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頭を洗っても痒いのはなぜ?頭皮のかゆみの原因と対処法・シャンプーの見直し方を解説

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「頭を洗っても痒い」悩みは、頭皮の皮脂バランスの乱れが原因です。

シャンプー後もかゆみが2〜3日続くとき、洗浄成分の刺激や乾燥が関係します。

マラセチア菌の増殖による炎症も、見逃せない要因のひとつ。

フケを伴う場合、脂漏性皮膚炎の可能性が高まります。

頭を洗っても痒い症状は成人の10〜15%に見られ、30〜40代の女性に多い傾向。

8割のケースはシャンプーの種類と洗い方の見直しで改善できます。

2週間以上続く場合は、皮膚科への受診が必要です。

目次

頭を洗っても痒い原因とは?頭皮のかゆみを引き起こす7つの要因

頭を洗っても痒い原因は1つではなく、複数の要因が重なって頭皮にかゆみを生じさせているケースがほとんどです。

頭皮の乾燥によるバリア機能の低下、皮脂の過剰分泌に伴うマラセチア菌の増殖、シャンプーのすすぎ残し、カラー剤やパーマ液によるかぶれ、ストレスや睡眠不足による頭皮環境の悪化など、原因は多岐にわたります。

洗っているのに頭がかゆい場合、まずは自分のかゆみがどの要因に該当するのかを正しく把握することが改善への第一歩となるでしょう。

髪を洗っても頭が痒い状態が続くなら、原因を特定せずに放置するのではなく、1つずつ要因を確認していく姿勢が求められます。

ここからは、頭皮のかゆみを引き起こす代表的な要因を順番に掘り下げていきます。

頭皮の乾燥によるバリア機能の低下がかゆみの最大の原因

頭を洗っても痒い場合、最も多い原因として挙げられるのが頭皮の乾燥によるバリア機能の低下です。

頭皮が乾燥すると角質層の水分が失われ、外部刺激から肌を守るバリア機能が正常に働かなくなります。

順天堂大学大学院医学研究科の研究によると、乾燥肌になると通常は表皮と真皮の境界部にとどまっているC線維が角層のすぐ下まで伸びてきて、わずかな刺激でもかゆみを感じるようになることが報告されています。

バリア機能が低下した頭皮ではフケの発生も加速し、かゆみとフケの悪循環に陥る可能性があります。

頭皮の乾燥を防ぐことが、洗っても痒い状態を解消するうえで最も重要な対策の1つといえるでしょう。

乾燥肌になると、通常なら皮膚の表皮と真皮の境界部にとどまっているはずのC-線維が、角層のすぐ下、すなわち体の表面近くまで伸びてきます。この状態になると外界の刺激に対してC-線維が敏感になるため、衣服がこすれたり、石鹸を使ったりといったわずかな刺激でもかゆみを感じるようになります。

引用元:順天堂大学大学院医学研究科・環境医学研究室

冬場や洗いすぎで皮脂が不足し頭皮が乾燥する仕組み

冬場の空気の乾燥やシャンプーによる洗いすぎが、頭皮の皮脂を必要以上に奪い取って乾燥を招きます。

頭皮の皮脂膜は外部刺激から肌を保護し、水分の蒸発を防ぐ役割を担っているため、皮脂が不足するとバリア機能が著しく低下します。

特に冬場は湿度が20〜30%台まで下がることも珍しくなく、頭皮表面からの水分蒸発が加速する時期です。

1日に2回以上シャンプーをしている方や、洗浄力の強いシャンプーを使っている方は、皮脂の過剰除去が頭皮の乾燥を悪化させている可能性があります。

洗いすぎによる乾燥は自分では気づきにくいため、洗髪回数や使用しているシャンプーの成分を一度見直すことが重要です。

乾燥した頭皮は刺激に敏感になりフケも発生しやすい

乾燥した頭皮はバリア機能が低下しているため、健康な頭皮では感じないような軽微な刺激にも敏感に反応します。

順天堂大学の研究では、バリア機能が弱まった皮膚からはアレルゲンなどが体内に入りやすくなり、衣服のこすれなどのちょっとした刺激でもかゆみ神経を刺激してかゆみが増すことが示されています。

乾燥によって頭皮のターンオーバーが乱れると、未成熟な角質細胞がはがれ落ちて細かい乾性フケが発生しやすくなります。

掻くことでさらにバリアが破壊され、かゆみとフケが悪化するという負の連鎖に陥るケースも珍しくありません。

乾燥が原因のかゆみとフケを断ち切るには、保湿ケアとシャンプーの見直しを並行して進める必要があるでしょう。

強く掻くと皮膚のバリア機能、すなわち外からの異物に対する防御機能が低下してしまいます。また、体の中から水分が外に逃げてしまい、皮膚から水分が失われることで乾燥肌になります。バリア機能の弱まった皮膚からは、アレルギー反応を引き起こすアレルゲンなどが体内に入りやすくなり、衣服のこすれなどのちょっとした刺激によってもかゆみ神経を刺激することでますますかゆくなります。

引用元:順天堂大学大学院医学研究科・環境医学研究室

皮脂の過剰分泌とマラセチア菌の増殖による脂漏性皮膚炎

頭を洗っても痒い原因の中でも、皮脂の過剰分泌とマラセチア菌の増殖によって引き起こされる脂漏性皮膚炎は見落とされやすい要因です。

マラセチアは健康な人の頭皮にも常在する真菌ですが、皮脂が多い環境では過剰に増殖し、炎症やかゆみの原因となります。

日本皮膚科学会誌に掲載された研究によると、マラセチアが産生するリパーゼが皮脂を分解し、その分解産物であるオレイン酸などの脂肪酸が頭皮に炎症を惹起する仕組みが明らかにされています。

