「体重が減る病気は?」
「特別なダイエットもしていないのに体重が減る病気が怖い。」
体重が減る病気について、半年で体重の5%以上が減少している場合は病的なサインであり、早急な医療機関への受診が必要なのではないでしょうか。
急激な体重減少の背景には、糖尿病や甲状腺の異常、さらには悪性腫瘍といった重大な原因が隠れているケースも少なくありません。
例えば、しっかり食べているのに痩せていく場合は代謝の異常が疑われますし、食欲がない場合は内臓疾患や精神的なストレスが影響している可能性があります。
当記事では、何キロ減ったら病院へ行くべきかという具体的な目安から、受診すべき診療科、考えられる主な病気について詳しく解説します。

執筆者 有住 忠晃
近畿大学医学部を卒業後、近畿大学医学部消化器内科に入局し消化器内科を専門領域として最先端の診療・研究を実施。
その後、医療法人太雅会辻賢太郎クリニックにて消化器疾患や生活習慣病をはじめとした一般内科の診療・内視鏡検査に従事。
現ありずみ消化器内科院長。
体重減少は何キロからやばい?病院に行くべき基準
意図しない体重減少に気づいたとき、まず気になるのが病院へ行くべきかどうかの具体的な判断基準ではないでしょうか。
医学的には、ダイエットや運動などの明確な理由がないにもかかわらず体重が減る状態を病的体重減少と呼び、注意深く観察する必要があります。
体重が減った際の病院に行くべき基準をまとめると、以下のとおりです。
- 半年で体重の5%以上減少した場合は病気のサイン
- 1ヶ月で3%以上の減少は緊急性が高い
- 体重減少以外の随伴症状(倦怠感や喉の渇き)をチェック
例えば、日々の生活習慣が変わっていないのに服が緩くなったり、周囲から痩せたと言われたりする場合は、身体からのSOSサインかもしれません。
たとえ自覚症状がなくても、一定の数値を超えて体重減り続けているのであれば、深刻な疾患が隠れているリスクを考慮すべきと言えます。
「最近、急に痩せてきた」「何かの病気かもしれない」と不安を感じている方は、消化器内科へご相談ください。
当院では消化器病専門医が、体重減少の原因を特定するための精密な検査(血液検査・内視鏡検査・超音波検査など)を行い、早期発見・早期治療をサポートいたします。

半年で体重の5%以上が減少したら要注意
医療の現場で病的な痩せを疑う最初の大きな目安は、過去6ヶ月間で体重の5%以上が減少したときです。
5%という数字は非常に重要で、身体のエネルギー代謝や栄養吸収に何らかの重大なエラーが起きている可能性を強く示唆しています。
| 元の体重 | 要注意となる減少幅(5%) |
|---|---|
| 40kg | 2.0kg 以上の減少 |
| 50kg | 2.5kg 以上の減少 |
| 60kg | 3.0kg 以上の減少 |
| 70kg | 3.5kg 以上の減少 |
例えば、体重60キロの方であれば3キロ、50キロの方であれば2.5キロの減少が半年以内に起きた場合は、検査を受けるべき基準に達していると言えるでしょう。
一方で、1キロ程度の変動であれば水分量や食事のタイミングで起こり得ますが、3キロ近くとなると筋肉や脂肪が病的に消費されている可能性が高いです。
まずはご自身の半年前の体重を思い出し、現在の数値との差がこの5%の基準を超えていないか冷静に確認してみてください。
短期間での急激な減少は病的な痩せの可能性が高い
半年というスパンだけでなく、わずか1ヶ月から2ヶ月の間で数キロ単位の減少が見られる場合は、さらに緊急性が高まります。
短期間で急激に体重が落ちる現象は、身体が自分自身の組織を急速に分解してエネルギーに変えている異常な状態と言えるからです。
以下の場合は、様子を見ずにすぐ内科を受診してください。
- 1ヶ月で体重の3%以上が減少した
- 特に食事制限をしていないのに毎週1kgずつ減る
- 階段を登るだけで激しい息切れや動悸がする
例えば、癌やバセドウ病などの疾患では代謝が異常に亢進するため、驚くようなスピードで体重が減り続けることが少なくありません。
もちろん、一時的なストレスで食欲が落ちることもありますが、短期間に激痩せした場合は心臓や腎臓といった重要臓器にも大きな負担がかかっています。
