「胃カメラは何歳から受けたほうがいいの?」
「胃カメラ検査って苦しそうだし時間がかかりそうだからやる気が起きない」
胃カメラ検査とは、名前のとおり胃の内部をカメラで撮影し、腫瘍や炎症などの疾患を調査する検査方法です。
検査のためにはチューブを口から通して胃の内部を撮影するのが一般的ですが、現在ではCCDカメラの発明や麻酔の使用などにより、昔のような苦しさは大幅に緩和されています。
しかし、それでもやはり一般的な検査方法ではないため不明点が多く、不安が多いのが胃カメラです。
この記事では、胃カメラの基礎知識について紹介します。
胃カメラは何歳から受けたほうがよいのか、胃カメラ検査でわかることは何かなど多くの人が疑問に思うことを中心に紹介しますので、ぜひご一読ください。
- 胃カメラは何歳から受ければよいか
- 胃カメラでわかる疾患の種類
- 胃カメラ検査の流れ
胃カメラ検査は何歳から受けるべき?
「胃カメラは何歳から検査するべきか」という点ですが、結論からいえば何歳から始めても問題はありません。
胃の病気に年齢は関係なく、若くても胃がんや胃炎のリスクはあるので「何歳から」ではなく「どんな症状があったら」で受けるべきかを決めたほうがよいでしょう。
ここでは、胃カメラ検査と年齢について説明します。
胃カメラ検査は年齢に関係なく受けるのがおすすめ
上述したように、胃カメラ検査は年齢に関係なく、胃腸に痛みや不快感を覚えたら受けることをおすすめします。
体に異常を感じた場合、早期に確認し、早期に治療したほうが体に負担が残らず、治療期間も短くなります。
特に、内臓の疾患は自覚症状が出にくい臓器も多いため、年単位で症状を放置してしまうということも珍しくありません。
例えば、以下の症状を慢性的に感じるのであれば、消化器内科に相談し、胃カメラ検査の検討をしたほうがよいかもしれません。
- 胃の痛みや不快感
- 吐き気
- 黒い便
- 短期間の体重減少
健康体でも40歳を超えたら胃カメラ検査は定期的に受診しましょう
もし、胃腸になんの症状もなく健康だったとしても40歳を超えたら定期的な胃カメラ検査をおすすめします。
40歳を超えると体の免疫力は20代の半分に低下するといわれており、胃がんや胃潰瘍のリスクが増加すると考えられているからです。
そのため、国でも40歳を過ぎてからの胃カメラ検査は推奨しており、自治体によっては格安、あるいは無料で胃カメラ検査を受けることができます。
例えば、大阪では40代の場合は大腸がん検診が300円ほどで行えて、50代になると胃カメラ検査が1500円で受診可能です。
参考:大阪市:大阪市がん検診
胃カメラ検査は何がわかる?その目的と重要性
胃カメラ検査でわかることは、胃腸内の状態と疾患の有無です。
早期に発見・対処することで症状による体の健康被害を最小限に抑えられ、健康を維持しやすくなります。
ここでは、胃カメラ検査についての基礎知識や、胃カメラ検査で見つかる病気について紹介しましょう。
胃カメラ検査について
胃カメラ検査とは、内視鏡を用いて胃腸の内部を撮影し、胃腸内部を調べる検査方法です。
そんな胃カメラ検査では、以下のことが可能です。
胃カメラ検査でできること | 詳細 |
---|---|
胃腸内の状態のリアルタイムの検査 | 胃腸内をCCDカメラによって撮影し、胃腸内の状態をリアルタイムで確認・共有 |
ライトによる粘膜・血管の確認 | 様々な色の明かりの発光により、粘膜表面や血管の状態を色調まで詳細な状態の確認が可能 |
胃腸内の組織採取 | 組織を採取することでピロリ菌を始めとした病原菌やがん細胞の検査が可能 |
ポリープ(腫瘍)の切除・摘出 | 初期段階の腫瘍の切除・摘出 |
内視鏡手術は従来の手術とは違い、お腹や胸の一箇所に穴を開けてそこから内視鏡を通して行う手術です。
そのため、従来の手術とは違いメスを入れる必要がないため患者の負担が少ないのがメリットです。
しかし、ある程度症状が進行していると内視鏡手術での治療が難しいため、定期的な胃カメラ検査で早期発見を行うのが好ましいといえるでしょう。
胃カメラ検査で見つかる病気