脂漏性皮膚炎は慢性化しやすく、再発を繰り返す特徴があるため、早期に正しい対処をすることが欠かせません。

毎日洗っているのに頭が痒くて脂性のフケが出る場合は、この脂漏性皮膚炎を疑ってみる価値があるといえます。

皮膚マイクロバイオームの中で主要な真菌は好脂性のマラセチア(Malassezia)である。本菌は脂漏性皮膚炎,癜風,マラセチア毛包炎,アトピー性皮膚炎の原因あるいは増悪因子となることがある。その発症機序として,脂漏性皮膚炎ではマラセチアが産生するリパーゼが皮脂を分解し,その分解産物である脂肪酸(特にオレイン酸)が炎症を惹起する。

引用元:日本皮膚科学会誌

マラセチア菌が皮脂を分解して炎症とかゆみを引き起こす仕組み

マラセチア菌は皮脂に含まれるトリグリセリドをリパーゼで分解し、オレイン酸をはじめとする遊離脂肪酸を生成します。

この遊離脂肪酸が頭皮に直接的な刺激を与え、炎症反応とかゆみを引き起こすメカニズムが研究で解明されています。

PubMedに掲載された2005年の論文では、フケはマラセチアの代謝産物である刺激性遊離脂肪酸によって媒介されることが示されました。

さらに、マラセチアはトリプトファンからMalassezinという化合物を生成し、アリール炭化水素受容体を介した炎症経路を活性化させる可能性も指摘されています。

皮脂分泌が多い頭頂部や生え際ではマラセチアの活動が活発になりやすく、洗髪しても短時間で皮脂が再分泌されるため、洗っても痒い状態が続くわけです。

In this report, we show that dandruff is mediated by Malassezia metabolites, specifically irritating free fatty acids released from sebaceous triglycerides.

引用元:PubMed(J Investig Dermatol Symp Proc. 2005 Dec)

脂性フケが出る場合は脂漏性皮膚炎の可能性がある

頭皮に脂っぽく黄色みを帯びた大きなフケが付着している場合、脂漏性皮膚炎を発症している可能性があります。

日本真菌学会誌に掲載された論文では、フケ症は他の皮膚疾患が認められない場合は脂漏性皮膚炎の軽症型とされており、脂漏性皮膚炎の顔面病巣からはM. globosaやM. furfurが多く検出されたと報告されています。

脂漏性皮膚炎の誘因としては、マラセチア以外にも季節変動、ストレス、ビタミン代謝異常など多様な因子が関与するとされている点も見逃せません。

PubMedに掲載された2015年のAmerican Family Physician誌の論文では、脂漏性皮膚炎の治療にはケトコナゾールなどの抗真菌外用薬が第一選択とされています。

脂性フケとかゆみが同時に続く方は、市販のフケ用シャンプーで様子を見るだけでなく、皮膚科での診察を受けることが改善への近道となるでしょう。

Diagnosis and treatment of seborrheic dermatitis: The skin changes are thought to result from an inflammatory response to a common skin organism, Malassezia yeast. Treatment with antifungal agents such as topical ketoconazole is the mainstay of therapy for seborrheic dermatitis of the face and body.

引用元:PubMed(Am Fam Physician 2015)

シャンプーのすすぎ残しや成分が頭皮への刺激になっている

髪を洗っても頭皮が痒い場合、シャンプーのすすぎ残しや配合成分そのものが頭皮に刺激を与えている可能性があります。

日本化粧品技術者会誌の研究では、シャンプーに含まれる界面活性剤が頭皮角質層に吸着し、バリア機能を破壊することでかゆみや刺激の原因になることが報告されています。

すすぎが不十分だと界面活性剤の残留量が増加し、頭皮への刺激がより強くなります。

また、シャンプーに含まれるイソチアゾリノン系防腐剤がアレルギー性接触皮膚炎を引き起こすケースも報告されており、ヘアケア製品による皮膚障害を分析した論文では、化粧品によるアレルギー性接触皮膚炎の内訳の3割以上が染毛剤やシャンプーなどのヘアケア製品であったとされています。

洗っても洗ってもかゆみが取れない方は、洗い方だけでなくシャンプーの成分表示を確認し、頭皮に合わない成分が含まれていないかチェックすることが大切です。

かゆみは頭皮の典型的な課題であり,その原因の1つとしてシャンプーに含まれる界面活性剤の頭皮へ吸着による刺激がしられている。…これらの結果は角質層への界面活性剤の吸着量を減らすことでバリア破壊を抑制し皮膚刺激を軽減できることを示唆している。

引用元:日本化粧品技術者会誌

化粧品内訳の3割以上が染毛剤やシャンプーなどのヘアケア製品であった。

引用元:ヘアケア製品による皮膚障害(日本化粧品技術者会誌)

汗・カラー剤・パーマ液によるかぶれ:接触皮膚炎

頭を洗っても痒い原因として、ヘアカラーやパーマ液に含まれる化学成分によるかぶれ、いわゆる接触皮膚炎も見落とせません。

政府広報オンラインでは、ヘアカラーの有効成分である酸化染料に対するアレルギー反応として、髪を染めた後6時間くらいでかゆみを感じ、その後に赤みや腫れが出始めるケースが注意喚起されています。

厚生労働省もヘアカラーリング剤の中で酸化染毛剤が最もアレルギーを引き起こしやすいと公表しており、これまで毛染めで異常を感じたことがない人でも継続的な使用でアレルギー性接触皮膚炎を発症する可能性があると警告しています。

