「食後になるとお腹が痛い原因は何?」
「この腹痛は様子を見ていいのか、病院へ行くべきなのか?」
このような不安を抱えている方は少なくありません。
食後の腹痛は、暴飲暴食や早食い、強いストレスや自律神経の乱れ、ピロリ菌などの感染により起こることが多く、ときには機能性ディスペプシアや胃炎、胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群などの病気が隠れている場合もあります。
この記事では、「食後の腹痛の主な原因」から「考えられる病気」「自分でできる対処法」まで、順を追ってわかりやすく解説します。
食後の腹痛が続いて不安な方は、放置せず原因を知るための手がかりとして、ぜひ参考にしてください。
食後の腹痛の原因とは?

食後の腹痛の原因は、以下の通りです。
- 暴飲暴食や早食い
- 強いストレスや自律神経の乱れ
- ピロリ菌などの感染
特に暴飲暴食は胃を急激に拡張させ、ストレスは胃酸の過剰分泌を招き、ピロリ菌感染は慢性的な胃粘膜の炎症につながります。
それぞれの理由について解説していきます。
暴飲暴食や早食い
食後にお腹が痛くなる人は、まず暴飲暴食や早食いといった「食べ方のクセ」を見直すことがとても大切です。
一度に食べ過ぎると、胃が処理できる量を超えてしまい、胃酸分泌が増えて胃粘膜が刺激され、みぞおちの痛みやムカムカが起きやすくなります。
早食いでは、よく噛まずに大きなまま飲み込むため消化が追いつかず、胃が急に膨らんで負担がかかり、キリキリした腹痛や膨満感の原因になります。
| 原因 | 症状 |
|---|---|
| 暴飲暴食 | みぞおちの痛み 胃もたれ |
| 早食い | キリキリした痛み 張った感じ |
| 脂っこい食事の併用 | 上腹部痛 背中まで広がる痛み |
食後の腹痛で悩む場合は、量を腹八分目に抑え、よく噛んでゆっくり食べるだけでも胃腸への負担が軽くなり、症状の改善が期待できます。
それでも痛みが繰り返したり、強い痛みや黒い便、発熱などを伴うときは、自己判断せず消化器内科で受診するようにしてください。
強いストレスや自律神経の乱れ
強いストレスや自律神経の乱れは、食後に腹痛を引き起こす大きな原因になります。
自律神経が乱れると、胃腸の働きを調整する力が低下し、食後に痛みや不快感が出やすくなるためです。
さらに、副交感神経とのバランスが崩れることで胃酸の分泌が増え、胃の粘膜が刺激される場合もあります。
| 原因 | 症状 |
|---|---|
| 強いストレス | 胃痛・下痢・食欲不振 |
| 自律神経の乱れ | 食後の腹痛・胃もたれ |
| 睡眠不足 | 消化機能の低下による腹部の不調 |
| 過度の緊張 | お腹が張る・差し込むような痛み |
特に、仕事や人間関係のストレスが続くと、消化器官の動きが鈍くなり食後に痛みを感じやすくなります。
深呼吸や軽い運動などで自律神経を整えることで、症状の改善が期待できます。
ピロリ菌などの感染
食後の腹痛はピロリ菌などの細菌感染によって起こることがあります。
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)に感染すると、胃の粘膜が慢性的に炎症を起こしやすくなります。
その結果、食後に胃が刺激されることで痛みや不快感が生じます。
| 原因 | 症状 |
|---|---|
| ピロリ菌感染 | 食後の胃痛、胃もたれ、慢性的な吐き気 |
| 腸管感染症(細菌性胃腸炎など) | 下痢、発熱、食後の腹部けいれん |
| 胃炎(ピロリ菌によるものを含む) | みぞおちの強い痛み、空腹時の不快感 |
ピロリ菌が胃粘膜を傷つけることで胃酸に対する防御力が低下し、食後の痛みが強く出やすくなることも特徴です。
