マラセチア菌は頭皮に常在する真菌の一種で、皮脂を栄養源として増殖します。
菌数が通常の3〜5倍に達すると、フケやかゆみ・脂漏性皮膚炎が現れやすくなります。
マラセチア シャンプーに配合されるミコナゾール硝酸塩やピロクトンオラミンは、こうした菌の増殖を抑える有効成分。
市販品の価格帯は1本1,000〜4,000円ほどで、週2〜3回の使用が目安とされています。
正しいマラセチア シャンプーの選び方が、頭皮トラブルの改善と再発防止に直結します。
※本記事は情報提供を目的としており、医療・獣医療の診断・治療に代わるものではありません。
症状が気になる場合は、必ず医師または獣医師にご相談ください。
また、製品の価格・容量・仕様は変動する場合がありますので、購入時には最新情報をご確認ください。
マラセチア菌に効くおすすめシャンプー12選を市販・処方別に比較
マラセチア菌に効くシャンプーは、配合されている抗真菌成分によって効果や使用感が異なります。
ミコナゾール硝酸塩やピロクトンオラミン、ジンクピリチオンといった有効成分が、頭皮に常在するマラセチア菌の増殖を抑制する働きを持っています。
市販の医薬部外品から皮膚科で処方される医薬品まで、選択肢は幅広く存在するため、自分の症状や頭皮タイプに合った製品を見極めることが重要です。
日本医真菌学会の研究では、硝酸ミコナゾール配合シャンプーの二重盲検比較試験において、有用率58.6%という結果が報告されており、抗真菌シャンプーの有効性は科学的にも裏付けられています。
頭皮環境や症状の重さに応じて、適切な製品を選択することで効果的なマラセチア対策が実現できるでしょう。
「フケ症を対象に、0.75%硝酸ミコナゾールシャンプーの有用性を二重盲検比較試験により検討した。有用率はMZS群58例中34例(58.6%)であり、MZS群がBSS群に比し有意に優れた成績であった。」
引用元:日本医真菌学会雑誌
市販で買えるマラセチア菌対策シャンプーおすすめランキング:ドラッグストア
ドラッグストアで手軽に購入できるマラセチア菌対策シャンプーは、医薬部外品として販売されている製品が中心です。
抗真菌成分や殺菌成分を配合した薬用シャンプーが複数のメーカーから発売されており、価格帯は1000円〜3000円程度と比較的手頃な設定となっています。
市販のマラセチア対策シャンプーの主な特徴を以下に整理しました。
- コラージュフルフル:ミコナゾール硝酸塩配合で抗真菌効果が高い
- オクトシャンプー:ピロクトンオラミン配合で殺菌・抗酸化作用を発揮
- h&sシャンプー:ジンクピリチオン配合でマラセチア菌の増殖を抑制
- メディクイックH:ミコナゾール硝酸塩とグリチルリチン酸ジカリウムのW配合
| 製品名 | 主な抗真菌成分 | 容量 | 価格目安※ | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| コラージュフルフルネクスト | ミコナゾール硝酸塩 | 400ml | 約3000円 | 低刺激・無香料 |
| オクトシャンプー | ピロクトンオラミン | 320ml | 約500〜700円 | 高コスパ・爽快感 |
| h&sスカルプシャンプー | ジンクピリチオン | 350ml | 約700〜1000円 | ノンシリコン処方 |
| メディクイックH | ミコナゾール硝酸塩 | 320ml | 約1000〜1500円 | 抗炎症成分も配合 |
※価格は販売店舗や時期により変動します。購入時に最新価格をご確認ください。
これらの製品はいずれも医薬部外品として厚生労働省の承認を受けており、フケやかゆみを防ぐ効能が認められています。
脂性肌の方にはすっきりタイプ、乾燥肌の方にはうるおいタイプといった選択が可能であり、頭皮の状態に合わせて使い分けることが改善への近道となるでしょう。
コラージュフルフルはミコナゾール配合で脂漏性皮膚炎に効果的
コラージュフルフルは、持田ヘルスケアが開発した抗真菌成分ミコナゾール硝酸塩を配合した薬用シャンプーです。
マラセチア菌の増殖を直接抑制する作用を持ち、脂漏性皮膚炎やフケ症の改善に効果を発揮します。
製品名に含まれる「フルフル」は、マラセチア属真菌の旧名称「Malassezia furfur」に由来しています(※現在の分類では複数の菌種に再分類されています)。
コラージュフルフルネクストシリーズには「すっきりさらさらタイプ」と「うるおいなめらかタイプ」の2種類があり、頭皮の皮脂量や好みの使用感に応じて選択できる点が利点といえます。
医薬部外品として毎日の使用が可能であり、1か月以上継続することでフケやかゆみの軽減を実感する方が多い傾向にあります。
シャンプーとリンスを併用することで、有効成分が頭皮に残留しやすくなり、抗真菌効果が高まることが臨床研究で示されています。
オクトシャンプーはオクトピロックス配合で頭皮のマラセチア菌を殺菌
オクトシャンプーは、ライオン株式会社が製造販売する薬用シャンプーで、有効成分としてピロクトンオラミン(オクトピロックス)を配合しています。
この成分は殺菌作用と抗酸化作用を併せ持ち、頭皮のマラセチア菌や雑菌の増殖を抑えることでフケやかゆみを防ぎます。
価格が手頃であり、ドラッグストアで気軽に購入できるコストパフォーマンスの高さが魅力です。
洗浄力が比較的強めに設計されているため、皮脂分泌が多くベタつきやすい頭皮タイプの方に適しています。
一方で、乾燥肌や敏感肌の方には刺激が強く感じられるケースもあるため、使用後の頭皮状態を確認しながら継続するかどうかを判断することが賢明でしょう。
PubMedに掲載された研究では、ピロクトンオラミン0.5%配合シャンプーが亜鉛ピリチオン1%配合製品と同等の抗真菌効果を示し、かゆみ改善の評価で90%の満足度を得たという結果が報告されています。
「Results demonstrated a comparable anti-fungal effectiveness for 0.5% piroctone olamine plus 0.45% climbazole and 1% zinc pyrithione. The approval rate regarding ‘The use of this shampoo decreases the itching of my scalp?’ after a 4-week treatment equaled 90%.」