パーマ液に含まれるチオグリコール酸やシステインも頭皮への刺激性が高く、施術後にかゆみが出る原因となりえます。

ヘアカラーやパーマの施術後に頭皮のかゆみが増した場合は、酸化染料やパーマ液の成分にアレルギー反応を起こしている可能性が高いため、使用を中止して皮膚科に相談する判断が求められます。

ヘアカラーリング剤の中では酸化染毛剤が最も広く使用されているが、主成分として酸化染料を含むため、染毛料等の他のカラーリング剤と比べてアレルギーを引き起こしやすい。…これまでに毛染めで異常を感じたことのない人であっても、継続的に毛染めを行ううちにアレルギー性接触皮膚炎になることがある。

引用元:厚生労働省

ストレスや睡眠不足が頭皮環境を悪化させてかゆみを促進する

ストレスや睡眠不足は頭皮環境を悪化させ、洗っても頭が痒い状態を引き起こす大きな要因となります。

順天堂大学の研究では、勉強や仕事などで生じる強いストレスがかゆみを増強させることが明らかにされています。

さらに同大学の別の研究成果として、交感神経由来のストレスホルモンが抗炎症性マクロファージの機能を低下させ、皮膚の炎症を悪化させるメカニズムが解明されました。

睡眠不足も頭皮のかゆみに直結する問題であり、J-STAGEに掲載された論文では、睡眠不良の人は表皮細胞のターンオーバーが遅くなり、角層の水分量が低下することが示されています。

PubMedの2001年の論文でも、心理的ストレスと睡眠剥奪が皮膚バリア機能の恒常性を乱すことが報告されており、ストレスと睡眠不足が頭皮のかゆみに与える影響は科学的に裏付けられた事実です。

本研究により交感神経由来のストレスホルモンが抗炎症性マクロファージのβ2アドレナリン受容体を介して抗炎症機能を低下させ、炎症を悪化させていることを突き止めました。

引用元:順天堂大学

These results suggest that acute psychosocial and sleep deprivation stress disrupts skin barrier function homeostasis in women, and that this disruption may be related to stress-induced changes in cytokine secretion.

引用元:PubMed

頭を洗っても痒い場合のシャンプーの見直しと正しい洗い方

頭を洗っても痒い場合、最初に見直すべきなのは毎日使っているシャンプーの種類と洗い方です。

洗浄力が強すぎるシャンプーは頭皮に必要な皮脂まで奪い取り、乾燥やバリア機能の低下を引き起こしてかゆみの原因となります。

一方で洗浄力が弱すぎると汚れや皮脂を十分に落とせず、マラセチア菌の増殖を助長する恐れもあるため、自分の頭皮タイプに合った適切なシャンプーを選ぶことが欠かせません。

洗い方についても、爪を立てて頭皮をゴシゴシ擦ったり、熱いお湯ですすいだりする習慣はかゆみを悪化させる要因になります。

シャンプーの成分と洗髪の手順を同時に見直すことが、洗っても痒い悩みを根本から解消するための最も実践的なアプローチとなるでしょう。

洗浄力が強すぎるシャンプーは頭皮の乾燥とかゆみの原因になる

洗浄力が強いシャンプーは頭皮の汚れを落とす効果が高い反面、必要な皮脂膜まで除去してしまい頭皮の乾燥とかゆみを招きます。

J-STAGEの研究論文では、アニオン性が強い界面活性剤ほど頭皮角質層への吸着量が多くなり、バリア破壊と皮膚刺激につながることが示されています。

ラウリル硫酸ナトリウムやラウレス硫酸ナトリウムなどの高級アルコール系界面活性剤は洗浄力が強い代表的な成分であり、敏感な頭皮には刺激が強すぎる場合があります。

髪を洗っても頭が痒い、あるいは洗髪後に頭皮がつっぱる感覚がある方は、現在使用中のシャンプーの洗浄成分が頭皮に合っていない可能性を疑うべきです。

シャンプー選びでは成分表示の最初に記載されている界面活性剤の種類を確認することが、頭皮トラブルを予防する基本的な習慣となります。

アミノ酸系・低刺激シャンプーで頭皮のうるおいを守る

頭を洗っても痒い方には、アミノ酸系界面活性剤を主成分とした低刺激シャンプーへの切り替えが推奨されます。

アミノ酸系シャンプーはココイルグルタミン酸TEAやラウロイルメチルアラニンNaなどが主成分で、頭皮に必要な皮脂を残しながら汚れを落とす穏やかな洗浄力が特徴です。

洗浄力が強すぎるシャンプーと比較すると界面活性剤の角質層への吸着量が少なく、バリア機能を保ちやすいという利点があります。

敏感肌の方や乾燥によるフケ・かゆみに悩む方は、無添加・無香料タイプを選ぶことで頭皮への余計な刺激をさらに減らせるでしょう。

頭皮のうるおいを守りながら清潔を保てるシャンプーに変えることが、洗っても痒い状態を改善する最初のステップといえます。

フケやかゆみが続くならミコナゾール硝酸塩配合の薬用シャンプーを選ぶ

アミノ酸系シャンプーに変えてもフケやかゆみが改善しない場合は、抗真菌成分であるミコナゾール硝酸塩を配合した薬用シャンプーの使用を検討してください。

ミコナゾール硝酸塩はマラセチア菌の増殖を抑制する作用があり、脂漏性皮膚炎に伴うフケやかゆみに対して効果が期待できます。

J-STAGEの論文では、抗真菌剤配合シャンプーは有効例が多く悪化例がなかったと報告されており、ステロイド外用薬単独使用よりも再発までの期間が長いというデータも示されています。