このように、食後の腹痛が続く場合、ピロリ菌をはじめとした感染が原因となっている可能性があります。
食後の腹痛から考えられる病気

食後の腹痛から考えられる病気は以下の通りです。
- 機能性ディスペプシア
- 慢性胃炎・急性胃炎
- 逆流性食道炎
- 胃・十二指腸潰瘍
- 過敏性腸症候群
食後30分〜1時間で痛む場合は胃潰瘍、空腹時に痛む場合は十二指腸潰瘍といったように、それぞれの病気には独自の特徴があります。
これらを知ることで、自分の症状がどの病気に該当するか判断する手がかりになります。
それでは上記の病気について解説していきます。
機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシアとは、胃の検査で異常が見つからないにも関わらず、胃痛や胃もたれなどの不快感が続く状態を指します。
胃の動きが悪くなったり、胃が過敏になったりすることで、食後に痛みが出やすくなります。
ストレスや自律神経の乱れも関係するため、生活習慣とも深く関わっています。
| 主な症状 | 内容 |
|---|---|
| 食後の胃痛 | 食後すぐに差し込むような痛みが起こる |
| 胃もたれ | 食事量に関係なく重さを感じる |
| 早期飽満感 | 少量でお腹がいっぱいになる |
| 吐き気 | 胃の働き低下によって起こりやすい |
例えば、普段通りの量を食べているのに食後すぐに胃が重く感じたり、少し食べただけで満腹になってしまったりするケースが挙げられます。
また、検査をしても胃潰瘍などの病気が見つからないため、「原因不明の胃の不快感」として長期間悩む方も多いです。
慢性胃炎・急性胃炎
慢性胃炎・急性胃炎とは、胃の粘膜に炎症が起きている状態を指します。
急性胃炎は短期間で強い症状が現れ、慢性胃炎は弱い炎症が長く続くことが特徴です。
| 病名 | 主な症状 | 発症の特徴 |
|---|---|---|
| 急性胃炎 | 強い腹痛、吐き気、胸やけ | 暴飲暴食、ストレス、薬の影響などで急に起こる |
| 慢性胃炎 | 鈍い痛み、胃の重さ、食欲不振 | 長期間の胃への負担やピロリ菌感染が原因で続く |
例えば、食後すぐに胃がキリキリ痛んだり、脂っこい食事の後にムカムカして食欲が落ちることがあります。
これは、胃の粘膜が炎症を起こし、食べ物を消化する動きに耐えられなくなっている状態です。
また、ストレスが強い時期や飲酒が続くと、急性胃炎を引き起こしやすくなります。
逆流性食道炎
逆流性食道炎は、胃酸などの内容物が食道へ逆流し、炎症を起こす病気です。
食後の腹痛、胸焼け、酸っぱい逆流感などが代表的な症状になります。
| 原因 | 詳細 |
|---|---|
| 食後すぐ横になる | 胃酸が上がりやすくなる |
| 脂っこい食事 | 胃酸分泌が増える |
| 姿勢の悪さ | お腹が圧迫され逆流が起きやすくなる |
食後すぐに横になったときに胸のあたりがジリジリと熱くなり、お腹の痛みを伴うことがあります。
上記は胃酸が食道まで上がり、粘膜を刺激している状態です。
また、就寝中に酸っぱい液体が喉まで込み上げてくるケースも報告されています。
胃・十二指腸潰瘍
胃・十二指腸潰瘍は、胃や十二指腸の粘膜が胃酸や消化酵素によって傷つき、深い穴(潰瘍)ができる病気です。
胃潰瘍は食後30分~1時間後に痛みが出やすく、十二指腸潰瘍は食後2~4時間後や空腹時に痛みが強くなるのが特徴です。
| 主な症状 | 内容 |
|---|---|
| みぞおちの痛み | 食後や空腹時に痛みが出る |
| 背中の痛み | 背中に刺すような痛みが広がることがある |
| 黒い便 | 出血によりタールのような黒い便が出る場合がある |
| 食欲不振 | 痛みのため食事が取りにくくなる |