もし1ヶ月で体重の3%を超えるような減少が認められるなら、様子を見るのではなく、速やかに医師の診察を受けることを強くおすすめします。
体重減少以外に現れやすい危険な随伴症状
体重が減るという事象に加えて、他の身体的変化が併発している場合は、特定の病気を特定するための重要な手がかりとなります。
体重減少とともに、強い倦怠感や喉の渇き、あるいは頻尿や動悸といった症状が出ていないか自身の体調を注意深く観察してください。
以下では、併発している症状によって、疑われる異常・疾患例をまとめました。
| 併発している症状 | 疑われる異常・疾患例 |
|---|---|
| 激しい喉の渇き、尿の増加 | 糖尿病 |
| 動悸、手の震え、汗をかきやすい | 甲状腺機能亢進症 |
| 長引く微熱、寝汗、身体のしこり | 悪性腫瘍(がん) |
| 気力の低下、不眠、食欲不振 | うつ病・精神的ストレス |
具体的には、食べているのに喉が渇いて多尿になるなら糖尿病、動悸や手の震えがあるなら甲状腺機能の異常が疑われるといった具合です。
また、発熱や寝汗、あるいは便秘や下痢といった排便習慣の変化が伴う場合は、内臓に何らかの炎症や腫瘍が存在しているリスクも否定できません。
これらのサインは身体が発信している警告ですので、体重の数値だけにとらわれず、全身のコンディションを総合的に判断することが大切です。
食べているのに体重が減る場合に考えられる主な病気
食事の量は変わっていない、あるいは以前よりも食べているはずなのに体重が減っていく状態は、医学的に見て明らかに異常なサインです。
本来、摂取したエネルギーは体内で活用されるか脂肪として蓄えられるはずですが、何らかの疾患によってエネルギーが漏れ出したり、過剰に消費されたりしている可能性があります。
食べているのに痩せる場合に確認すべき項目は、以下の通りです。
- 喉の渇きや、夜間のトイレ回数が増えていないか
- じっとしていても動悸がしたり、汗をかきやすくなっていないか
- 食べてすぐ下痢をするなど、排便の様子に変化はないか
例えば、若い世代であれば甲状腺の異常、中高年以降であれば糖尿病といったように、年齢層によっても疑われる疾患の優先順位は変わってきます。
以下では、食べているのに体重が落ちる代表的な3つの病気について、それぞれの特徴とメカニズムを解説します。
糖尿病(インスリンの働きが悪くエネルギーを利用できない)
食べているのに痩せる病気の代表格が糖尿病であり、その原因は血液中の糖分をエネルギーとして細胞に取り込めなくなることにあります。
実は、インスリンというホルモンが不足したり働きが悪くなったりすると、身体は糖の代わりに自分の筋肉や脂肪を分解してエネルギーを補おうとするため、体重が急激に減少します。
| 糖尿病による体重減少の特徴 | 具体的な症状 |
|---|---|
| 異常な口渇感 | いくら水を飲んでも喉が渇き、ペットボトル症候群に近い状態になる |
| 多尿・頻尿 | 血液中の余分な糖を排出しようとして尿の量と回数が増える |
| 全身の倦怠感 | 細胞がエネルギー不足に陥るため、常に身体がだるく疲れやすくなる |
例えば、最近急に甘い飲み物を欲するようになったり、夜中に何度もトイレで目が覚めるようになったりした方は、非常に注意が必要な状態と言えるでしょう。
補足として、放置すると合併症のリスクが高まるだけでなく、意識障害を伴う急性増悪を招く恐れもあるため、決して軽視してはいけません。
少しでも心当たりがある場合は、早急に血液検査を受けて血糖値の状態を確認することを強くおすすめします。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など代謝が異常に上がる)
甲状腺機能亢進症は、のどぼとけの下にある甲状腺からホルモンが過剰に出ることで、身体の代謝が異常に活発になる病気です。
この状態は例えるなら、椅子に座ってじっとしているときでも、身体の中では常に全力疾走をしているような猛烈なエネルギー消費が続いている状態と言えます。
バセドウ病などで見られる主なサインは、以下の通りです。
- 動悸が激しく、階段を少し登っただけで息が切れる
- 手指が細かく震え、文字が書きにくい
- 暑がりになり、冬場でも汗を異常にかく
- イライラしやすくなり、落ち着きがなくなる