薬局やドラッグストアで購入できるミコナゾール硝酸塩配合シャンプーとしては、持田ヘルスケアのコラージュフルフルネクストなどが知られています。

脂性フケが目立つ方は一般的なシャンプーで対処し続けるよりも、抗真菌成分入りの薬用シャンプーを取り入れたほうが根本的な改善につながるでしょう。

抗真菌剤配合シャンプーは有効例が多く,悪化例は無かった。…再発までの期間については,ステロイド使用群では1ヶ月以内の再発が112例中92例であった。一方,抗真菌剤外用群では1ヶ月以上再発しない例が152例中138例と大多数であった。

引用元:日本真菌学会誌

頭皮を傷つけない正しい洗髪方法を解説:ぬるま湯・指の腹がポイント

頭を洗っても痒い状態を改善するには、シャンプーの種類だけでなく洗い方そのものを見直す必要があります。

爪を立ててガシガシと洗う、40度以上の熱いお湯で洗い流すといった習慣は頭皮のバリア機能を破壊し、かゆみを悪化させる直接的な原因となります。

千葉大学病院のアレルギー疾患情報サイトでも、スキンケアの基本として泡を使って手で優しく洗い、汚れや泡が残らないように十分にすすぐことが推奨されています。

正しい洗髪方法を習慣化すれば、同じシャンプーを使っていても頭皮への負担は大幅に軽減されるでしょう。

洗い方を変えるだけでかゆみが治まるケースもあるため、以下の手順を毎日の洗髪に取り入れてみてください。

予洗い・泡立て・すすぎまでの正しいシャンプー手順

正しいシャンプー手順を守ることで、頭皮への不要な刺激を最小限に抑えながら汚れをしっかり落とせます。

まず、シャンプーを手に取る前にぬるま湯(38度前後)で頭皮と髪を1〜2分かけて予洗いし、汗やほこりなどの表面汚れを流しておきます。

予洗いだけで頭皮の汚れの約7〜8割が落ちるといわれており、この工程を丁寧に行うことでシャンプーの使用量を減らし、界面活性剤による頭皮への刺激を軽減できます。

シャンプーは手のひらで十分に泡立ててから頭皮にのせ、指の腹を使って頭皮全体を優しくマッサージするように洗うのがポイントです。

すすぎは泡が完全になくなるまで2〜3分ほどかけ、特に生え際・耳の後ろ・後頭部などすすぎ残しが多い部位を意識して洗い流してください。

洗髪後はドライヤーで頭皮から離して乾かすのが重要

洗髪後に髪を自然乾燥させる習慣は、頭皮が濡れた状態を長時間維持するため、マラセチア菌が増殖しやすい環境を作ってしまいます。

濡れた頭皮は雑菌や真菌にとって好条件となるだけでなく、蒸れによるかゆみを引き起こす要因にもなるため、洗髪後はできるだけ早くドライヤーで乾かすことが望ましいでしょう。

ドライヤーを使う際は頭皮から20cm以上離し、温風と冷風を交互に切り替えながら乾かすことで頭皮への熱ダメージを防げます。

同じ箇所に温風を当て続けると頭皮の乾燥を助長するため、ドライヤーを小刻みに動かしながら全体をまんべんなく乾かす意識を持ちましょう。

根元からしっかり乾かし、毛先は8割程度の乾き具合で止めるのが、頭皮と髪の両方を守るドライヤーの使い方です。

毎日洗っているのに痒い人はシャンプーの回数と頻度を見直す

毎日洗っているのに頭が痒い場合、洗髪回数そのものが頭皮環境を悪化させている可能性があります。

1日に2回以上シャンプーをしている方は、皮脂の過剰除去によって頭皮が乾燥し、かえって皮脂の分泌量が増えるリバウンド現象を起こしているケースが少なくありません。

皮脂分泌が正常な方であれば、基本的に1日1回の洗髪で頭皮の清潔を保てます。

乾燥肌タイプの方はシャンプーを2日に1回に減らし、シャンプーを使わない日はぬるま湯だけで予洗いする湯シャンを取り入れるのも1つの方法です。

反対に、頭皮の皮脂分泌が過剰な方がシャンプーの頻度を減らしすぎると皮脂が蓄積してマラセチア菌が増殖するため、自分の頭皮タイプに応じた適切な洗髪頻度を見極めることが重要となります。

頭洗っても痒い時に試したいセルフケアと対処法

頭を洗っても痒いときは、シャンプーの見直しと並行してセルフケアを取り入れることでかゆみの軽減が期待できます。

頭皮の保湿ケア、血行を促進する頭皮マッサージ、市販薬の適切な活用、患部を冷やす応急処置など、自宅でできる対処法は複数あります。

ちゃんと洗っているのに頭がかゆい場合、1つの方法だけに頼るのではなく、複数のセルフケアを組み合わせることで相乗的な効果が得られるでしょう。

ただし、セルフケアはあくまで軽度〜中等度のかゆみに対する対処法であり、症状が悪化している場合や長期間改善しない場合は皮膚科の受診を優先すべきです。

ここからは、具体的なセルフケアの方法を1つずつ解説していきます。

頭皮の保湿ケアにはローションや保湿成分配合の製品が効果的

頭を洗っても痒い原因が乾燥によるものであれば、頭皮専用の保湿ローションやセラミド配合の頭皮用美容液を活用したケアが効果的です。

頭皮のバリア機能を支えるセラミドやヒアルロン酸、グリセリンなどの保湿成分は、角質層の水分を保持して乾燥からくるかゆみやフケを軽減する働きがあります。

保湿ケアの主なポイントを以下に整理しました。

  • 洗髪後のタオルドライ直後に頭皮用ローションを塗布し、うるおいを閉じ込めるタイミングを逃さない
  • セラミド・ヒアルロン酸・グリセリンなど保湿成分が配合された頭皮専用製品を選ぶ
  • アルコール濃度の高い製品は頭皮の水分を蒸発させるため避ける
  • 保湿ローションは頭皮に直接ノズルをあて、指の腹でなじませるように塗り広げる

