「鼻からの胃カメラは痛いというのは本当?」
「経鼻内視鏡が痛いと感じる原因や、痛みを軽減する方法を知りたい」
鼻からの胃カメラは全員が痛いわけではありませんが、鼻腔の狭さや鼻中隔の曲がり、当日の緊張などが原因で「痛かった」と感じるケースもあります。
一方で、事前の準備や麻酔の活用によって、痛みを軽減できる方法も存在します。
今回は、鼻からの胃カメラが痛かったと感じる原因や、痛みをやわらげるコツ、口からの胃カメラとの違いなどについて詳しく解説していきます。
これから経鼻内視鏡の検査を受ける予定の方は、ぜひ参考にしてください。
ありずみ 消化器内科院長 有住忠晃ありずみ消化器内科では、「痛みへの不安」に配慮した内視鏡検査を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

執筆者 有住 忠晃
近畿大学医学部を卒業後、近畿大学医学部消化器内科に入局し消化器内科を専門領域として最先端の診療・研究を実施。
その後、医療法人太雅会辻賢太郎クリニックにて消化器疾患や生活習慣病をはじめとした一般内科の診療・内視鏡検査に従事。
現ありずみ消化器内科院長。
鼻からの胃カメラは全員が痛いわけではない
鼻からの胃カメラは、すべての人が痛いと感じる検査ではありません。
痛みの感じ方に差が出る理由は、人によって次のような条件が大きく異なるからです。
- 鼻の形や鼻腔(鼻の中の通り道)の広さ
- アレルギー性鼻炎など鼻の症状の有無
- 検査当日の緊張の度合い
- 医師の挿入技術や麻酔などの前処置の丁寧さ
たとえば鼻腔が広く、通りの良い人は、麻酔の効果もあってほとんど違和感なく検査を終えられます。
一方で、鎮静剤を使わない経鼻内視鏡では、約半数の方が検査中に何らかのつらさや不快感を覚えたという調査報告もあり、「絶対に痛くない検査」と言い切れないのも事実です。
つまり、痛みには個人差があるため、自分の鼻の状態を事前に医師へ伝え、適切な準備をすることが大切になります。
鼻からの胃カメラが「痛い」と感じるタイミング

経鼻内視鏡で痛みや違和感が出やすいタイミングは、主に次の3つです。
| タイミング | 感じやすい症状 |
|---|---|
| 鼻にスコープが入る瞬間 | ツーンとした刺激 圧迫される痛み |
| のどを通過するとき | 圧迫感 接触による違和感 |
| 検査後 | 鼻やのどのヒリヒリ感 少量の鼻血 |
どの場面でどんな感覚があるのかを事前にイメージしておくと、当日の不安や緊張がやわらぎます。
鼻にスコープが入る瞬間の痛み
鼻からの胃カメラで最も痛みを感じやすいのは、スコープが鼻腔に入る瞬間です。
鼻の入り口付近の粘膜は敏感で、カメラが通過するときに圧迫感や「ツーン」とした刺激を感じやすいからです。
このため多くの医療機関では、痛みを抑えるために次のような前処置を行っています。
- 血管収縮剤を鼻に噴霧して、鼻腔を広げる
- ゼリー状の局所麻酔を鼻腔に入れて、感覚を鈍らせる
- 麻酔薬を塗ったスティックで、スコープの通り道を確認する
また、医師が鼻の構造をよく理解し、その日最も広く通っているルートを見きわめて挿入することで、痛みや鼻血を防げるとされています。
麻酔がしっかり効いていれば、多くの場合は「押される感じはあるが強い痛みではない」という程度に収まりますので、必要以上に怖がらなくて大丈夫です。
のどを通過するときの違和感
スコープが鼻を抜けてのど(咽頭)を通過するときにも、違和感を覚えることがあります。
これは、カメラがのどの粘膜に触れながら食道へ進むためで、圧迫感や飲み込みたくなるような感覚が生じるからです。
ただし、経口内視鏡と比べると、のどへの負担には次のような違いがあります。
| 項目 | 経鼻内視鏡 | 経口内視鏡 |
|---|---|---|
| 舌の付け根への接触 | 触れない | 触れる |
| 嘔吐反射(オエッとなる) | 起こりにくい | 起こりやすい |
| のどの圧迫感 | 検査中続く | 検査中続く |
口からの胃カメラでつらいと感じる原因の7割以上が嘔吐反射といわれていることを考えると、吐き気が少ない点は経鼻の大きな強みです。