h&sシャンプーはジンクピリチオン配合で頭皮の皮脂とフケを抑える
h&s(エイチアンドエス)シャンプーは、P&Gが展開するスカルプケアブランドで、有効成分としてジンクピリチオン液を配合しています。
ジンクピリチオンは真菌の細胞機能を阻害することで増殖を抑制する作用があり、フケやかゆみの予防に効果を発揮します(※詳細な作用機序は完全には解明されていませんが、細胞膜やエネルギー代謝への影響が示唆されています)。
製品ラインナップには「オイリースカルプ」「ドライスカルプ」など頭皮タイプ別のバリエーションがあり、自分の肌質に合った製品を選びやすい設計となっています。
ノンシリコン処方を採用したスカルプシャンプーは、頭皮への負担を軽減しながら余分な皮脂を洗い流すことが可能です。
多施設ランダム化比較試験では、ケトコナゾール2%シャンプーが亜鉛ピリチオン1%シャンプーより重度のフケや脂漏性皮膚炎に対して有意に優れた結果を示したという報告もあり、症状の重さによっては医療用抗真菌薬への切り替えも視野に入れる必要があるでしょう。
メディクイックHはかゆみと脂漏性皮膚炎のフケに効く医薬部外品
メディクイックHは、ロート製薬が開発した頭皮トラブル改善のための薬用シャンプーです。
抗真菌成分のミコナゾール硝酸塩と抗炎症成分のグリチルリチン酸ジカリウムをダブル配合しており、マラセチア菌の増殖抑制と頭皮の炎症緩和を同時に実現します。
繰り返すフケやかゆみに悩む方向けに設計されており、皮脂が多くベタつきやすい頭皮にも対応した処方となっています。
植物性アミノ酸系洗浄成分を採用しているため、洗浄力を保ちながらも頭皮への刺激を抑えた穏やかな使用感が特徴です。
「しっとりタイプ」と「すっきりタイプ」の2種類があり、乾燥肌から脂性肌まで幅広い頭皮タイプに対応可能な製品ラインナップとなっています。
脂漏性皮膚炎の症状改善を目指す場合は、少なくとも1〜2か月の継続使用が推奨されるでしょう。
皮膚科で処方されるマラセチア菌に効く抗真菌シャンプーの種類と特徴
皮膚科で処方される抗真菌シャンプーは、市販品よりも有効成分の濃度が高く、医薬品として強力な効果を発揮します。
ケトコナゾール含有シャンプーは海外では医療用医薬品として広く使用されており、脂漏性皮膚炎や癜風の治療において第一選択薬とされています。
日本国内ではケトコナゾールローションやクリームが処方されるケースが多く、シャンプー剤としての認可製品は限られている状況です。
市販の医薬部外品で十分な効果が得られない場合や、症状が重度の場合には皮膚科を受診し、適切な処方薬を使用することが改善への確実な道筋となります。
PubMedに掲載された多施設二重盲検試験では、2%ケトコナゾールシャンプーを週2回使用した575名の患者のうち88%が優れた改善効果を示し、週1回の予防的使用により再発率がプラセボ群の47%に対して19%まで低下したという結果が報告されています。
「Five hundred and seventy-five patients with moderate to severe seborrhoeic dermatitis were treated with 2% ketoconazole shampoo twice weekly for 2-4 weeks, producing an excellent response in 88%. Those treated with the active preparation once-weekly prophylactically had 23 (19%) relapses compared with 48 (47%) patients in the placebo group.」
人間用マラセチアシャンプーの選び方は抗真菌成分と頭皮タイプで決まる
人間用のマラセチアシャンプーを選ぶ際は、配合されている抗真菌成分の種類と自分の頭皮タイプを照らし合わせることが重要です。
脂性肌で皮脂分泌が多い方にはミコナゾール硝酸塩配合製品が適しており、乾燥肌や敏感肌の方には低刺激処方の製品を選ぶことで頭皮への負担を軽減できます。
抗真菌成分にはそれぞれ特性があり、ミコナゾールは真菌の細胞膜合成を阻害して増殖を抑制し、ピロクトンオラミンは殺菌と抗酸化の両作用を発揮し、ジンクピリチオンは真菌の細胞機能を阻害して増殖を抑える働きがあります。
医薬部外品と医薬品の違いを理解したうえで、症状の重さに応じた製品選択が求められます。
軽度のフケやかゆみであれば市販の医薬部外品で対応できる可能性が高く、改善が見られない場合や悪化する場合には皮膚科での診察を検討することが望ましいでしょう。
ミコナゾール・ピロクトンオラミンなど主な抗真菌成分の効果を比較
マラセチアシャンプーに配合される主な抗真菌成分は、ミコナゾール硝酸塩、ピロクトンオラミン、ジンクピリチオンの3種類に大別されます。
ミコナゾール硝酸塩はイミダゾール系抗真菌薬であり、真菌の細胞膜合成を阻害することで直接的に増殖を抑制する強力な作用を持っています。
ピロクトンオラミン(オクトピロックス)は殺菌作用と抗酸化作用を併せ持ち、頭皮から分泌される皮脂の酸化を防ぎながら常在菌の繁殖を抑えます。
ジンクピリチオンは真菌の細胞機能を阻害することで増殖を抑制する作用があり、フケやかゆみの予防に効果を発揮します(※詳細な作用機序は完全には解明されていません)。
日本医真菌学会の研究では、ミコナゾールとピロクトンオラミンが医薬部外品の薬用シャンプー剤として市販されていることが報告されており、いずれも一定の有効性が認められています。
成分選びの際は自分の頭皮状態や症状の程度を考慮し、必要に応じて皮膚科医に相談することが最適な選択につながるでしょう。
医薬品と医薬部外品の違いは有効成分の濃度と効能表現にある
マラセチアシャンプーは、医薬品と医薬部外品で有効成分の配合濃度や効能の表現範囲が明確に異なります。
医薬品は治療を目的とした製品であり、有効成分の濃度が高く「〇〇を治療する」という効能表現が認められています。
医薬部外品は予防や改善を目的とした製品であり、「フケ・かゆみを防ぐ」といったマイルドな効能表現に限定されます。
海外ではケトコナゾール2%配合シャンプーが医療用医薬品として広く処方されていますが、日本国内ではシャンプー形態での医薬品認可製品は限られており、ローションやクリームタイプでの処方が一般的です。
市販の医薬部外品で改善が見られない場合は、皮膚科を受診して医師の診断のもと適切な医薬品を使用することが推奨されます。