保湿ケアは継続することで効果が実感できるため、毎日の洗髪後の習慣として取り入れるのが望ましいでしょう。

乾燥による頭皮のかゆみは保湿で改善できるケースが多いため、まずは2週間〜1か月程度続けて頭皮の変化を観察してみてください。

頭皮マッサージで血行を促進し頭皮環境を改善する方法

頭皮マッサージは血行を促進し、頭皮環境の改善に寄与するセルフケア方法として注目されています。

J-STAGEに掲載された研究論文では、地肌をマッサージすることで即時的な血行促進作用が認められ、血流が平均で約120%まで上昇して20分程度持続したというデータが示されています。

血行が改善されると頭皮に酸素や栄養素が行き渡りやすくなり、ターンオーバーの正常化やバリア機能の回復に好影響を与えます。

マッサージの方法としては、指の腹を頭皮にあて、こめかみから頭頂部に向かって円を描くように圧迫する手法が最も血流上昇作用が高いことが同研究で示されました。

シャンプー時や入浴後のリラックスした時間帯に1〜2分程度の頭皮マッサージを習慣化することが、洗っても痒い頭皮環境を内側から改善する効果的な手段となるでしょう。

この方法により地肌をマッサージすると,即時的な血行促進作用が認められ,平均で約120%まで上昇し,20分程度持続することを確認した。頭皮においては,圧迫法が最も血流上昇作用が高いという特徴を見出した。

引用元:日本化粧品技術者会誌

市販薬の活用:ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬の使い方と注意点

セルフケアでかゆみが治まらない場合、市販薬を適切に活用することで症状の緩和が期待できます。

頭皮のかゆみに使える市販薬は主にステロイド外用薬と抗ヒスタミン薬の2種類に大別され、それぞれ作用のメカニズムと適した症状が異なります。

市販薬の種類と特徴を以下に簡潔にまとめました。

  • ステロイド外用薬(ローションタイプ):炎症を抑える作用があり、頭皮の赤み・湿疹・かゆみに効果的だが、長期使用は皮膚の菲薄化を招く恐れがあるため短期間の使用にとどめる
  • 抗ヒスタミン内服薬:かゆみの原因物質であるヒスタミンの作用をブロックし、かゆみの知覚を軽減するが、眠気が出やすい第一世代と眠気が少ない第二世代がある
  • 抗真菌外用薬:マラセチア菌が原因の脂漏性皮膚炎によるかゆみに有効で、ケトコナゾールやミコナゾール硝酸塩が含まれる製品を薬局で購入できる

順天堂大学の研究では、抗ヒスタミン薬を使ってもかゆみが改善しない場合はアトピー性皮膚炎や内臓疾患などが関与している可能性があり、ヒスタミン以外の原因でかゆみが生じていると考えられています。

市販薬を2週間程度使用しても改善が見られない場合は、自己判断での継続を避けて皮膚科を受診する判断が必要です。

患部を冷やしてかゆみの知覚神経を鎮める応急処置

急に頭皮が痒くなった時、応急処置として患部を冷やすことでかゆみの知覚神経を一時的に鎮められます。

PubMedに掲載された2018年のJournal of Investigative Dermatology誌の論文では、冷却がヒスタミン性と非ヒスタミン性の両方のかゆみ経路を抑制し、慢性的なかゆみにも有効であることがTRPM8受容体を介したメカニズムとして証明されています。

冷やす方法としては、保冷剤をタオルで包んでかゆみのある箇所に数分間あてるのが手軽で安全です。

冷水で頭皮を直接すすぐ方法もありますが、刺激が強いと感じる場合は冷たいタオルを頭にのせる程度で十分な効果が得られるでしょう。

冷却はあくまで応急処置であり、根本的な原因の解消にはつながらないため、かゆみが頻繁に起こる場合はシャンプーの見直しや皮膚科受診といった根本対策を並行して進めてください。

Cooling inhibits both histaminergic and non-histaminergic itch pathways, and that inhibition of itch by cooling requires TRPM8 channels or intact and functional TRPM8-expressing afferent neurons. Moreover, we find that chronic itch can be ameliorated by cooling.

引用元:PubMed

頭皮のかゆみを予防する生活習慣の見直しと日常ケア

頭を洗っても痒い状態を繰り返さないためには、シャンプーやセルフケアだけでなく生活習慣そのものを見直す必要があります。

食事のバランス、睡眠の質、紫外線対策、ストレスマネジメントといった日常的な要素が頭皮環境に大きな影響を与えることは、複数の研究で裏付けられています。

頭皮のかゆみは体の内側からのサインでもあるため、外側からのケアと内側からのケアを両立させることが再発防止の鍵となるでしょう。

生活習慣の乱れが続くとターンオーバーのリズムが崩れ、バリア機能が低下してかゆみが慢性化するリスクも高まります。

ここでは、頭皮のかゆみ予防に効果的な4つの生活習慣を具体的に解説します。

食事のバランスを整えてビタミンB群・亜鉛不足を防ぐ

頭皮のかゆみを予防するうえで、栄養バランスの整った食事は欠かせない要素です。

J-STAGEに掲載された脂漏性皮膚炎に関する論文では、ビタミン代謝異常が脂漏性皮膚炎の発症因子の1つとして挙げられており、ビタミンB2やビタミンB6は皮脂分泌のコントロールやターンオーバーの正常化に関与しています。