もちろん、食欲は旺盛になるため普段よりたくさん食べるようになりますが、それを上回る速度でエネルギーを燃焼させてしまうため、体重はどんどん落ちていきます。
具体的には、20代から40代の女性に多く見られる傾向がありますが、高齢者の場合は逆に食欲が落ちて心不全のような症状が出ることもあるため注意が必要です。
放置すると心臓に過度な負担がかかり続けるため、動悸や手の震えを「ただの緊張や疲れ」で済ませず、専門の医療機関を受診してください。
消化管の吸収不良(胃や腸の疾患)
しっかり食べていても、それを消化・吸収する胃腸や膵臓の機能が低下していると、栄養が身体に取り込まれずにそのまま排出されてしまいます。
特に慢性膵炎やクローン病といった疾患では、脂肪を分解する酵素が足りなかったり腸管が炎症を起こしていたりするため、慢性的な低栄養状態に陥りやすいです。
| 疑われる疾患 | 特徴的な症状 |
|---|---|
| 慢性膵炎 | 脂肪便(油っぽい便)が出たり、食後の腹痛や背中の痛みがある |
| クローン病・潰瘍性大腸炎 | 慢性的な下痢や血便、繰り返す腹痛を伴い、栄養吸収が妨げられる |
| 胃潰瘍・十二指腸潰瘍 | 痛みにより食事が摂れなくなるだけでなく、吸収効率も悪化する |
例えば、食後すぐに腹痛が起きたり、油っぽい便が浮くような変化があったりする場合は、消化吸収のプロセスに重大な問題がある可能性が高いです。
また、こうした胃腸のトラブルを放置すると、身体に必要なビタミンやミネラルも不足し、貧血や肌荒れといった全身の不調へと繋がってしまいます。
食べたものが正しく栄養になっているかを確認するためにも、便の状態や食後の体調変化に目を向け、消化器内科での精密検査を検討してください。
食欲がない・食べられないのに体重が減る場合に疑われる原因
「最近、どうしても箸が進まない」「食べようとしてもすぐにお腹がいっぱいになる」といった食欲不振を伴う体重減少は、身体だけでなく心の問題も含めた多角的な視点でのチェックが必要です。
単なる夏バテや一時的な疲れで片付けられがちですが、意図せず食欲が落ちて体重が減り続ける状態は、内臓の深刻な病変や精神的なバランスの崩れを反映していることが少なくありません。
食欲不振と体重減少の主な傾向は、以下の通りです。
- 内臓の炎症や悪性腫瘍により、栄養の取り込み自体が拒絶されている
- 脳の満腹中枢や自律神経が乱れ、空腹を感じにくくなっている
- 慢性的な感染症が身体を蝕み、免疫反応でエネルギーが枯渇している
例えば、胃がんや膵がんなどの消化器系のがんは、物理的に食事を通りにくくするだけでなく、癌細胞が出す物質によって食欲そのものを減退させる特徴があります。
また、現代社会において無視できないのが過度なストレスによる影響で、心が限界を迎えると身体は「生命維持の優先順位」を下げてしまい、食事が喉を通らなくなるケースも多いです。
以下では、食欲がない状態から考えられる具体的な3つの要因について、深掘りして解説します。
食欲がわかない、あるいは食べられないのに体重が減るという症状は、身体の深部で重大な疾患が進行しているサインかもしれません。
不安を一人で抱えず、まずはありずみ消化器内科へご相談ください。

悪性腫瘍(がんによる消耗状態)
体重減少を伴う病気の中で最も注意すべきなのが悪性腫瘍(あくせいしゅよう)、つまり癌です。癌細胞が宿主である人間の栄養を奪い取って増殖し続けるために体重が減少します。
癌細胞は正常な細胞よりも遥かに多くのエネルギーを消費するだけでなく、悪液質と呼ばれる状態を引き起こし、筋肉や脂肪を強制的に燃焼させてしまうメカニズムを持っています。
| 癌による消耗で見られる特徴 | 具体的な変化 |
|---|---|
| 急激な筋力低下 | 脂肪よりも先に筋肉が落ち、足腰が細くなって疲れやすくなる |
| 味覚の変化・拒食 | 今まで美味しかったものが不味く感じたり、肉類を嫌うようになる |
| 慢性的な微熱 | 癌による炎症反応により、37度前後の熱がだらだらと続く |
例えば、胃がんや大腸がんでは消化管の通りが悪くなることで物理的に食べられなくなりますが、膵がんなどは痛みや代謝異常によって早期から急激に痩せることが知られています。