のどの反射が強い方には、スプレータイプの咽頭麻酔を追加する医療機関もあるので、不安な場合は事前に相談しておきましょう。
検査後に鼻やのどが痛むケース
検査が終わった後に、鼻やのどの痛みが残るケースもあります。
スコープが鼻腔やのどの粘膜に擦れることで、軽い炎症や小さな傷ができることがあるためです。
具体的には、次のような症状が検査後に出ることがあります。
- 鼻の奥がヒリヒリする、ツーンとする
- 鼻をかんだときに少量の血が混じる
- のどに異物感やイガイガした痛みが残る
これらの症状は一時的なもので、多くは数時間から2〜3日程度で自然に治まります。
ただし、次に当てはまる場合は、検査を受けた医療機関へ早めに連絡してください。
- 鼻血がなかなか止まらない
- 痛みがだんだん強くなる
- 発熱などの症状が出てきた
検査当日は鼻を強くかまない、刺激物を避けるなどの注意を守ることで、粘膜の回復を助けられます。
鼻からの胃カメラが痛いと感じる原因

同じ経鼻内視鏡でも、痛みを強く感じる人とほとんど感じない人がいます。
痛みの主な原因は、次の3つに整理できます。
| 原因 | 痛みにつながる理由 |
|---|---|
| 鼻の穴が狭い | スコープが粘膜に強く接触する |
| 鼻中隔の曲がりや鼻炎 | 通り道が狭くなり、粘膜が敏感になる |
| 緊張による力み | 筋肉がこわばり、スコープの通過を妨げる |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
鼻の穴が狭い
鼻腔が狭いことは、経鼻内視鏡で痛みを感じる最も大きな原因です。
鼻腔が狭いと、細いスコープであっても粘膜に強く接触しながら進むことになり、圧迫による痛みや出血が起こりやすくなるからです。
鼻腔内が狭い場合は鼻からカメラを挿入すること自体が難しく、無理に検査を行うと痛みや出血を伴うことがあるとされています。
鼻腔が狭くなる背景には、次のようなケースがあります。
- もともと鼻の骨格が小さく、通り道が細い
- 鼻づまりで粘膜が腫れて、一時的に狭くなっている
- 過去の鼻の病気や手術の影響で、形が変わっている
このような場合、医師の判断で口からの経口内視鏡に切り替えて検査を行うのが一般的です。
鼻の通りに自信がない方は、検査前の診察で「鼻が狭いかもしれない」と伝えておくと、無理のない方法を選択してもらえます。
鼻中隔の曲がりや鼻炎がある
鼻中隔(左右の鼻を仕切る壁)の曲がりや、アレルギー性鼻炎などの症状も、痛みの原因になります。
鼻中隔が曲がっているとスコープの通り道が部分的に狭くなり、鼻炎があると粘膜が腫れて刺激に敏感になっているためです。
痛みにつながりやすい鼻の状態には、次のようなものがあります。
- 鼻中隔彎曲症(鼻の仕切りが曲がっている状態)
- アレルギー性鼻炎による粘膜の腫れ
- 繰り返す副鼻腔炎
- 鼻の手術を受けた経験がある
また、鼻の粘膜が炎症を起こしている場合は、内視鏡の挿入により痛みが増すケースがあることも知られています。
たとえば花粉症のシーズンに検査を受けると、普段は問題ない人でも粘膜の腫れで痛みを感じやすくなることがあります。
鼻炎の治療中の方や鼻づまりの症状がある方は、予約の段階でクリニックに伝えておくことが大切です。
緊張による力みや体のこわばり
体の緊張も、痛みを強くする見逃せない原因です。
緊張して体に力が入ると、鼻やのどの周りの筋肉がこわばり、スコープの通過がスムーズにいかなくなるからです。
また、「痛かったらどうしよう」という不安が強いと、痛みに意識が集中してしまい、実際以上に苦痛を感じやすくなります。
- 不安や恐怖で、肩や首に力が入る
- 鼻やのどの筋肉がこわばり、スコープが通りにくくなる
- 通過時の刺激が増え、「痛い」という感覚が強まる
- 痛みでさらに緊張し、悪循環に陥る
逆に、ゆっくりと呼吸をしてリラックスできた方は、同じ検査でも「違和感程度だった」と感じることが多いものです。
検査中は口で会話ができるため、つらいときは医師や看護師に遠慮なく伝え、深呼吸を意識して体の力を抜くことを心がけましょう。
鼻からの胃カメラと口からの胃カメラはどちらが楽?