ビタミンB群が多く含まれる食品としては、レバー、卵、納豆、青魚、バナナなどが代表的です。

亜鉛も皮膚の新陳代謝や免疫機能を支えるミネラルであり、牡蠣、牛肉、ナッツ類、チーズなどから摂取できます。

偏った食事やダイエットによる栄養不足が頭皮の健康を損なっている場合、食事内容の改善だけでかゆみが軽減するケースもあるため、まずは毎日の食卓にビタミンB群と亜鉛を意識的に取り入れることから始めてみてください。

睡眠をしっかりとって頭皮のバリア機能とターンオーバーを正常に保つ

質の高い睡眠は頭皮のバリア機能を維持し、ターンオーバーを正常に保つために不可欠な要素です。

日本食品科学工学会誌に掲載された論文では、成長ホルモンが分泌される睡眠中は肌のターンオーバーにとって重要な時間であり、睡眠時間の減少や睡眠の質が低下するとターンオーバーのリズムが乱れてくすみや乾燥、皮脂の過剰分泌などのトラブルが発生しやすくなると報告されています。

PubMedの2017年の論文でも、睡眠制限が皮膚バリアの回復を遅延させるという実験結果が示されました。

頭皮のターンオーバー周期は約28日とされており、睡眠不足が続くとこの周期が延長し、古い角質が蓄積してフケやかゆみの原因になる可能性があります。

毎日6〜8時間の睡眠を確保し、就寝前のスマートフォン使用を控えるなどの工夫で睡眠の質を高めることが、頭皮のかゆみ予防に直結する生活改善策です。

成長ホルモンが分泌される睡眠中は,肌のターンオーバーにとって重要な時間であり,睡眠時間減少や睡眠の質が低下するとターンオーバーのリズムが乱れ,くすみや乾燥,皮脂の過剰分泌などのトラブルが発生しやすくなる.

引用元:日本食品科学工学会誌

Sleep restriction delays skin barrier recovery, and nutrition supplementation attenuates decrements in local immune responses produced by sleep restriction.

引用元:PubMed

紫外線対策として帽子や日傘で頭皮へのダメージを防ぐ

頭皮は体の中で最も紫外線を浴びやすい部位であり、紫外線による頭皮ダメージがかゆみやフケの原因になる場合があります。

紫外線は皮膚の水分を奪い、角質層のバリア機能を低下させるため、日差しが強い日には頭皮を紫外線から守る対策が必要です。

帽子をかぶることが最も手軽な紫外線対策ですが、通気性の悪い帽子を長時間かぶると蒸れによってマラセチア菌が増殖しやすくなる点には注意が求められます。

通気性の良いメッシュ素材や麦わら帽子を選び、適度に帽子を外して頭皮を換気する習慣をつけましょう。

日傘やスプレータイプの頭皮用日焼け止めを併用することで、帽子をかぶれないシーンでも紫外線から頭皮を保護でき、夏場の頭皮トラブルを未然に防ぐ対策として有効です。

ストレスを溜め込まない工夫でかゆみの悪循環を断ち切る

ストレスは頭皮のかゆみを増幅させる大きな要因であり、かゆみがストレスを生み、そのストレスがさらにかゆみを悪化させるという悪循環を形成します。

順天堂大学のかゆみ研究では、受験や仕事などで生じた心理的ストレスがかゆみを増す原因になることが指摘されており、自分なりのストレス解消法を見つけてできるだけストレスを溜めないようにすることが推奨されています。

具体的なストレス対策としては、適度な運動、趣味の時間の確保、入浴でのリラクゼーション、深呼吸や瞑想といった方法が挙げられます。

ストレスによって交感神経が優位になると皮膚の抗炎症機能が低下し、頭皮の炎症やかゆみが治りにくくなることも順天堂大学の研究で解明されています。

かゆみの悪循環を断ち切るには、頭皮の外側からのケアだけでなく、ストレスマネジメントという内側からのアプローチが不可欠なのです。

受験や仕事などで生じた心理的ストレスはかゆみを増す原因になることがあります。自分なりのストレス解消法を見つけ、できるだけストレスをためないようにしましょう。

引用元:順天堂大学大学院医学研究科・環境医学研究室

頭洗っても痒い時に考えられる病気と皮膚科を受診する目安

頭を洗っても痒い状態が長期間続く場合、単なる乾燥やシャンプーの問題ではなく、皮膚疾患や感染症が潜んでいる可能性があります。

脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、頭皮白癬、アタマジラミなど、医療機関での診断と治療を必要とする病気は複数存在します。

市販薬やセルフケアで改善しないかゆみ、赤みや湿疹を伴うかゆみ、フケの量が急に増えたケースでは、早めに皮膚科を受診することで症状の悪化を防げるでしょう。

頭皮のかゆみを放置すると、掻破による二次感染や炎症の慢性化を招き、抜け毛や薄毛のリスクも高まります。

ここでは、洗っても痒い時に疑うべき代表的な皮膚疾患と、皮膚科を受診すべきタイミングについて詳しく解説します。

脂漏性皮膚炎は皮脂とマラセチア菌が関与する慢性の皮膚疾患

脂漏性皮膚炎は、皮脂の異常分泌とマラセチア菌の増殖が複合的に関与する慢性の炎症性皮膚疾患です。

J-STAGEに掲載された日本真菌学会誌の論文によると、脂漏性皮膚炎の発症には皮脂の異常、内分泌異常、ビタミン代謝異常、マラセチア菌などの感染、環境因子、ストレスなどさまざまな因子が関与していると報告されています。

頭皮に脂っぽい黄色いフケ、赤み、かゆみが現れるのが典型的な症状であり、鼻の脇や眉毛の周囲にも症状が出る場合は脂漏性皮膚炎の可能性が高まります。

PubMedの2019年の総説論文では、脂漏性皮膚炎の治療の中心は抗真菌外用薬と抗炎症外用薬であると述べられており、適切な治療を行えば症状のコントロールが可能な疾患です。