補足として、高齢者の場合は「年だから食が細くなった」と見逃されやすいですが、急な痩せ細りは癌のサインである確率が非常に高いことを念頭に置くべきです。
「どこか特定の場所が痛い」という症状がなくても、体重が落ちて顔色が悪くなってきたと感じるなら、全身のがん検診や精密検査を最優先で受けてください。
うつ病・強いストレス(自律神経の乱れ)
精神的な負担が蓄積されると、脳の視床下部にある自律神経が乱れ、消化管の動きや空腹感を感じる指令が正しく機能しなくなります。
この状態は、心療内科領域ではストレス痩せやうつ病の身体症状として現れることが多く、本人が「食べたい」と思っていても身体が拒絶してしまう点が特徴です。
ストレス・うつが疑われる精神身体のチェック方法を以下にまとめました。
- 朝起きたときが最も気分が重く、夕方にかけて少し楽になる
- 夜中に何度も目が覚める、または熟睡感が全くない
- 何をやっても楽しくなく、趣味にも興味が持てなくなった
- 食事をしても砂を噛んでいるようで、味が分からない
もちろん、一時的なプレッシャーであれば休息で回復しますが、長期にわたって食欲不振と体重減少が続く場合は、セロトニンなどの脳内物質が欠乏している恐れがあります。
具体的には、仕事の環境変化や人間関係の悩みがあった後に急激に痩せ始めたなら、それは心が発している限界のサインと捉えるべきでしょう。
体重が減るほどの食欲不振は中等度以上のうつ状態を示唆していることもあるため、内科での異常がなければ迷わず心療内科や精神科のカウンセリングを検討してください。
慢性感染症や炎症性疾患
身体のどこかで常にウイルスや細菌と戦い続けている状態、あるいは免疫が自分自身を攻撃している状態では、免疫活動にエネルギーが費やされるため、食欲があっても痩せていきます。
特に結核やHIVといった慢性的な感染症、あるいは膠原病のような炎症性疾患では、全身のエネルギー効率が悪くなり、じわじわと体重が削られていくのが特徴です。
| 疑われる疾患の種類 | 体重減少に伴う特徴的なサイン |
|---|---|
| 肺結核 | 長引く咳や痰、特に夜間にひどくなる寝汗や微熱を伴う |
| 膠原病(リウマチ等) | 関節の痛みやこわばり、原因不明の発疹や熱が出る |
| 慢性肝炎・腎不全 | 黄疸(目が黄色くなる)や浮腫(むくみ)、激しい倦怠感がある |
例えば、若い頃に感染したウイルスが数年後に活動し始めて痩せてくるケースや、自覚症状の薄い微細な炎症が内臓で続いているケースなどが考えられます。
疾患の初期段階では「なんとなく身体がだるい」程度の認識しか持てないことが多く、体重減少だけが唯一の客観的な異常であることも珍しくありません。
放置すると各臓器に不可逆的なダメージを与えるリスクがあるため、咳や微熱、関節の違和感などが少しでも伴う場合は、感染症内科やリウマチ科での精査が不可欠です。
注意しておきたい体重減少の特徴
体重が減るという現象は共通していても、背景にあるリスクや疑われる疾患は、性別や年齢といった属性によって大きく異なります。
医学的な統計を見ても、ホルモンバランスの変化が激しい女性と、生活習慣病のリスクが蓄積しやすい男性、そして身体機能の予備能力が低下する高齢者では、優先的に疑うべきポイントが異なるからです。
以下では、属性別の痩せ方のチェックポイントをまとめました。
- 女性
更年期による自律神経の乱れか、甲状腺の異常かを見極める - 高齢者
食事量の低下(認知機能)や、筋力の低下(フレイル)を疑う - 男性
長年の飲酒・喫煙習慣に伴う生活習慣病やがんのリスクを考慮する
例えば、女性の場合は生理不順や気分の浮き沈みを伴うことが多く、周囲からは単なる疲れやメンタルの不調と誤解されやすい側面があります。
一方、働き盛りの男性であれば、仕事の忙しさによる食生活の乱れだと思い込み、重大な疾患の初期症状を見逃してしまうケースが少なくありません。
以下では、それぞれの属性において特に注意を払うべき体重減少の特徴について、具体例を挙げて詳しく解説します。
女性に多い更年期障害や甲状腺疾患の影響
女性の体重減少において最も頻度が高く、見極めが重要なのが、女性ホルモンの低下に伴う更年期障害と、自己免疫が関係する甲状腺機能の異常です。