デンマークの治療ガイドラインでは、脂漏性皮膚炎やマラセチア関連疾患の多くは外用抗真菌薬で管理でき、広範囲の病変や治療抵抗性の場合には全身性抗真菌薬の使用が検討されるとされています。
犬のマラセチアにおすすめの薬用シャンプーと正しい選び方
犬のマラセチア皮膚炎は、皮膚に常在するMalassezia pachydermatisが過剰増殖することで発症する皮膚疾患です。
シーズー、ミニチュア・シュナウザー、アメリカン・コッカー・スパニエルといった皮脂分泌が多い犬種で発症リスクが高いことが知られています。
治療には抗真菌成分を配合した薬用シャンプーによるシャンプー療法が有効であり、獣医師の指導のもと適切な製品を選択し、正しい方法で使用することが重要です。
大阪府立大学の研究では、動物病院で外耳炎と診断された犬からのマラセチア検出率が55.0%であり、非罹患犬の26.9%と比較して有意に高いことが報告されており、マラセチアと外耳炎の関連性が示唆されています。
愛犬の皮膚状態を改善し、健やかな毎日を取り戻すために、適切なシャンプー選びと使用方法を習得しましょう。
「動物病院で外耳炎と診断された罹患犬の検出率は55.0%(220頭中121頭)、非罹患犬からの検出率は26.9%(208頭中56頭)で、外耳炎罹患犬は非罹患犬と比較して検出率は有意に高かった。」
引用元:大阪府立大学 博士論文PDF
犬のマラセチア皮膚炎に効くシャンプーおすすめ5選を成分で比較
犬のマラセチア皮膚炎に効果を発揮する薬用シャンプーは、主にミコナゾールやクロルヘキシジンといった抗真菌・抗菌成分を配合しています。
動物用医薬品として認可された製品は治療効果が臨床試験で確認されており、獣医師の処方のもと使用することで確実な改善が期待できます。
犬用マラセチア対策シャンプーの主要製品を以下に整理しました。
- マラセブシャンプー:2%ミコナゾール・2%クロルヘキシジン配合の動物用医薬品
- マラセキュアシャンプー:ミコナゾール硝酸塩・ポビドンヨード配合で長期使用に適している
- ノルバサンシャンプー:酢酸クロルヘキシジン配合で細菌性皮膚炎にも有効
- ビルバックエピスースシャンプー:低刺激で保湿成分も配合
- ダームワンシャンプー:クロルヘキシジン配合で膿皮症にも対応
| 製品名 | 主な有効成分 | 分類 | 容量 | 適応症 |
|---|---|---|---|---|
| マラセブシャンプー | ミコナゾール2%・クロルヘキシジン2% | 動物用医薬品 | 250ml | マラセチア皮膚炎 |
| マラセキュアシャンプー | ミコナゾール硝酸塩・ポビドンヨード | 動物用医薬品 | 250ml | マラセチア・皮膚糸状菌症 |
| ノルバサンシャンプー | 酢酸クロルヘキシジン | 動物用医薬部外品 | 200ml | 細菌性・マラセチア性皮膚炎 |
※価格・容量は製品により異なります。購入時に最新情報をご確認ください。
PubMedに掲載された研究では、ミコナゾール・クロルヘキシジン配合シャンプーで3日間隔・週2回の洗浄を3週間継続したところ、バセットハウンド33頭全例で改善が認められ、かゆみや紅斑、マラセチア菌数が有意に減少したと報告されています。
製品選びの際は獣医師に相談し、愛犬の症状や皮膚状態に最適な製品を処方してもらうことが推奨されます。
マラセブシャンプーはミコナゾール・クロルヘキシジン配合の動物用医薬品
マラセブシャンプーは、2%ミコナゾールと2%クロルヘキシジンを配合した犬用の動物用医薬品です。
ミコナゾールはマラセチア真菌に対して強力な抗真菌作用を示し、クロルヘキシジンはブドウ球菌などの細菌に対して殺菌作用を発揮します。
この2つの成分の組み合わせにより、マラセチア皮膚炎に併発しやすい細菌性皮膚炎にも同時にアプローチできる点が大きな利点です。
使用方法は、犬の被毛を温湯で十分に湿らせた後、本剤を全身に擦り込むように泡立て、10分間放置してから洗い流すというもので、薬液を頭皮に留置することで有効成分が浸透します。
投与頻度は1日1回、3日以上間隔をあけて週2回が基本であり、獣医師の指示に従って継続することが重要です。
添付文書によると、生後3か月齢未満の犬、妊娠中・授乳中の犬、クロルヘキシジン製剤またはミコナゾール製剤に対して過敏症の既往歴のある犬には使用できないため、該当する場合は獣医師に代替製品を相談しましょう。
マラセキュアシャンプーは犬用で副作用が少なく長期使用に適している
マラセキュアシャンプーは、ミコナゾール硝酸塩とポビドンヨードを有効成分として配合した犬用の動物用医薬品です。
マラセチア皮膚炎だけでなく皮膚糸状菌症にも適応があり、複合的な皮膚感染症への対応が可能な製品となっています。
ポビドンヨードは広範囲の微生物に対して殺菌効果を示し、ミコナゾールとの相乗効果によってより確実な治療効果が期待できます。
比較的刺激が穏やかな処方であるため、長期にわたる継続使用にも適しており、慢性的なマラセチア皮膚炎の管理に活用されています。
ただし、使用により発疹、発赤、かゆみ、接触性皮膚炎などの症状が認められた場合には速やかに使用を中止し、獣医師の診察を受ける必要があります。
マラセブシャンプーとの成分構成の違いを理解し、愛犬の皮膚状態や症状に合った製品を獣医師と相談して選択することが改善への近道となるでしょう。
ノルバサンシャンプーは酢酸クロルヘキシジン配合で膿皮症にも有効
ノルバサンシャンプーは、酢酸クロルヘキシジンを主成分とする犬猫用の薬用シャンプーです。
クロルヘキシジンは細菌に対する強力な殺菌作用を持ち、マラセチア皮膚炎だけでなく細菌性皮膚炎(膿皮症)の治療にも広く使用されています。
PubMedの研究では、3%クロルヘキシジンシャンプーが2%ミコナゾール・クロルヘキシジン配合シャンプーと同等の臨床効果を示し、67頭中54頭で88%以上の酵母菌数減少が確認されたと報告されています。
使用方法は被毛を温湯で濡らした後、シャンプーを塗布して2〜5分間マッサージし、十分にすすぐというものです。
製品によっては希釈が必要なタイプもあるため、使用前に説明書をよく確認することが重要です。
開封後の使用期限にも注意が必要であり、適切な保管と期限内での使い切りが製品効果を維持するための基本となります。