経鼻内視鏡と経口内視鏡には、それぞれメリットとデメリットがあります。
どちらが楽かは人によって異なるため、両者の違いを比較して自分に合った方法を選ぶことが大切です。
| 比較項目 | 経鼻内視鏡(鼻から) | 経口内視鏡(口から) |
|---|---|---|
| スコープの太さ | 約5〜6mmと細い | 約9〜10mmとやや太い |
| 嘔吐反射(吐き気) | 起こりにくい | 起こりやすい |
| 検査中の会話 | 可能 | できない |
| 鎮静剤 | 不要なことが多い | 希望に応じて使用 |
| 鼻血のリスク | あり | なし |
| 画質・処置 | 細径のためやや制限あり | 高画質で処置もしやすい |
| 検査後の運転 | 鎮静剤なしなら可能 | 鎮静剤使用時は不可 |
経鼻内視鏡のメリット
経鼻内視鏡の最大のメリットは、吐き気などの苦痛が少ないことです。
スコープが舌の付け根に触れないため、咽頭反射が比較的少ないとされており、「オエッ」となりにくい構造になっています。
- 嘔吐反射が起こりにくく、吐き気が少ない
- 口が自由なので、検査中に医師と会話ができる
- 自然な呼吸がしやすく、息苦しさを抑えられる
- 血圧や酸素濃度の変動が少なく、心臓への負担が小さい
- 鎮静剤を使わなければ、検査後すぐに帰宅でき車の運転も可能
「痛い」「つらい」といった感覚をその場で言葉にして伝えられる安心感は、経口にはない大きな利点といえます。
リラックスして検査を受けられることで、検査の正確性の向上も期待できます。
経鼻内視鏡のデメリット
経鼻内視鏡には、鼻ならではのデメリットも存在します。
スコープが鼻腔の粘膜に接触しながら進むため、鼻に関するトラブルが起こる可能性があるからです。
- 鼻の痛みや圧迫感を感じることがある
- 検査後に鼻血が出ることが約2%程度ある
- 鼻腔が狭い人は挿入できず、口からの検査に変更になる場合がある
- スコープが細い分、経口に比べて画質や処置の面で制限が出ることがある
- のどへの接触感や圧迫感は検査中も続く
また、スコープが柔らかく作られているため、部位によっては組織の採取(生検)ができないことがある点も知っておきたいポイントです。
鼻の状態に不安がある方は、事前に医師と相談して検査方法を判断しましょう。
経口内視鏡のメリット
経口内視鏡のメリットは、観察の精度と処置のしやすさにあります。
スコープが太い分、高性能なカメラを搭載でき、明るく鮮明な画像で食道や胃の粘膜を観察できるからです。
- 高画質で微細な病変を発見しやすい
- 組織の採取(生検)やポリープの処置がスムーズに行える
- 鼻の状態に関係なく、ほぼすべての人が受けられる
- 鎮静剤と組み合わせれば、眠っている間に検査が終わる
とくに胃がんの早期発見という観点では、胃の中に空気を十分に入れてヒダの間を広げ、詳細に観察することが重要とされています。
鎮静剤を使った経口内視鏡なら、苦痛を感じることなくじっくりと観察してもらえるため、精密な検査を希望する方に向いています。
経口内視鏡のデメリット
経口内視鏡のデメリットは、鎮静剤を使わない場合の苦痛が大きいことです。
太めのスコープが舌の付け根に触れるため、嘔吐反射が起こりやすく、「オエッ」という吐き気を繰り返す方が多いからです。
- 嘔吐反射による吐き気や苦しさが出やすい
- 口がふさがれるため、検査中に会話ができない
- 検査中に血圧や心拍数の上昇、酸素濃度の低下が見られ、心臓に負担がかかることがある
- 鎮静剤を使う場合は、検査後に休憩時間が必要で、当日の車の運転ができない