再発しやすい特徴があるため、症状が治まった後も抗真菌成分配合のシャンプーを継続的に使用し、頭皮環境を維持する習慣が再発予防のポイントとなります。

脂漏性皮膚炎の発症には,皮脂の異常,内分泌異常,ビタミン代謝異常,癜風菌などの感染,環境因子,ストレスなど様々な因子が関与しているとされている。

引用元:日本真菌学会誌

アトピー性皮膚炎による頭皮の湿疹とかゆみの特徴

アトピー性皮膚炎は頭皮にも湿疹やかゆみを引き起こす慢性の皮膚疾患であり、洗っても痒い状態が続く原因の1つとして考えられます。

千葉大学医学部附属病院のアレルギー疾患情報サイトによると、アトピー性皮膚炎の患者の肌はバリア機能が低下しており、乾燥しやすく、炎症やかゆみが起こりやすい状態にあると説明されています。

アトピー性皮膚炎によるかゆみの特徴を以下に整理しました。

  • 皮膚症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性的な経過をたどる
  • 頭皮だけでなく肘の内側・膝の裏・首すじなど全身に症状が出やすい
  • 強いかゆみにより掻破してしまい、さらなるバリア機能の低下と炎症を引き起こす悪循環に陥る
  • 抗ヒスタミン薬が効きにくい場合があり、ヒスタミン以外の経路でかゆみが生じている可能性がある

慶應義塾大学病院では、アトピー性皮膚炎の治療はスキンケア、悪化因子対策、薬物療法の3つの柱で行うのが日本での標準的なガイドラインとされています。

頭皮のかゆみに加えて全身に繰り返す湿疹がある場合は、アトピー性皮膚炎を疑って皮膚科で診察を受けることが正確な診断と適切な治療への近道です。

アトピー性皮膚炎の患者さんのお肌は、バリア機能が低下しており、乾燥しやすく、炎症が起こりやすい、またかゆみが起こりやすい状態である。

引用元:千葉大学医学部附属病院 アレルギー疾患情報サイト

頭皮白癬やアタマジラミなど感染症が原因のかゆみもある

頭を洗っても痒い場合、頭皮白癬(頭部白癬)やアタマジラミといった感染症が原因である可能性も否定できません。

頭皮白癬は白癬菌(水虫の原因となる真菌)が頭皮の毛髪に感染して起こる疾患であり、日本皮膚科学会の皮膚真菌症診療ガイドラインでは、治療に経口抗真菌薬のテルビナフィンまたはイトラコナゾールが推奨されています。

外用抗真菌薬だけでは悪化する可能性があるとされているため、頭皮白癬が疑われる場合は自己判断での治療を避けて皮膚科を受診することが求められます。

アタマジラミについては、墨田区や小樽市の自治体サイトで清潔にしていても寄生されることがあると注意喚起されており、吸血部位にかゆみが出て頭皮をかきすぎると炎症を起こすケースもあります。

頭皮に通常のフケとは異なる鱗屑(りんせつ)や脱毛斑が見られる場合、あるいは家族にも同様の症状が出ている場合は、感染症の可能性を踏まえて速やかに専門医の診察を受けてください。

治療:原則的に経口抗真菌薬テルビナフィンまたはイトラコナゾールによる(推奨度A)。外用抗真菌薬による頭部白癬の治療は,悪化する可能性があるとのことで現時点においてわが国では推奨されていない。

引用元:日本皮膚科学会 皮膚真菌症診療ガイドライン

アタマジラミは体長2〜3mmの暗褐色をした害虫で、人の頭髪に寄生し、吸血することでかゆみを引き起こします。清潔にしていても寄生されることがあります。

引用元:墨田区

市販薬で改善しない場合は皮膚科・専門医への受診が必要

市販薬やセルフケアを2週間以上続けても頭皮のかゆみが改善しない場合は、皮膚科や専門医への受診が必要です。

順天堂大学の研究では、抗ヒスタミン薬を使ってもかゆみが改善しない場合はアトピー性皮膚炎や内臓疾患などを疑って早めに受診することの重要性が指摘されています。

皮膚科を受診すべき目安を以下にまとめました。

  • 市販のステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬を2週間使用しても症状に変化がない
  • かゆみに加えて赤み・湿疹・脱毛が見られる
  • フケの量が急激に増えたり、フケの色や形状が変化した
  • かゆみが頭皮全体に広がっている、または頭皮以外の部位にも症状がある
  • 掻き壊しによりジュクジュクした浸出液が出ている

皮膚科では、視診や皮膚の顕微鏡検査によって脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、頭皮白癬、接触皮膚炎などの正確な診断が行われます。

自己判断でのケアを続けて症状を悪化させるよりも、専門医の診察を受けて原因を特定し、処方薬による適切な治療を開始するほうが結果的に回復までの期間を短縮できるでしょう。

抗ヒスタミン薬を使ってもかゆみが改善しない場合には、アトピー性皮膚炎や内臓疾患などを疑って、早めに受診することが大切です。こうした病気に伴うかゆみは、ヒスタミン以外の原因でかゆみが起きているために、抗ヒスタミン薬が効きにくいと考えられます。

引用元:順天堂大学大学院医学研究科・環境医学研究室

頭を洗っても痒いのはなぜ?よくある質問Q&A

頭を洗っても痒い悩みに関連して、多くの方が疑問に感じるポイントをQ&A形式で回答します。

ちゃんと洗っているのに頭がかゆい理由、フケが出る場合の対処法、季節ごとのかゆみの違い、抜け毛との関係性、子供の頭皮のかゆみなど、よく検索されている質問を網羅的に取り上げました。

洗っても頭が痒い状態に対する疑問を1つずつ解消していくことで、自分に合った適切な対策が見えてくるでしょう。

ちゃんと洗っているのに頭がかゆいのはなぜですか?