例えば、食後しばらくするとみぞおちにズキズキとした痛みが出て、前かがみになると少し楽になるケースがあります。
また、夜中に空腹のタイミングでお腹が痛くなり、何かを食べると一時的に痛みが落ち着くこともあります。
さらに、胃潰瘍では背中にまで痛みが広がったり、黒い便が続くことがあり、出血のサインとなるため注意が必要です。
放置すると出血や貧血につながることもあるため、早めに検査を受けて原因を確かめることをおすすめします。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群とは、腸にポリープや炎症などの異常がないのに、腹痛と下痢・便秘などの便通異常を慢性的に繰り返す状態をいいます。
食事で腸が動き出したタイミングで痛みやお腹の張りが出やすく、排便すると少し落ち着くのが特徴です。
ストレスや緊張で腸の神経が過敏になり、動きが早くなりすぎたり、けいれんのように収縮したりすることが原因と考えられています。
| 主な症状 | 内容 |
|---|---|
| 食後の腹痛・下腹部の違和感 | 食べたあとにお腹がゴロゴロして痛みや張りを感じる |
| 便通異常(下痢・便秘) | 急な下痢や数日続く便秘などが慢性的に続く |
| ガス・お腹の張り | おならが増える、常にお腹がパンパンになる感覚がある |
| 排便で痛みが和らぐ | トイレに行ったあとは少し楽になることが多い |
例えば、昼食後に強い腹痛を感じてトイレに駆け込む、便が柔らかくなったり、逆に便秘が続く、という症状が目立つ場合は過敏性腸症候群が疑われます。
緊張やストレスがある日は症状が悪化しやすい傾向です。
食後の腹痛の対処方法
では、食後の腹痛に悩んだとき、どのように対処すればよいのでしょうか。
日常生活の工夫としては、食事内容の改善や生活習慣の見直し、そして必要に応じた医療機関の受診といった、以下のような方法が挙げられます。
食事改善
食後の腹痛に悩んでいる場合は、まず食事内容を見直すことが重要です。
脂っこい料理や早食い、刺激の強い食品は胃腸に強い負担をかけ、消化不良を起こしやすいためです。
| 食品・習慣 | 内容 | 理由 |
|---|---|---|
| 脂っこい料理を控える | 揚げ物 ラーメン ファストフードなど | 脂質は消化に時間がかかり負担になる |
| 刺激物を減らす | 香辛料 アルコール 炭酸飲料など | 胃粘膜を刺激し腹痛につながる |
| ゆっくり噛んで食べる | 一口30回を意識する | 消化を助け胃の負担を減らす |
| 消化の良い食品を選ぶ | おかゆ うどん 豆腐 白身魚など | 胃腸に優しく腹痛を起こしにくい |
食事内容や食べ方を少し変えるだけでも、食後の腹痛は改善しやすくなります。
まずは無理のない範囲で取り入れられる食事改善から始めてみましょう。
生活習慣の見直し
食後にお腹が痛くなりやすいなら、まず食事内容だけでなく生活習慣(睡眠や姿勢、ストレスなど)も見直してみることが大切です。
これらは自律神経や胃腸の動きに影響し、少し乱れるだけでも腹痛を悪化させることがあるといわれています。
| 見直したい習慣 | 具体的なポイント |
|---|---|
| 睡眠 | 毎日同じくらいの時間に寝起きして寝不足を避ける |
| 運動 | 食後すぐは避けて日中に散歩やストレッチを行う |
| 姿勢・服装 | 食後は猫背やきつい下着を避けて背筋を伸ばして座る |
| ストレス | 深呼吸や入浴、趣味の時間でこまめにリラックスする |
| 喫煙・飲酒 | 喫煙本数や飲酒量を減らし休肝日をつくる |
いきなり全部を完璧に変えようとすると続かないので、まずは睡眠時間をそろえる、ストレスが強い日は早めに体を休めるなど、一つずつ試してみましょう。