「Sixty-seven dogs with Malassezia dermatitis were treated. Reduction of yeast counts by at least 88% was recorded in 21 of 22 dogs with 3%CHX and 30 of 32 dogs with 2%MIC/CHX. 3%CHX was clinically as effective as 2%MIC/CHX for treatment of CMD.」
犬のマラセチアシャンプーを市販で選ぶときの成分・犬種別の注意点
犬のマラセチアシャンプーを市販で購入する際は、有効成分の種類と濃度、そして愛犬の犬種や皮膚状態を総合的に考慮する必要があります。
動物用医薬品と動物用医薬部外品では有効成分の配合量や効果が異なるため、症状の重さに応じた製品選択が重要です。
シーズーやウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアなど皮脂分泌が多い犬種は、マラセチア皮膚炎のリスクが高く、予防的なシャンプーケアが効果的とされています。
一方で、アトピー性皮膚炎を併発している犬の場合は、低刺激処方の製品を選び、保湿ケアも並行して行うことが推奨されます。
抗真菌成分としてはミコナゾールとクロルヘキシジンの組み合わせが臨床試験でも高い有効性を示しており、これらを配合した製品を第一選択とすることが合理的です。
市販製品で改善が見られない場合や症状が悪化する場合には、速やかに動物病院を受診し、獣医師の診断と処方を受けることが愛犬の健康を守る最善策となるでしょう。
犬のマラセチアに効くシャンプーは獣医師の診断を受けてから選ぶのが安心
犬のマラセチア皮膚炎は、単にマラセチア菌が存在するだけでは発症せず、アレルギー性疾患や内分泌疾患などの基礎疾患が背景にあるケースが少なくありません。
帝京大学の研究チームは、犬マラセチア皮膚炎は体質にも関連しているため罹患すると一生コントロールが必要な場合も多く、継続的な薬剤使用に代わる新たな治療法が望まれていると指摘しています。
自己判断でシャンプーを選んで使用しても、根本原因が解消されなければ症状は繰り返し再発する可能性があります。
獣医師による皮膚検査でマラセチア菌の増殖状況を確認し、基礎疾患の有無を評価したうえで適切な治療計画を立てることが、長期的な改善につながります。
近年では抗真菌薬に対する耐性株の報告もあり、従来の治療が効きにくいケースも存在するため、専門的な診断と治療がますます重要になっています。
「犬マラセチア皮膚炎は体質にも関連しているため、罹患すると一生コントロールが必要な場合も多く、継続的な薬剤使用に代わる新たな治療法が望まれています。最近では、耐性株についても報告があり、獣医療業界でも対策について検討が始まっています。」
引用元:帝京大学
マラセチアシャンプーの正しい使い方と効果を高める洗い方の手順
マラセチアシャンプーは、正しい使い方を実践することで有効成分の効果を最大限に引き出すことができます。
人間用と犬用では使用方法に違いがあり、それぞれの製品特性に合わせた洗い方が求められます。
共通して重要なのは、有効成分を頭皮や皮膚に一定時間留置させることであり、すぐに洗い流してしまっては十分な効果が得られません。
シャンプー前の予洗いで汚れを落とし、泡立てた状態で数分間置いてから丁寧にすすぐという手順が、抗真菌効果を高めるための基本となります。
PubMedに掲載された研究では、ミコナゾールをシャンプーだけでなくリンスにも配合することで頭皮への有効成分の残留量が増加し、マラセチアの増殖抑制効果が早期から実感できたと報告されています。
適切な使用方法を習得し、継続的にケアを行うことで、頭皮環境や愛犬の皮膚状態の改善が期待できるでしょう。
人間のマラセチアシャンプーの使い方は泡パック洗髪と丁寧なすすぎがコツ
人間用のマラセチアシャンプーで効果を最大化するには、泡パック洗髪と丁寧なすすぎを組み合わせた洗い方が効果的です。
抗真菌成分が頭皮に浸透するためには一定の接触時間が必要であり、通常のシャンプーのようにすぐ洗い流してしまっては十分な効果が得られません。
シャンプー前の予洗いで頭皮の皮脂汚れをある程度落とし、泡立てたシャンプーを頭皮全体に行き渡らせてから2〜3分間置くことで、有効成分が毛穴の奥まで届きやすくなります。
すすぎの際は泡が残らないよう十分な時間をかけて洗い流し、洗髪後はドライヤーで頭皮までしっかり乾かすことが重要です。
湿った状態を放置するとマラセチア菌の増殖を助長するリスクがあるため、タオルドライ後は速やかに乾燥させることを習慣づけましょう。
シャンプー前の予洗いで頭皮の皮脂汚れを落として有効成分を届ける
シャンプー前の予洗いは、マラセチアシャンプーの効果を引き出すための重要な準備段階です。
頭皮に蓄積した皮脂や整髪料、汚れをぬるま湯で1〜2分かけて洗い流すことで、シャンプーの有効成分が頭皮に浸透しやすい状態を作ることができます。
マラセチア菌は皮脂を栄養源として増殖するため、過剰な皮脂を予洗いで除去しておくことは菌の増殖環境を弱める意味でも有効です。
お湯の温度は38〜40度程度のぬるま湯が適切であり、熱すぎるお湯は頭皮を刺激して皮脂分泌を促進する可能性があります。
指の腹を使って頭皮全体をマッサージするように予洗いすることで、血行促進効果も期待できます。
予洗いだけで汚れの7〜8割は落とせるとされており、この工程を丁寧に行うことがシャンプー効果を高める土台となるでしょう。
泡を頭皮に2〜3分置く泡パックで抗真菌成分の効果を最大化する
マラセチアシャンプーの抗真菌成分を頭皮に浸透させるには、泡を2〜3分間置く「泡パック」が効果的です。
シャンプーを手のひらで十分に泡立てるか、泡立てネットを使用してきめ細かい泡を作り、頭皮全体に塗布します。
髪の毛ではなく頭皮にしっかり泡を届けることが重要であり、指の腹でやさしくマッサージしながら頭皮全体に行き渡らせます。
泡を頭皮に置いている間に抗真菌成分であるミコナゾール硝酸塩やピロクトンオラミンがマラセチア菌に作用し、増殖を抑制する効果を発揮します。
PubMedに掲載された研究では、ミコナゾールをリンスにも配合することで頭皮への残留量が増加し、早期から効果を実感できたと報告されています。
2〜3分経過したら、泡が残らないよう十分な量のぬるま湯で丁寧にすすぐことで、有効成分の効果と清潔な頭皮環境の両立が実現できるでしょう。
すすぎ残しとドライヤー不足はマラセチア菌の増殖と悪化の原因になる