実は、更年期に差し掛かるとエストロゲンの減少により消化器の動きが弱まり、食欲不振や吸収不良から体重が落ちることがありますが、バセドウ病などの甲状腺疾患も同様の時期に発症しやすい特徴があります。
| 比較項目 | 更年期障害(の疑い) | 甲状腺機能亢進症(バセドウ病) |
|---|---|---|
| 体重の変化 | 食欲低下に伴い緩やかに減少する | 食べているのに急激に減少する |
| 発汗・体温 | ホットフラッシュ(急なのぼせ) | 全身に常に大量の汗をかく |
| 精神面 | 気分の落ち込み、不安感 | イライラ、異常な興奮、手の震え |
例えば、40代後半から50代の女性が「最近、急に痩せてイライラしやすくなった」と感じる場合、更年期によるものか甲状腺の異常によるものかによって治療法は全く異なります。
補足として、甲状腺疾患は血液検査ですぐに判別可能であるため、更年期だから仕方ないと自己判断せず、一度は内科や内分泌内科で検査を受けることが重要です。
ホルモンバランスの乱れは放置すると骨粗鬆症や心疾患のリスクを高めるため、体重減少というサインをきっかけに全身のケアを見直すようにしましょう。
高齢者の体重減少で見逃せないフレイルと認知症
高齢者において、半年で2〜3キロといった体重減少が起きることは、介護が必要な状態へと近づくフレイル(虚弱)の進行を意味する極めて危険なサインです。
高齢になると筋肉量が落ちるサルコペニアが進行しやすく、一度体重が落ち始めると免疫力が低下し、誤嚥性肺炎などの命に関わる合併症を引き起こすリスクが急増します。
以下では、高齢者の痩せで確認すべき生活サインをまとめました。
- ペットボトルの蓋が開けにくくなった(握力低下)
- 横断歩道を青信号のうちに渡りきれない(歩行速度低下)
- 食事をしたことを忘れる、または用意するのが面倒で抜いている
- 入れ歯が合わなくなり、固いものを避けるようになった
認知症の初期症状として「空腹を感じない」「食事の仕方を忘れる」といった、認知機能の低下が体重減少に直結しているケースも無視できません。
具体的には、同居している家族が「最近おじいちゃんの頬がこけてきたな」と感じたら、加齢のせいではなく身体の予備能力が枯渇しかけている警告と捉えるべきです。
高齢者の体重維持は健康寿命を延ばすための生命線ですので、高タンパクな食事への改善や、歯科検診を含めた多角的なサポートを検討してください。
男性の急激な痩せと生活習慣病・がんのリスク
男性、特に40代以降の働き盛りにおいて急激な体重減少が見られる場合、喫煙・飲酒習慣と深く関わるがんのリスクです。
実は、男性は内臓脂肪が溜まりやすいため、病的な痩せが始まっても「お腹が引っ込んでちょうど良くなった」と勘違いし、受診が遅れてしまうパターンが非常に多いです。
| 男性に多いリスク要因 | 体重減少に伴う注意症状 |
|---|---|
| 重度糖尿病 | お酒や甘いものを好む、仕事中の異常な眠気、足の痺れ |
| 消化器系のがん | 胃のむかつき、便が細くなる(大腸がん)、背中の痛み(膵がん) |
| 肺がん・肝臓疾患 | 長引く咳、顔色が土気色になる、お酒が弱くなった |
例えば、今まではいていたズボンのウエストが急にガバガバになったり、ベルトの穴が2つ以上内側に移動したりした場合は、健康的なダイエットの範囲を超えています。
特に、大量の飲酒を好む方で体重が落ちてきた場合は、アルコール性肝炎だけでなく、膵臓や食道といった沈黙の臓器に重大な問題が発生している可能性があります。
働き盛りの男性にとって身体は最大の資本ですので、会社の検診結果で異常を指摘されたなら、二次検査を後回しにせず速やかに精密検査を受けてください。
体重が減る病気は何科を受診すべき?検査の流れと注意点
体重減少という身体の異変を感じたとき、最も大きなハードルとなるのが「何科に行けばいいのか分からない」という悩みではないでしょうか。
適切な診療科を選び、医師へ現状を正しく伝えることは、重大な疾患の早期発見と早期治療を実現するための最も重要なステップと言えます。
以下では、診療科を選ぶ際の判断基準をまとめました。
- 特定の症状がなければ、まずは「総合内科」を受診する
- 体重以外の症状(腹痛、動悸等)がある場合は専門科へ直行する
- 受診時は「いつから、何キロ減ったか」の正確なメモを持参する
