎症や腫瘍などの異常が見つからないのに、腹痛やお腹の張り、下痢・便秘といった便通のトラブルが慢性的に続く病気のことを指します。
IBSは腸に明らかな異常が見つからないのに、ストレスや自律神経の乱れで腸が過敏になり、腹部膨満感や腹痛、便通異常などが慢性的に起こる病気です。
さらに、IBSでは排便してもすっきりしない感じや、緊張するとお腹がグルグル鳴るといった不快感だけが目立つケースもあります。
張りや痛みが続いたり、生活に支障が出ているなら、自己判断で様子を見るのではなく消化器内科で相談し、自分の症状がIBSかどうかを確認してもらうことが大切です。
急性胃腸炎
快便でもお腹の張りが続くとき、食あたりなどが原因の急性胃腸炎のケースがあります。
急性胃腸炎はウイルスや細菌などが胃や腸に感染して起こり、腹痛や張り、吐き気、下痢、発熱などが短期間にあらわれる病気です。
例えばノロウイルスや細菌性胃腸炎では、最初はむかつきや軽い腹痛だけで、翌日から水っぽい下痢や発熱が出てくることが多いとされています。
張りとともに強い腹痛、何度も下痢や嘔吐をする、血の混じった便が出る、38度以上の熱が続く、といった場合は速やかに内科や消化器内科を受診してください。
大腸がん
大腸がんは早期はほとんど症状が出ませんが、進行すると腸が狭くなり、便やガスが溜まってお腹の張りや痛みとして現れることがあります。
大腸がんとは、大腸(結腸・直腸)の内側を覆う粘膜にできる「悪性腫瘍(あくせいしゅよう)」のことをいいます。主に良性ポリープ(腺腫)が時間をかけてがん化していく場合と、正常な粘膜から直接がんが発生する場合があります。
また、血便や便が細くなる、下痢と便秘を繰り返す、原因不明の体重減少や貧血なども代表的な症状として挙げられます。
国立がん研究センターでも、こうした症状が続く場合は大腸内視鏡検査などで確認するよう勧められます。
そのため、快便でも張りが長く続いたり、家族に大腸がんの人がいたりする方は、自己判断で様子を見るより消化器内科で相談することが大切です。
機能性ディスペプシア
快便でもお腹が張っている場合、機能性ディスペプシアという病気が疑われます。
機能性ディスペプシアとは、胃カメラなどの検査をしても異常が見つからないのに、胃もたれやみぞおちの痛み、膨満感、早期満腹感などの症状が慢性的に続く病気です。
胃の運動機能の低下やストレス、胃酸の過剰分泌といった複数の要因が関与しているためと考えられています。
特に、暴飲暴食や不規則な生活などの日常習慣が、胃の働きを乱しやすいです。
卵巣腫瘍
快便なのにお腹だけ張る状態が続くときは、卵巣腫瘍が隠れている可能性があります。
卵巣腫瘍とは、子宮の左右にある卵巣に「こぶ(しこり)」ができた状態のことをいいます。
卵巣にできた腫瘍を総称して呼ぶ名前で、その中には良性のものもあれば、がんのような悪性のものもあります。
卵巣腫瘍は小さいうちはほとんど症状がなく、気づきにくい病気といわれていますが、腫瘍が大きくなったり腹水がたまってくると、お腹の張り(腹部膨満感)や下腹部痛、頻尿、便秘などが出ることがあります。
例えば「体重はあまり増えていないのに、最近スカートのウエストがきつい」「ガスは出ているのに下腹部だけパンパンに感じる」といった症状から、検診や受診をきっかけに卵巣腫瘍が見つかることがあります。
お腹の張りを和らげる方法

お腹の張りに悩んでいる人は多いですが、日常生活のちょっとした工夫で、その不快感を和らげることができます。
以下では、お腹の張りを解消するための具体的な方法を紹介します。
ゆっくりよく噛んで食事する
お腹の張りやガス溜まりで苦しい人ほど、早食いをやめて、ひと口ずつ時間をかけてよく噛んで食べることが重要です。
早食いや噛まない食べ方は、食べ物が大きいまま胃腸に届くうえに、空気も一緒に飲み込みやすくなるため、消化不良やガス溜まりにつながります。
一方で、よく噛んでゆっくり食べると、唾液の酵素が働いて消化を助け、空気を飲み込む量も減るので、お腹の張りが和らぎやすくなります。
スマホを見ながらの「ながら食い」は空気を飲み込みやすいのでやめて、食事に集中し、少量ずつ口に運んでよく噛むことを続けると、胃腸の負担が減り、張りや苦しさが軽くなっていきます。
お腹や下腹部を「の」の字を描くように優しくマッサージする
お腹の張りは、ガスや便が腸内に溜まることで起こることが多いです。
腸の動きが滞ると、張った感じや不快感を感じやすくなります。
そこで、お腹を「の」の字を描くように優しくマッサージすることによって、腸の動きを促すことができます。
まず仰向けになり、両手をおへその下あたりに重ねます。
そのまま、ひらがなの「の」の字を描くイメージで、右下腹部から右上腹部、おへその上、左上腹部、左下腹部に向かって時計回りにゆっくりと優しい力でマッサージしましょう。
力は入れすぎず、痛みを感じない程度の強さで、5~10回繰り返します。
このようなマッサージは、腸の働きを助けて排便を促進し、お腹の張りを和らげてくれます。
軽い運動やウォーキングで身体を温める
お腹の張りを和らげたいときは、軽い運動やウォーキングで身体を温めることが効果的です。
運動で全身の血流が良くなると腸の動き(ぜん動運動)が活発になり、たまったガスや便が動きやすくなると考えられています。
具体的には、1日20〜30分ほどのウォーキングを、少し息が弾む程度のペースで続ける方法がおすすめです。
リズミカルに歩くことで腸が揺さぶられ、ガスの排出や便通の改善が期待できます。