シャンプー後のすすぎ残しとドライヤー不足は、マラセチア菌の増殖を助長し症状を悪化させる原因となります。
シャンプー剤が頭皮に残ると毛穴を詰まらせ、皮脂の正常な排出を妨げてマラセチア菌の栄養源を提供してしまいます。
すすぎには洗髪時間の2〜3倍の時間をかけることが推奨されており、耳の後ろや生え際、後頭部など洗い残しやすい部位は特に注意が必要です。
洗髪後に頭皮を十分に乾かさないまま就寝すると、湿度の高い環境がマラセチア菌にとって好都合な増殖条件となります。
タオルドライで水分をある程度取り除いた後、ドライヤーの温風で頭皮までしっかり乾燥させることが重要です。
ドライヤーを使用する際は、同じ場所に長時間熱風を当て続けないよう注意し、頭皮から20cm程度離して動かしながら乾かすことで、過度な乾燥や熱ダメージを防ぎましょう。
犬のマラセチアシャンプーのやり方は10分の泡置きと週2回の頻度が目安
犬のマラセチアシャンプーは、人間用よりも長い接触時間が必要であり、泡立てた状態で10分間放置することが推奨されています。
有効成分が犬の皮膚に十分浸透し、マラセチア菌に作用するためにはこの程度の時間が必要とされており、製品の添付文書にも明記されています。
使用頻度は週2回が基本であり、3日以上の間隔をあけて投与することが定められています。
シャンプー療法は即効性のある治療ではなく、継続的に実施することで徐々に改善が見られるものであり、獣医師の指示通りに最低でも3週間は継続することが重要です。
PubMedに掲載された研究では、ミコナゾール・クロルヘキシジン配合シャンプーを3日間隔で週2回、3週間使用したバセットハウンドで、かゆみ、紅斑、滲出液、全体的な重症度、マラセチア菌数のすべてにおいて有意な改善が認められたと報告されています。
マラセブシャンプーの使い方は希釈なしで全身に泡立て10分間放置する
マラセブシャンプーは希釈せずに原液のまま使用する製品であり、犬の被毛を温湯または水で十分に湿らせた後、全身に擦り込むように泡立てます。
泡が皮膚全体に行き渡ったことを確認したら、そのまま10分間放置することで有効成分であるミコナゾールとクロルヘキシジンが皮膚に浸透します。
この10分間の放置時間を短縮してしまうと十分な効果が得られない可能性があるため、タイマーを使用するなどして正確に計測することが推奨されます。
放置中は犬が泡を舐めないよう注意し、必要に応じてエリザベスカラーを装着するなどの対策を講じましょう。
10分経過後は薬液を残さないように全身を温湯で十分にすすぎ、すすぎ残しがないことを確認してからタオルドライとドライヤーで乾燥させます。
粘膜面や眼には使用できないため、顔周りの洗浄時は十分な注意が必要となるでしょう。
ノルバサンシャンプーの使い方は適切に薄めることと使用期限の確認が重要
ノルバサンシャンプーは製品によって希釈タイプと原液使用タイプがあり、使用前に添付文書を確認して適切な方法で使用することが重要です。
希釈タイプの場合は、指定された比率でぬるま湯と混合し、濃度を調整してから使用します。
濃すぎると皮膚への刺激が強くなり、薄すぎると十分な効果が得られないため、正確な希釈が求められます。
使用方法は、犬の全身にぬるま湯をかけて被毛を満遍なく濡らし、シャンプーを塗布して2〜5分間マッサージした後、清水で十分にすすぐというものです。
開封後の使用期限にも注意が必要であり、長期間放置した製品は有効成分の効力が低下している可能性があります。
製品に記載された使用期限を確認し、期限内に使い切ることで安定した効果が期待できます。
保管は直射日光を避けた涼しい場所で行い、キャップをしっかり閉めて衛生的な状態を維持しましょう。
マラセチアシャンプーの頻度は症状の重さとシャンプーの種類で異なる
マラセチアシャンプーの使用頻度は、症状の重さや使用する製品の種類によって調整する必要があります。
人間用の医薬部外品シャンプーは毎日の使用が可能な製品が多く、コラージュフルフルの製造元も毎日使用して問題ないと回答しています。
一方で、症状が軽度の場合は週に2〜3回の使用でも十分な効果が得られるケースがあります。
犬用の動物用医薬品シャンプーは週2回、3日以上の間隔をあけて使用することが基本であり、これは有効成分の濃度や皮膚への影響を考慮して設定されています。
国立病院機構医王病院の研究では、頭部の脂漏性皮膚炎に対して週2回のシャンプーと抗真菌薬の外用を組み合わせた頭皮ケアが行われていることが報告されています。
症状が改善した後も再発予防のために週1回程度の使用を継続することで、マラセチア菌の増殖を抑制し、健やかな状態を維持することが可能となるでしょう。
マラセチア菌とは?頭皮や皮膚で増殖する原因と主な症状を解説
マラセチア菌は、人間や動物の皮膚に常在する真菌(カビ)の一種であり、通常は害を及ぼすことなく皮膚表面に存在しています。
しかし、皮脂分泌の増加や免疫力の低下など特定の条件が揃うと過剰に増殖し、フケ、かゆみ、炎症といった皮膚トラブルを引き起こします。
J-STAGEに掲載された日本皮膚科学会の論文では、脂漏性皮膚炎ではマラセチアが産生するリパーゼが皮脂を分解し、その分解産物である脂肪酸(特にオレイン酸)が炎症を惹起すると解説されています。
マラセチア菌に関連する疾患には、脂漏性皮膚炎、マラセチア毛包炎、癜風、アトピー性皮膚炎の増悪などがあり、いずれも適切な治療とケアによって管理することが可能です。
マラセチア菌の特性と増殖メカニズムを理解することで、効果的な対策を講じることができるでしょう。
「脂漏性皮膚炎ではマラセチアが産生するリパーゼが皮脂を分解し、その分解産物である脂肪酸(特にオレイン酸)が炎症を惹起する。」
引用元:日本皮膚科学会雑誌
マラセチア菌とは皮脂を栄養源にする皮膚の常在菌(カビ)のこと
マラセチア菌は、Malassezia属に分類される脂質要求性の酵母様真菌であり、人間の皮膚に常在するカビの一種です。
現在11菌種が確認されており、頭部、顔面、胸部、背部といった皮脂分泌が多い「脂漏部位」に多く分布しています。
マラセチア菌は皮膚表面の皮脂、特にトリグリセリドをリパーゼという酵素で分解し、その産物であるグリセリンと遊離脂肪酸を栄養源として増殖します。
国立成育医療研究センターの解説では、マラセチア感染とはマラセチアというカビの一種による感染症で、過剰に増えると皮膚が脂っぽくなったり、赤みやかゆみを示したりすると説明されています。