例えば、大きな病院へいきなり行くのは気が引けるという方も多いですが、まずは身近なかかりつけ医に相談することで、必要な検査や紹介状の判断を仰ぐことができます。
逆に、放置して症状が悪化してからでは検査項目が増え、身体的にも経済的にも負担が大きくなってしまうため、早期のアクションが賢明です。
以下では、初めて受診する際の診療科の選び方と、医師とのやり取りをスムーズにするためのポイントについて詳しく解説します。
まずは総合内科またはかかりつけ医へ
体重減少以外に目立った自覚症状がない場合や、どの科に行けばいいか迷う場合は、全身を幅広く診察してくれる総合内科や一般内科を受診するのが正解です。
実は、体重減少の原因は一つに特定できないことも多く、総合内科であれば血液検査や画像診断を通じて、隠れた疾患を消去法で絞り込んでいくことが可能です。
以下では、総合内科で行われる基本検査をまとめました。
- 血液検査
血糖値、甲状腺ホルモン、炎症反応、腫瘍マーカーなどの確認 - 尿検査
糖尿病や腎機能の異常チェック - 胸部エックス線
肺がんや呼吸器感染症の有無を調べる - 腹部エコー・CT
内臓に異常な腫れや腫瘍がないかを視覚的に確認
例えば、最初にかかりつけの内科を受診し、そこで詳細な検査が必要だと判断されれば、適切な専門医療機関への紹介状を書いてもらうことができます。
もちろん、自分で行くべき科を決めることもできますが、自己判断で間違った診療科を選んでしまうと、二度手間になり受診が遅れるリスクがある点には注意が必要です。
まずは地域の信頼できる内科に足を運び、現在の体重減少の状況をありのままに伝え、全身のスクリーニングを依頼することから始めてみてください。
「何科に行けばいいか分からない」「深刻な病気だったらどうしよう」と不安な方は、ありずみ消化器内科へご相談ください。
当院は内科全般の診療はもちろん、消化器の専門医が在籍しているため、体重減少の影に隠れた内臓疾患や悪性腫瘍の早期発見に向けた高度な検査が可能です。

症状がはっきりしている場合の診療科選び(消化器・内分泌・心療内科)
体重減少に加えて、すでに特定の部位に痛みや違和感がある場合は、その分野の専門医がいる診療科を直接受診することで、よりスピーディーな診断に繋がります。
各診療科にはそれぞれ得意とする検査や疾患があるため、ご自身の随伴症状と照らし合わせながら、最適な受診先を選択することが早期解決への最短ルートとなります。
| 併発している主な症状 | 最適な受診科 | 検査・対応内容 |
|---|---|---|
| 腹痛、下痢、便の変化、食後の不快感 | 消化器内科 | 胃カメラ、大腸内視鏡、腹部CT |
| 動悸、異常な発汗、激しい喉の渇き、頻尿 | 内分泌内科(代謝内科) | 精密なホルモン検査、ブドウ糖負荷試験 |
| 強い不安、不眠、気力の低下、拒食状態 | 心療内科・精神科 | 心理テスト、自律神経検査、カウンセリング |
| 長引く咳、夜の微熱、胸の痛み | 呼吸器内科 | 精密な胸部CT、痰の検査 |
例えば、食事のたびにお腹を下すような場合は消化器内科が最適ですし、じっとしていても心臓がドキドキするなら内分泌内科での甲状腺検査が優先されます。
症状が多岐にわたる場合は複数の科を回ることもありますが、まずは最も気になっている症状に焦点を当てて最初の受診先を決定しましょう。
まとめ
半年間で体重の5%以上が減少している場合、それは単なる体調の変化ではなく、身体が発している重大な警告サインである可能性が高いです。
たとえ痛みや苦しさがなくても、体内ではエネルギー代謝の異常や細胞の急激な消耗が起きている恐れがあり、放置は極めて危険だと言えます。
例えば、「年齢のせいだろう」「最近忙しかったからだろう」と自分自身で納得させてしまうことが、最も治療のチャンスを逃す原因になってしまいます。
もし少しでも異常を感じているなら、専門医のいる医療機関で血液検査や画像診断を受け、まずは大きな病気が隠れていないかを確認することが大切です。
ありずみ消化器内科では、患者様一人ひとりの不安に寄り添い、消化器の専門知識を活かした精度の高い検査と丁寧な説明を行っています。
わずかな体重の変化を「たかが痩せただけ」で終わらせず、ご自身の健康な未来を守るために、今すぐ一歩を踏み出して相談してみてください。