過去に口からの胃カメラでつらい経験をした方は、経鼻内視鏡か、鎮静剤を使った経口内視鏡を検討する価値があります。
鼻からの胃カメラの痛みを軽減する方法

経鼻内視鏡の痛みは、事前の準備と工夫で大きく軽減できます。
具体的な方法は、次の4つです。
- 鼻の通りを確認しておく
- 緊張を和らげる準備をする
- 麻酔や鎮静剤を利用する
- 痛みが不安なら事前に医師へ相談する
それぞれのポイントを順番に解説します。
鼻の通りを確認しておく
検査前に自分の鼻の通りを確認しておくことは、痛みの軽減につながる基本の準備です。
通りの良い側の鼻腔からスコープを挿入すれば、粘膜への接触が減り、痛みや鼻血のリスクを下げられるからです。
- 片方の鼻を指で軽く押さえる
- もう片方の鼻だけで、ゆっくり呼吸してみる
- 左右を入れ替えて、通りやすさを比較する
- スムーズに呼吸できた側を覚えておく
実際の検査でも、血管収縮剤の点鼻薬を左右の鼻腔に噴霧して鼻腔を広げたうえで、空気の通りの良い方を確認し、通りの良い側にスコープを挿入するという流れが一般的です。
また、慢性的な鼻づまりや鼻炎の症状がある方は、事前に医師へ伝えておくことで、検査当日の対応を準備してもらえます。
緊張を和らげる準備をする
検査当日にリラックスできる状態を作ることも、痛みの軽減に効果的です。
緊張で体がこわばるとスコープの通過が妨げられ、痛みや違和感を強く感じやすくなるためです。
- 検査の流れを事前に確認し、当日のイメージを持っておく
- 時間に余裕を持って来院し、慌てない状態で検査に臨む
- 検査中は目を開けて、ゆっくりと呼吸することを意識する
- 肩や首の力を抜き、体をこわばらせないようにする
経鼻内視鏡は検査中も会話ができるため、つらいときは我慢せずに医師や看護師へ伝えられます。
「いつでも伝えられる」と知っておくだけでも、安心感が生まれて緊張がほぐれやすくなります。
麻酔や鎮静剤を利用する
麻酔や鎮静剤をうまく利用することは、痛みを抑える最も確実な方法です。
経鼻内視鏡では、鼻腔にゼリー状の局所麻酔を行うのが標準的で、これにより挿入時の痛みが大幅に軽減されるからです。
麻酔と鎮静剤の違いは、以下の通りです。
| 種類 | 方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| 局所麻酔 | ゼリーやスプレーを鼻腔・のどに使用 | 痛みを感じにくくする、検査後すぐ帰宅できる |
| 鎮静剤 | 注射で静脈から投与 | ウトウトした状態で検査を受けられる、検査後に休憩が必要 |
ただし、鎮静剤を使った場合は当日の車の運転ができないため、来院方法には注意してください。
薬剤の副作用が心配な方も、事前の診察で医師に相談すれば安心です。
痛みが不安なら事前に医師へ相談する
痛みへの不安が強い方は、検査前に医師へ相談することが何よりも大切です。
一人ひとりの鼻の状態や過去の検査の経験を踏まえて、最適な検査方法や麻酔の使い方を提案してもらえるからです。
相談するときは、次のような情報を伝えると判断がスムーズになります。
- 過去の胃カメラで痛かった・つらかった経験の有無
- アレルギー性鼻炎や鼻づまりなどの症状
- 鼻の手術歴や、鼻血が出やすい体質かどうか
- 服用中の薬(特に血液をサラサラにする薬)
内視鏡検査を受ける前に医師へ不安点を相談し、検査の準備やアドバイスを受けることが推奨されています。
消化器内視鏡の専門医が在籍する内科やクリニックを選び、納得できる説明を受けてから検査に臨みましょう。