健康な皮膚では免疫機能によってマラセチア菌の増殖がコントロールされていますが、皮脂分泌の増加、免疫力の低下、高温多湿な環境などの条件が重なると過剰増殖を起こし、皮膚トラブルの原因となります。
頭皮のマラセチア菌が増殖する原因は皮脂の過剰分泌と免疫力の低下
頭皮におけるマラセチア菌の過剰増殖は、複数の要因が複合的に作用することで引き起こされます。
皮脂分泌の増加はマラセチア菌にとって豊富な栄養源を提供することになり、増殖を促進する最大の要因となります。
ホルモンバランスの乱れ、特に男性ホルモン(アンドロゲン)の影響は皮脂腺の活動を活発化させ、皮脂分泌量を増加させることが知られています。
ストレスや睡眠不足も副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の分泌を増加させ、皮脂腺を刺激する間接的な要因となります。
免疫力の低下は、通常は抑制されているマラセチア菌の増殖を許してしまう状態を生み出します。
季節的な要因として、高温多湿な夏場は汗と皮脂が混ざり合い、マラセチア菌にとって好都合な増殖環境が形成されやすくなります。
これらの要因を理解し、生活習慣の改善と適切なスキンケアを組み合わせることで、マラセチア菌の増殖を抑制することが可能となるでしょう。
皮脂・ストレス・ホルモンバランスなどマラセチア菌を増やす主な要因
マラセチア菌の増殖を促進する要因は多岐にわたり、これらを理解することが効果的な対策につながります。
マラセチア菌の増殖を促す主な要因を以下に整理しました。
- 皮脂の過剰分泌:マラセチア菌の主要な栄養源となり増殖を直接促進
- ストレス:コルチコトロピン放出ホルモンの産生を促し皮脂分泌を増加させる
- ホルモンバランスの乱れ:男性ホルモンやエストロゲンが皮脂腺機能に影響
- 睡眠不足:副腎皮質ホルモンの分泌異常を招き皮脂コントロールが乱れる
- 高温多湿な環境:汗と皮脂の混合物がマラセチア菌の増殖に好都合な条件を形成
- 免疫力の低下:マラセチア菌を抑制する体の防御機能が弱まる
- 不適切なスキンケア:過度な洗髪やすすぎ残しが頭皮環境を悪化させる
PubMedに掲載された研究では、ストレス感知シグナルが皮脂腺細胞からコルチコトロピン放出ホルモンの産生・放出を促し、皮脂の非極性脂質を用量依存的に調節することが報告されています。
エストロゲン、グルココルチコイド、プロラクチンも皮脂腺機能に影響を与えることが確認されており、ホルモン環境の変化がマラセチア関連疾患の発症や悪化に関与しています。
これらの要因を総合的に管理することで、マラセチア菌の増殖を抑え、健やかな皮膚環境を維持することが期待できるでしょう。
脂漏性皮膚炎とマラセチア毛包炎はフケ・かゆみ・赤みなど症状が異なる
脂漏性皮膚炎とマラセチア毛包炎は、いずれもマラセチア菌が関与する皮膚疾患ですが、発症部位や症状の特徴が異なります。
脂漏性皮膚炎は頭皮、顔面、胸部など皮脂分泌が多い部位に好発し、脂っぽいフケ、紅斑(赤み)、かゆみを主症状とする慢性の炎症性疾患です。
マラセチア毛包炎は毛穴にマラセチア菌が感染して炎症を起こす疾患であり、胸や背中、肩などに赤いブツブツ(丘疹)や膿疱が出現します。
J-STAGEに掲載された論文では、脂漏性皮膚炎ではM. restrictaが優位に存在し、癜風ではM. globosaが主因菌種であると報告されており、疾患によって関与するマラセチア菌種が異なることが明らかになっています。
治療アプローチも疾患によって異なり、脂漏性皮膚炎は外用抗真菌薬とステロイドの併用が基本となり、マラセチア毛包炎は外用に加えて内服抗真菌薬が効果的なケースがあるとされています。
症状に応じた適切な診断と治療を受けることで、確実な改善が期待できるでしょう。
犬のマラセチア皮膚炎は外耳炎や皮膚の赤み・臭いが主な症状として現れる
犬のマラセチア皮膚炎は、皮膚表面の常在菌であるMalassezia pachydermatisが過剰増殖することで発症する皮膚疾患です。
日本医真菌学会の用語解説では、マラセジア皮膚炎は痒みを伴う皮膚の紅斑、脂漏、落屑、苔癬化などを認める非特異的な皮膚炎と定義されています。
主な症状として、皮膚の赤み(紅斑)、強いかゆみ、脂っぽいフケ(鱗屑)、独特の脂臭い臭い、皮膚の黒ずみ(色素沈着)などが挙げられます。
好発部位は耳、口の周り、首、脇の下、内股、指の間、肛門周囲など皮脂や湿度がたまりやすい場所であり、外耳炎を併発しているケースも多く見られます。
シーズー、コッカー・スパニエル、ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアなど皮脂分泌が多い犬種でリスクが高く、高温多湿な梅雨時期や夏に症状が悪化しやすい傾向があります。
放置すると細菌感染を伴い治療期間が長引くこともあるため、早期の獣医師受診が推奨されます。
「マラセジア皮膚炎は、皮膚表面の常在菌の一種であるMalassezia pachydermatisによって引き起こされる犬、猫の皮膚炎名で、痒みを伴う、皮膚の紅斑、脂漏、落屑、苔癬化などを認める非特異的な皮膚炎である。」
引用元:日本医真菌学会雑誌
マラセチアシャンプーで悪化する原因と再発を防ぐための対策
マラセチアシャンプーを使用しているにもかかわらず症状が悪化するケースや、改善後に再発を繰り返すケースは少なくありません。
悪化の原因としては、使い方の誤り、過度な洗浄による皮膚バリア機能の低下、製品との相性の問題などが考えられます。
再発については、マラセチア菌は皮膚の常在菌であるため完全に除去することは不可能であり、皮膚環境が悪化すれば再び増殖するという特性を理解する必要があります。
PubMedに掲載された研究では、脂漏性皮膚炎は慢性的に再発を繰り返す炎症性皮膚疾患であり、マラセチア菌の数が正常でも炎症反応が起こり得ることが報告されています。
悪化や再発を防ぐためには、正しいシャンプー方法の実践に加えて、食事や睡眠、ストレス管理といった生活習慣の改善、そして適切な頭皮環境の維持が重要な要素となるでしょう。
マラセブシャンプーで悪化する原因は使い方の誤りや乾燥による皮膚バリア低下
マラセブシャンプーで症状が悪化する原因は、使用方法の誤りや皮膚バリア機能の低下が考えられます。
推奨される10分間の放置時間を守らずに短時間で洗い流してしまうと、有効成分が十分に浸透せず効果が発揮されません。