強い痛みや発熱、血の混じった便、嘔吐を伴う場合は自己判断で様子を見続けず、早めに消化器内科で原因を調べてもらいましょう。
医療機関で診察する
食後の腹痛が続いたり、症状が重かったりする場合には、早めに医療機関で診察を受けるようにしてください。
自己判断で様子を見るだけでは、食中毒や消化管の重い病気など重大な疾患を見落としてしまうリスクがあるためです。
特に発熱、嘔吐、血便、痛みが長引く場合や強くなる場合は、迅速な対処が必要です。
| 受診を考えたいタイミング | 症状の具体例 |
|---|---|
| 痛みが長引くとき | 数日〜1週間以上、食後の腹痛が続く、良くなってもすぐ再発する場合です。 |
| 痛みが強いとき | これまでにない強い痛みや、時間とともに悪化する痛みがあるときです。 |
| 他の症状を伴うとき | 発熱、嘔吐、下痢、血便・黒色便、急な体重減少などを伴う場合です。 |
| 救急受診を検討したいとき | 冷や汗が出るほどの激痛や、意識がぼんやりするような状態のときは119番も検討しましょう。 |
消化器内科や内科で診察を受けると、必要な検査や治療方針を具体的に説明してもらえます。
少しでも「いつもと違う」と感じたら我慢せず受診し早めに原因を確かめるようにしましょう。
食後の腹痛に関するよくある質問
食後の腹痛に関するよくある質問にお答えします。
- 食後30分で腹痛がするのはなぜ?
- 食後に腹痛とともに下痢が出るのは何が原因ですか?
- 食後に左側の腹部が痛むのは何が原因ですか?
食後30分で腹痛がするのはなぜ?
食後30分ほどでお腹が痛くなる場合、胃炎や胃潰瘍、機能性ディスペプシアなど、胃のトラブルが隠れている可能性があります。
食後は胃酸が多く分泌されるため、炎症を起こした粘膜が刺激され、みぞおち周辺にシクシクした痛みやムカムカを感じやすくなるといわれています。
空腹時ではなく、毎回ほぼ同じタイミングで痛みが出る場合は、胃の機能低下や粘膜の傷みが関係している可能性が高いです。
一度だけで軽く治まるなら食べ過ぎなど一時的な要因のこともありますが、繰り返すときは注意が必要になります。
食後に腹痛とともに下痢が出るのは何が原因ですか?
食後に腹痛とともに下痢が出るときは、腸の動きが急に高まり過ぎているか、腸に炎症などの異常が起きている可能性があります。
例えば、食事のたびにお腹がゴロゴロしてトイレに駆け込むが、排便すると少し楽になる場合は過敏性腸症候群が疑われます。
生ものや傷んだ食品を食べた後に突然の激しい腹痛と水っぽい下痢、発熱を伴うときは食中毒や感染性腸炎のことが多いです。
食後の腹痛と下痢が続く、血便や強い痛み、発熱を伴う場合は自己判断せず、早めに消化器内科や内科を受診することをおすすめします。
食後に左側の腹部が痛むのは何が原因ですか?
食後に左側の腹部が痛む原因は、主に消化管や内臓の異常が考えられます。
食事後にみぞおちから左側にかけて痛みが出る場合は胃潰瘍や胃炎、背中にまで広がる痛みなら膵炎、左下腹部なら憩室炎や腸閉塞、過敏性腸症候群が疑われます。
また、食事による腸内ガスの移動が一時的な痛みを引き起こすこともあります。
まとめ
食後の腹痛は、食べ方のクセやストレス、ピロリ菌感染などの身近な要因から、胃炎・潰瘍・過敏性腸症候群などの病気まで、さまざまな原因で起こります。
まずは「腹八分目・よく噛む・脂っこい料理や刺激物を控える」といった食事改善と、睡眠・姿勢・ストレスケアなど生活習慣の見直しから始め、数日〜数週間かけて痛みの変化を観察してみてください。
それでも食後の腹痛が続く、痛みが強くなる、黒い便・血便・発熱・嘔吐・体重減少などを伴う場合は、自己判断で様子を見ず、消化器内科で早めに受診するようにしましょう。