通勤や買い物の際に一駅分多く歩く、エスカレーターではなく階段を使うなど、日常の中でこまめに身体を温める工夫をすると続けやすくなります。
お腹が張っている時におすすめの食べ物
お腹が張っているときは、腸にやさしく、善玉菌を増やす食べ物や消化の良い温かい料理を選ぶことがおすすめです。
| 食べ物の種類 | 具体例 | 期待できること |
|---|---|---|
| 発酵食品 | ヨーグルト 乳酸菌飲料 納豆 漬物 キムチ少量 | 腸内の善玉菌を増やして、腸内環境を整えやすくなる |
| 消化に良い主食 | おかゆ 雑炊 よくゆでたうどん | 胃腸への負担を減らしながら、エネルギーを補給できる |
| やわらかい具材のスープ | 野菜スープ 味噌汁の柔らかく煮た野菜 | 水分と栄養を同時にとり、身体を温めて張りを和らげやすい |
| 比較的やさしいデザート | バナナ りんご ヨーグルト | 胃腸への刺激が少なく、間食として取り入れやすい |
整腸作用が期待できるヨーグルト・乳酸菌飲料・納豆などの発酵食品に加えて、どうしても食事が必要なときは、おかゆやスープ、よくゆでたうどんなど「温かくて柔らかく脂質の少ないメニュー」を少量から試すようにしましょう。
また、体質によって合わない食材もあるため、様子を見ながら少しずつ取り入れて、お腹の張りが強いときは無理に食べすぎないように意識してください。
快便なのにお腹が張ることに関するよくある質問
快便なのにお腹が張ることに関するよくある質問をまとめました。
排便は問題ないのにお腹の張りや膨満感にお悩みの方、更年期の症状で困っている方、どの病院を受診すべきか迷っている方は、こちらもぜひ参考にしてください。
- 女性の更年期にお腹が張る症状が起こる理由は何ですか?
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女性の更年期にこのようなお腹の張りが起こりやすいのは、女性ホルモンの急激な変化で自律神経や腸の働きが乱れ、ガスや水分がたまりやすくなることが大きな理由です。
更年期は閉経前後約10年間の時期で、卵巣から分泌されるエストロゲンが大きく揺らぎながら低下し、自律神経のバランスや血行、代謝に影響するとされています。
その結果、腸の動きが弱くなり、便は出ていてもガスがうまく流れず、お腹の張りや膨満感が出やすくなります。
さらにホルモン変化や自律神経の乱れはむくみ体質を招き、血行不良から全身の水分がたまりやすくなり、下腹部も重だるく感じやすくなります。 - 快便なのにお腹が張る女性はどの診療科を受診すればいいですか?
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快便なのにお腹が張る女性は、まず消化器内科か一般内科を受診するのがおすすめです。
腸にガスがたまる病気や大腸がんなど、消化器の異常が隠れていることが多いといわれるからです。
一方で、生理周期に合わせて張りが強くなる、下腹部だけが張って痛む、妊娠の可能性があるといった場合は、婦人科の病気が原因のこともあります。 - お腹の張りで注意したい危険サインは?
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快便でも、お腹の張りに次のような危険サインがあれば、早めに医療機関を受診したほうが良いです。
注意したい危険なサイン- 激しい腹痛や、突然襲う強い腹痛がある
- 冷や汗が出る、顔面が蒼白になる
- 吐いてもすぐにまた吐いてしまうなど、嘔吐を繰り返す
- ガスも便も出ないのに、お腹だけどんどん張ってくる
- 血が混じった便や、タールのような黒い便が出る
- 原因が分からない発熱や、急な体重減少が見られる
- 皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)、息苦しさを伴う
例えば、激しい腹痛、または突然の腹痛、冷や汗や顔面蒼白、吐いてもすぐにまた吐いてしまう、ガスも便も出ないのにどんどん張ってくる、血便や黒い便、原因不明の発熱や体重減少、黄疸や息苦しさを伴う場合は要注意と言えます。
上記のサインがあるときは、放置せず、早めに消化器内科や内科を受診して原因を調べてもらうことが大切です。
- 大腸がんのお腹の張りはどのようなものですか?
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大腸がんによるお腹の張りは、ガスがたまりやすくスッキリしない膨満感が長く続く張り方が特徴です。
がんで腸の内側が狭くなると便やガスの通り道が細くなり、便が細くなる、出し切れていない感じがする、お腹が張るなどの症状が出やすくなるとされています。
さらに、腸の動きが悪くなると、食後に特に張りやすくなり、シクシクした痛みを伴うこともあります。
まとめ
快便なのにお腹が張る場合は、食事中の空気の飲み込み、食物繊維によるガス発生、ストレス、女性ホルモンの変動などが主な原因として考えられます。
また、過敏性腸症候群(IBS)や大腸がん、機能性ディスペプシア、卵巣腫瘍などの病気が隠れている可能性もあるため、症状が長引く場合は注意が必要です。
お腹の張りを和らげるため、今回紹介したゆっくりよく噛んで食事する習慣や、「の」の字マッサージ、軽い運動やウォーキングなどの方法を日常生活に取り入れてみましょう。
また、ヨーグルトや納豆などの発酵食品、おかゆやスープなど消化に良い食べ物を選ぶことで、腸内環境を整えることができます。