逆に、効果を高めようと放置時間を過度に延長したり、使用頻度を増やしすぎたりすると、皮膚への刺激が強くなり乾燥や炎症を招く可能性があります。
抗真菌成分は皮膚の保護に必要な常在菌にも影響を与えるため、過度な使用は皮膚バリア機能を低下させるリスクがあります。
すすぎが不十分で薬液が皮膚に残留している場合も、刺激やアレルギー反応の原因となり得ます。
製品に記載された使用方法と頻度を厳守し、使用後に発疹や紅斑、強いかゆみなどの異常が見られた場合は速やかに使用を中止して獣医師に相談することが重要です。
皮膚の状態を観察しながら、必要に応じて保湿ケアを併用することで、バリア機能を維持しながらマラセチア対策を行うことができるでしょう。
マラセチアが治っては再発を繰り返す理由は生活習慣と皮脂環境にある
マラセチア関連疾患が治療後に再発を繰り返す最大の理由は、マラセチア菌が皮膚の常在菌であり完全に除去することができないという点にあります。
PubMedに掲載された研究では、脂漏性皮膚炎は慢性的に再発を繰り返す炎症性皮膚疾患であり、正常な数のマラセチアでさえも炎症反応を起こし得ると報告されています。
ステロイド外用薬は炎症を抑える効果がありますが、使用を中止するとわずか数日で再発するケースが多いとされています。
これに対し、抗真菌療法はマラセチア菌の数を減らすため、再発までの期間がステロイド単独治療より長くなることが示されています。
再発を防ぐためには、治療による症状改善後も維持療法として週1回程度の抗真菌シャンプー使用を継続することが有効です。
加えて、皮脂分泌を増加させる生活習慣の改善や、ストレス管理、適切な食事と睡眠の確保といった総合的なアプローチが、長期的な症状コントロールには不可欠となるでしょう。
「Seborrheic dermatitis is a chronic recurring inflammatory skin disorder. Even a normal number of Malassezia will start an inflammatory reaction. Antifungal therapy is effective and increases the time to recurrence compared with corticosteroids.」
皮脂分泌を増やす高GI食品や脂肪分の多い食事はマラセチア菌のエサになる
食事の内容は皮脂分泌量に影響を与え、マラセチア菌の増殖環境を左右する重要な要因となります。
高GI(グリセミック・インデックス)食品、すなわち白米、白パン、砂糖を多く含む菓子類などは血糖値を急上昇させ、インスリン分泌を促進します。
インスリンの過剰分泌は皮脂腺の活動を活発化させる作用があり、結果として皮脂分泌量が増加してマラセチア菌の栄養源を増やすことになります。
脂肪分の多い食事、特に飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を多く含む食品も皮脂の質と量に影響を与えるとされています。
マラセチア菌は皮脂のトリグリセリドを分解して脂肪酸を栄養源とするため、皮脂分泌が増えれば菌の増殖も促進されます。
対策としては、低GI食品(玄米、全粒粉パン、野菜類)を選び、良質な脂質(魚油、オリーブオイルなど)を適度に摂取し、バランスの取れた食生活を心がけることが推奨されます。
食生活の改善は即効性のある対策ではありませんが、長期的な皮膚環境の改善に寄与するでしょう。
ストレス・睡眠不足はコルチゾール増加で皮脂腺を刺激し頭皮環境が悪化する
ストレスや睡眠不足は、ホルモンバランスを乱して皮脂分泌を増加させ、頭皮環境を悪化させる重要な因子です。
PubMedに掲載された研究では、ストレス感知シグナルが皮膚細胞からコルチコトロピン放出ホルモン(CRH)の産生と放出を促し、皮脂腺の非極性脂質の産生を用量依存的に増加させることが報告されています。
慢性的なストレス状態では副腎皮質からコルチゾール(ストレスホルモン)が持続的に分泌され、皮脂腺の活動が亢進します。
睡眠不足もまた、ホルモンバランスの乱れを招き、皮脂分泌の増加やターンオーバーの異常につながります。
成長ホルモンは主に睡眠中に分泌され、皮膚の修復と再生に重要な役割を果たすため、睡眠時間の確保は頭皮環境の維持に不可欠です。
ストレス対策としては、適度な運動、趣味の時間の確保、リラクゼーション法の実践などが効果的であり、7〜8時間の質の良い睡眠を確保することで、ホルモンバランスの安定と皮膚コンディションの改善が期待できるでしょう。
頭皮のマラセチア菌を減らすには食事・睡眠・衛生管理のセルフケアが必要
頭皮のマラセチア菌を減らし、健やかな状態を維持するためには、シャンプーによる外部からのケアだけでなく、食事、睡眠、衛生管理といった内部からのセルフケアが重要です。
食事面では、皮脂分泌を増加させる高GI食品や脂肪分の多い食事を控え、ビタミンB群や亜鉛を含む食品を積極的に摂取することで皮脂コントロールをサポートします。
睡眠は1日7〜8時間を目安とし、規則正しい就寝時間を維持することでホルモンバランスの安定を図ります。
衛生管理としては、帽子やヘルメットを長時間着用する場合は通気性に注意し、汗をかいた後は速やかに頭皮を清潔にすることが推奨されます。
枕カバーやタオルは頻繁に洗濯し、清潔な状態を保つことでマラセチア菌の増殖環境を最小限に抑えられます。
ヘアスタイリング剤の過度な使用は毛穴詰まりの原因となるため、必要最低限にとどめ、使用後は丁寧に洗い流すことが重要です。
これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、マラセチア菌の増殖を抑制し、再発予防につなげることができるでしょう。
市販シャンプーで改善しないマラセチアは皮膚科・動物病院で治療する
市販のマラセチアシャンプーで十分な改善が得られない場合、または症状が重度の場合には、医療機関での専門的な治療が必要です。
皮膚科や動物病院では、正確な診断に基づいて処方薬による治療が行われ、市販製品よりも高い効果が期待できます。
デンマークの治療ガイドラインでは、脂漏性皮膚炎や癜風の大部分は外用抗真菌薬で管理可能であり、広範囲の病変や治療抵抗性の場合には全身性抗真菌薬の使用が検討されると示されています。
人間の場合はケトコナゾールローションやイトラコナゾール内服薬が処方されることがあり、犬の場合は抗真菌シャンプーと内服薬の併用療法が効果的とされています。