鼻からの胃カメラができない人・途中で口からの検査に変更になるケース
経鼻内視鏡は誰でも受けられる検査ではなく、体の状態によってはできない場合や、途中で経口に変更になるケースがあります。
あらかじめ知っておくことで、当日に慌てず対応できます。
鼻から胃カメラが入らない理由
鼻から胃カメラが入らない最大の理由は、鼻腔の物理的な狭さにあります。
スコープの太さよりも鼻腔の通り道が狭いと、無理に押し込んでも進まず、強い痛みや出血を招くだけになってしまうからです。
経鼻内視鏡の挿入率は9割程度と報告されており、裏を返せば約1割の方は鼻からの挿入が難しいということになります。
- 生まれつき鼻腔の通り道が細い
- 鼻中隔の曲がりで、通り道が部分的にふさがれている
- 鼻炎による粘膜の腫れで、一時的に狭くなっている
無理をせず口からの挿入に変更するのが医療機関の基本的な対応ですので、「入らなかったらどうしよう」と過度に心配する必要はありません。
鼻からの胃カメラができない人の特徴
経鼻内視鏡ができない、または慎重な判断が必要になる人には、共通した特徴があります。
| 分類 | 特徴 |
|---|---|
| 鼻の状態 | 鼻の手術歴がある 鼻中隔彎曲症 アレルギー性鼻炎 繰り返す副鼻腔炎 |
| 出血リスク | 抗凝固剤を飲んでいる 肝臓病などで血が止まりにくい 鼻血がよく出る 血圧が非常に高い |
| その他 | 鼻づまりの症状が強い 鼻腔が極端に狭い |
血をサラサラにする薬を飲んでいる方でも、医師の許可を得て一定期間休薬すれば検査を受けられる場合があります。
当てはまる項目がある方は、自己判断せず、必ず事前の診察で医師に伝えてください。
途中で口からの胃カメラへ変更になるケース
検査を始めてから、途中で口からの胃カメラに変更になるケースもあります。
実際にスコープを挿入してみて初めて、鼻腔の狭さや粘膜の状態が分かる場合があるからです。
- スコープを進めても鼻腔の狭い部分を通過できない
- 挿入時に強い痛みを訴え、続行が難しいと判断された
- 鼻血などの出血が起きて、鼻からの検査を中止した
その場合は医師の判断のうえで経口内視鏡に変更され、検査が行われます。
経鼻用の細いスコープをそのまま口から挿入することも可能なため、検査自体が中止になるわけではありません。
細径スコープは口から入れても嘔吐反射が起こりにくいので、「変更=つらい検査になる」とは限らない点も覚えておくと安心です。
鼻からの胃カメラをおすすめできる人・おすすめできない人
自分に経鼻内視鏡が合っているかどうかは、鼻の状態と過去の検査経験、そして何を優先したいかで判断できます。
判断の目安は以下の通りです。
| 向いている検査 | 当てはまる人の特徴 |
|---|---|
| 経鼻内視鏡 | 吐き気を避けたい 検査後すぐ動きたい 鎮静剤を使いたくない |
| 経口内視鏡・鎮静内視鏡 | 鼻に問題がある 精密な観察や処置が必要 眠って検査を受けたい |
鼻からの胃カメラが向いている人
経鼻内視鏡が向いているのは、吐き気を避けたい方や、検査後すぐに日常生活へ戻りたい方です。
嘔吐反射が起こりにくく、鎮静剤を使わなければ検査後の休憩や運転制限が不要という特徴があるからです。
- 過去に口からの胃カメラでかなり苦痛を感じた方
- 嘔吐反射が強く、「オエッ」となるのが怖い方
- 持病などの理由で鎮静剤の使用が好ましくない方
- 検査当日に車の運転や仕事の予定があり、時間の負担を減らしたい方