ちゃんと洗っているのに頭がかゆい原因は、洗い方そのものに問題がある場合と、頭皮のコンディションに問題がある場合の大きく2つに分けられます。

洗い方の問題としては、洗浄力の強いシャンプーで皮脂を落としすぎている、すすぎが不十分でシャンプーの成分が頭皮に残っている、爪を立てて洗って頭皮を傷つけているといったケースが代表的です。

頭皮のコンディションの問題としては、乾燥によるバリア機能の低下、マラセチア菌の増殖による脂漏性皮膚炎、アレルギー反応、ストレスや睡眠不足による頭皮環境の悪化などが挙げられます。

しっかり洗っているのに痒い場合は洗うこと自体が問題を引き起こしている可能性があるため、まずはシャンプーの種類と洗い方を見直すことが最初のステップです。

それでも改善しない場合は、脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患が隠れている可能性を考えて皮膚科を受診してください。

頭洗っても痒くてフケが出る場合はどうすればいいですか?

頭を洗っても痒くてフケが出る場合は、フケのタイプを見極めたうえで対処法を選ぶことが重要です。

フケには大きく分けて乾性フケと脂性フケの2種類があり、乾性フケは白くパラパラと細かいのに対し、脂性フケは黄色みを帯びてベタついた大きなかたまりになるという特徴があります。

乾性フケが出ている場合は頭皮の乾燥が主な原因であるため、アミノ酸系の低刺激シャンプーへの切り替えと保湿ローションによるケアが有効です。

脂性フケが出ている場合はマラセチア菌の増殖が関与している可能性が高く、ミコナゾール硝酸塩やケトコナゾールなどの抗真菌成分を配合した薬用シャンプーの使用が推奨されます。

どちらのタイプか自分で判断がつかない場合や、フケとかゆみが2週間以上改善しない場合は、皮膚科で頭皮の状態を診察してもらい、適切な治療方針を医師と一緒に決めることが確実な解決策となるでしょう。

夏と冬で頭皮がかゆい原因に違いはありますか?

夏と冬では頭皮がかゆくなる原因のメカニズムが異なります。

冬は空気の乾燥によって頭皮の水分が失われやすく、バリア機能が低下して乾燥由来のかゆみが起こりやすい季節です。

暖房の使用もさらに室内の湿度を下げるため、冬場に頭を洗っても痒い場合は乾燥対策と保湿ケアを重点的に行う必要があります。

一方、夏は汗や皮脂の分泌量が増加し、頭皮の蒸れによってマラセチア菌が増殖しやすい環境が整うため、脂漏性皮膚炎や汗によるかぶれが原因のかゆみが多くなります。

夏場のかゆみには、汗をかいたらこまめに拭く、帰宅後すぐに洗髪する、通気性の良い帽子で紫外線から頭皮を守るといった対策が効果的です。

季節に応じてシャンプーや頭皮ケアの方法を切り替える柔軟な対応が、1年を通じて頭皮のかゆみを予防する賢い方法といえます。

頭皮のかゆみは抜け毛や薄毛につながりますか?

頭皮のかゆみが直接的に抜け毛や薄毛を引き起こすわけではありませんが、かゆみの背景にある頭皮トラブルが抜け毛を増加させる可能性があります。

PubMedに掲載された2006年の論文では、フケの重症度と休止期毛(テロジェン毛:抜け落ちる準備段階の毛髪)の割合に正の相関が認められたと報告されており、脂漏性皮膚炎によるフケやかゆみが長期間続くと毛髪のサイクルに悪影響を及ぼす可能性が示唆されています。

かゆみにより頭皮を繰り返し掻く行為も毛根にダメージを与え、物理的な脱毛の原因となりえます。

頭皮の炎症が毛根周辺に波及すると毛髪の成長サイクルが乱れ、抜け毛が増えたり髪が細くなったりする場合もあるでしょう。

抜け毛や薄毛を防ぐためにも、頭皮のかゆみを放置せず、早い段階で原因を特定して適切な対処を行うことが将来の毛髪を守ることにつながります。

引用元:PubMed(A positive correlation was found between the percentage of telogen hairs and dandruff severity as assessed by the squamometry index.)

子供の頭皮がかゆい場合に考えられる原因は何ですか?

子供の頭皮がかゆい場合、大人とは異なる原因が関与しているケースがあるため注意が必要です。

乳幼児期には乳児脂漏性皮膚炎が原因となることがあり、国立成育医療研究センターによると乳児の約3分の1に認められる炎症性疾患で、生後1か月頃より頭部や顔面の脂漏部位に発症するとされています。

幼児〜学童期にはアタマジラミの感染がかゆみの原因として見落とされやすく、自治体の注意喚起でも清潔にしていても寄生されることがあると明記されています。

アトピー性皮膚炎も子供の頭皮のかゆみの代表的な原因の1つであり、全身の湿疹やかゆみを伴う場合はアレルギー専門医の受診が推奨されます。

子供は自分でかゆみの原因を説明できないことが多いため、保護者が頭皮の状態を定期的に観察し、フケ・赤み・湿疹・卵状の白い付着物(アタマジラミの卵)がないかチェックする習慣を持つことが早期発見の鍵となるでしょう。

引用元:国立成育医療研究センター(乳児脂漏性皮膚炎は、乳児の約3分の1に認める炎症性疾患であり、生後1ヶ月頃より頭部や顔面などの脂漏部位に発症し…従来、マラセチア感染や母からの性ホルモンによる脂質分泌の増加等が原因だと考えられていました。)

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