自己判断での長期的な市販製品の使用は症状の悪化や耐性菌の発生リスクを高める可能性があるため、改善が見られない場合は早めに専門家に相談することが賢明な判断となるでしょう。
皮膚科ではケトコナゾールやイトラコナゾールなどの抗真菌薬が処方される
皮膚科で処方される抗真菌薬は、市販の医薬部外品よりも有効成分の濃度が高く、強力な治療効果を発揮します。
ケトコナゾール(ニゾラールなど)はイミダゾール系の抗真菌薬であり、マラセチア菌に対して最も強いin vitro活性を示すことがPubMedの研究で報告されています。
ローションやクリームなどの外用剤として処方され、脂漏性皮膚炎や癜風の治療における第一選択薬とされています。
重度の場合や広範囲に病変がある場合には、イトラコナゾールやフルコナゾールといったトリアゾール系抗真菌薬の内服が検討されます。
国立病院機構医王病院の研究では、頭部の脂漏性皮膚炎に対してケトコナゾールローションを使用し、頭皮トラブルの改善を試みるケースが多いと報告されています。
処方薬は医師の診断と指導のもと適切に使用することで、市販製品では得られない確実な治療効果が期待できます。
副作用のモニタリングも含め、定期的な通院と経過観察を行いながら治療を進めることが重要となるでしょう。
「Ketoconazole possesses the strongest in vitro activity against Malassezia, and represents the treatment of choice for topical therapy of pityriasis versicolor. The drug of choice for oral treatment is itraconazole.」
引用元:Hautarzt. 2015
犬のマラセチア治療は獣医師の処方薬とシャンプー療法を併用するのが効果的
犬のマラセチア皮膚炎の治療は、抗真菌シャンプーによる外用療法と、必要に応じた内服薬の併用が効果的です。
シャンプー療法では2%ミコナゾール・2%クロルヘキシジン配合の薬用シャンプーを週2回使用し、皮膚上のマラセチア菌を物理的に減少させます。
症状が重度の場合や局所的な治療では効果が不十分な場合には、ケトコナゾールやイトラコナゾールなどの抗真菌薬内服が処方されることがあります。
J-STAGEに掲載された研究では、犬のマラセチア症は再発しやすく治療が長期にわたることが多いこと、そして近年では薬剤耐性株の報告もあることが指摘されています。
基礎疾患としてアトピー性皮膚炎や甲状腺機能低下症が存在する場合は、マラセチア皮膚炎の治療と並行してこれらの疾患に対するアプローチも必要となります。
獣医師による正確な診断と、愛犬の状態に合わせた治療計画の立案が、長期的な改善と再発予防の鍵となるでしょう。
脂漏性皮膚炎とAGA(薄毛)は皮脂増加が共通原因で併発しやすい
脂漏性皮膚炎とAGA(男性型脱毛症)は、いずれも皮脂分泌の増加が関与する疾患であり、同時に発症するケースが見られます。
AGAはジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンの作用により毛包が萎縮し、薄毛が進行する疾患です。
DHTは同時に皮脂腺を刺激して皮脂分泌を増加させる作用も持つため、頭皮の皮脂環境が悪化しマラセチア菌の増殖条件が整いやすくなります。
J-STAGEに掲載された論文では、マラセチアがリパーゼにより皮脂のトリグリセリドを加水分解し、産生されたオレイン酸が過剰になると脂漏性皮膚炎を惹起する原因となることが解説されています。
頭皮のフケやかゆみとともに薄毛の進行が見られる場合は、脂漏性皮膚炎とAGAの両方が存在する可能性を考慮し、皮膚科やAGAクリニックでの総合的な診察を受けることが推奨されます。
両疾患に対する適切な治療を並行して行うことで、頭皮環境の改善と毛髪の維持が期待できるでしょう。
マラセチアシャンプーに関するよくある質問
マラセチアシャンプーの使用にあたっては、対象となる年齢や動物種、使用部位など、さまざまな疑問が生じることがあります。
ここでは、多く寄せられる質問について回答を整理し、安全かつ効果的にマラセチアシャンプーを活用するための情報をお伝えします。
コラージュフルフルシリーズの製造元である持田ヘルスケアは、石鹸シリーズについて使用する年齢に制限はなく、赤ちゃんからお年寄りまで使用可能と回答しています。
ただし、シャンプーに関しては、乳幼児への使用前に小児科医や皮膚科医に相談することが推奨されます。
敏感肌の方は、低刺激処方の製品を選び、使用前にパッチテストを行うことで安全性を確認できます。
初めて使用する際は少量から試し、かゆみ、赤み、刺激感などの異常が出ないことを確認してから継続使用に移行しましょう。
症状が改善しない場合や悪化する場合は、使用を中止して医療機関を受診することが適切な対応となります。
J-STAGEに掲載された日本医真菌学会の論文では、マラセジア皮膚炎はMalassezia pachydermatisによって引き起こされる「犬、猫の皮膚炎」と記載されており、同じ菌種が関与することが示唆されています。
しかし、猫は犬と比較して薬剤への感受性が異なり、犬に安全な成分でも猫には有害となるケースがあります。
マラセブシャンプーの添付文書には犬用と明記されており、猫への適応は記載されていないため、自己判断での使用は避けるべきです。
猫のマラセチア皮膚炎が疑われる場合は、獣医師の診察を受け、猫に適した治療法を処方してもらうことが安全かつ確実な選択となります。
コラージュフルフルシリーズには、シャンプーとは別に液体石鹸や泡石鹸といったボディ用製品がラインナップされており、全身のマラセチア対策には専用製品の使用が推奨されます。
シャンプーは頭髪と頭皮用に処方されており、洗浄成分のバランスが体の皮膚とは異なるため、ボディソープの代用としての使用は想定されていません。
耳のケアについては、シャンプー剤が耳に入ると炎症や感染のリスクがあるため、耳内部への使用は避ける必要があります。
犬の外耳炎に対しては、獣医師が処方する耳専用の洗浄液や点耳薬を使用することが適切であり、シャンプー療法とは別のアプローチが求められます。
部位や目的に応じた適切な製品選択が、効果的なマラセチア対策の基本となるでしょう。