- 検査中も医師と会話しながら、説明を受けたい方
鼻の通りに問題がなければ、体への負担を抑えながら食道・胃・十二指腸をしっかり観察できる、バランスの良い選択肢といえます。
口からの胃カメラや鎮静内視鏡が向いている人
一方、鼻の状態に問題がある方や、精密な観察・処置が必要な方には、経口内視鏡や鎮静剤を使った検査が向いています。
経鼻では挿入自体が難しかったり、細いスコープでは対応しきれない場合があるからです。
- 鼻中隔の曲がりや鼻炎、鼻の手術歴があり、鼻からの挿入が難しい方
- 血液をサラサラにする薬を服用中で、鼻血のリスクが高い方
- 胃がんなどの病変が疑われ、高画質での観察や組織の採取が必要な方
- 苦痛を一切感じずに、眠っている間に検査を終えたい方
どちらの検査方法が適しているかは、患者一人ひとりの状態や検査の目的を考慮して医師が判断しますので、希望と不安を率直に伝えたうえで相談してください。
鼻からの胃カメラに関するよくある質問
最後に、鼻からの胃カメラについて患者さんからよく寄せられる質問にお答えします。
鼻からの胃カメラをした後に喉が痛くなるのはなぜですか?
検査後に喉が痛くなるのは、スコープが咽頭の粘膜に触れながら通過するためです。
経鼻内視鏡は鼻から入りますが、その後は喉を通って食道へ進むため、粘膜への接触や麻酔の刺激で一時的な炎症が起こることがあります。
- 喉がイガイガする、ヒリヒリする
- 飲み込むときに違和感がある
- 声がややかすれる
多くの場合、症状は数時間から数日で自然に治まりますので、過度に心配する必要はありません。
検査当日は刺激の強い食べ物や熱すぎる飲み物を避け、喉を休ませるようにしましょう。
もし痛みが強くなる、発熱する、飲み込めないほどつらいといった症状が続く場合は、検査を受けた医療機関に電話で相談してください。
鼻からの胃カメラができない人はどのくらいの割合でいる?
鼻からの挿入ができない人は、おおよそ1割程度と考えられています。
ただし、鼻から挿入できなかった場合でも、経鼻用の細いスコープを口から入れて観察することが可能ですので、検査そのものを諦める必要はありません。
自分が受けられるかどうか不安な方は、予約時や事前の診察で鼻の状態を医師に確認してもらいましょう。
鼻血が出た場合は受診したほうがいいですか?
少量の鼻血であれば、基本的に自宅での対応で問題ありません。
出血したときの対応と、受診の目安は次のとおりです。
- 【自宅での対応】鼻の付け根を5〜10分程度強く圧迫する
- 【自宅での対応】上を向かず、少しうつむいた姿勢で座って圧迫する
- 【受診の目安】10分以上圧迫しても出血が止まらない
- 【受診の目安】出血量が多く、繰り返し鼻血が出る
- 【受診の目安】血液をサラサラにする薬を服用している
検査当日は鼻を強くかまない、激しい運動や飲酒を控えるといった注意を守ることで、出血の予防につながります。
まとめ
鼻からの胃カメラで痛みを軽減するには、鼻腔の狭さや鼻中隔の曲がり、緊張といった痛みの原因を理解したうえで、鼻の通りの確認やリラックスの準備、麻酔や鎮静剤の活用、事前の医師への相談といった対策を取ることが大切です。
今回紹介したポイントを押さえ、経鼻内視鏡と経口内視鏡の違いや自分の鼻の状態を踏まえて、無理のない検査方法を選びましょう。
胃カメラは、胃がんをはじめとする消化器の病気を早期発見するために欠かせない大切な検査です。
「鼻からの胃カメラは痛かった」という不安だけで検査を先延ばしにせず、消化器内視鏡の専門医がいる医療機関へ相談し、検査に臨んでください。