胃カメラ検査で見つかる可能性のある病気で主なものは、以下のとおりです。
病名 | 胃腸の状態 |
---|---|
胃腸炎、逆流性食道炎 | 胃の粘膜が炎症を起こしている |
胃潰瘍・十二指腸潰瘍 | 胃が筋膜まで炎症を起こしている |
食道カンジダ症 | 食道粘膜に白斑が発生 |
良性腫瘍(脂肪腫、筋腫など) | 胃腸内に柔らかく表面がツルツルしている腫瘍が発生 |
悪性腫瘍(胃・大腸がん) | 胃腸内に固く表面がデコボコしている腫瘍が発生 |
胃カメラによって直接症状を確認できることで、正確な診断を下すことができ、早期対策に繋がります。
早期発見の重要性
胃カメラを使い早期に病気を発見することで、治療の選択肢が増え、健康な生活を長く維持することが可能になります。
例えば、胃がんは早期発見で治癒率が大幅に向上します。
自覚症状の少ない胃がんは、自覚症状を感じる頃には初期段階から次のステージに移行していることもあり、症状が悪化しているケースは珍しくありません。
しかし、初期段階なら自覚症状がまったくない他、進行速度も極めてゆっくりであり、症状の悪化は年単位のケースが多いです。
そのため、定期的な胃カメラの検査で胃腸内を調べることで、がんが悪化する前に治癒することができます。
胃カメラ検査の流れ
胃カメラ検査は、予約から検査終了まで数時間程度で完了します。
具体的には、以下の流れで検査が行われます。
ステップ | 内容 |
---|---|
予約 | 症状や検査目的を相談し、予約の申し込みをする |
前準備 | 胃の検査がしやすいように絶食、水分摂取の制限 |
検査 | 検査を実施 |
診断結果説明 | 検査結果を医師が説明 |
必要に応じた治療計画 | 問題があった場合、追加検査や治療を計画 |
問題がなければ多くの場合は診断結果の説明で終わります。
その際、胃もたれや吐き気の原因などを検査結果を元に教えてくれるので、医師のアドバイスに従って生活習慣の改善や薬の処方がおこなわれます。
胃カメラ検査でよくある疑問
胃カメラ検査でよくある疑問は、何歳から始めればいいのかということだけではありません。
体験談を聞くと不安に感じることが多く、二の足を踏む人は多いのではないでしょうか。
ここでは、そんな胃カメラ検査でよくある疑問についてご説明しましょう。
胃カメラ検査は痛い?
胃カメラが痛いかどうかは、個人差や病院の対策によって変化します。
胃カメラが痛い原因としては、チューブが喉に触れる際に発生する「嘔吐反射」とよばれる防御反応による嘔吐感を引き起こすことが関係します。
人によってはこのえずきがあまり発生しないこともあるのですが、基本的に病院ではえづくことを前提として準備をしております。
病院側では痛み対策として鼻から管を通す経鼻内視鏡を用いたり、鎮静剤を使用したりして痛みを軽減する対策をしているところが多いです。
不安な場合は、クリニックのホームページでどんな痛み対策が行われているかを確認しましょう。
健康診断のバリウム検査と胃カメラ検査の違いは何?
バリウム検査はX線を使用するレントゲン検査で、直接胃腸内を見る胃カメラ検査とは別物です。
バリウム検査は、バリウム剤(造影剤)と発泡剤を飲んだ後、専用の機械の上で様々な角度から撮影し、胃腸内の状態を確認する方法です。
胃カメラ検査と比べると、撮影時間は数分程度で確認できるのでお手軽な部類に入りますが、バリウム剤を腸内から排出するために下剤が必要になるほか、当面便が白くなるといったリスクがあります。
また、胃カメラと違って直接検査ができないため、正確性でいえば胃カメラ検査のほうが優れているといえるでしょう。
しかし、前述したように手軽に確認できることから、まずはバリウム検査で胃腸内の状態を確認し、怪しい部分があれば胃カメラ検査というように段階を踏んだ検査が可能です。
胃カメラ検査は保険が適用される?
検査の必要がある場合のみ保険が適用されます。
例えば、胃腸の症状が何もなく、健康診断が目的の場合は全額負担となりますが、明確な症状があり、医師側でも検査が必要だと判断した場合胃カメラ検査は医療行為とみなされ、保険が適用されます。
しかし、40~50代の場合、自治体によってはがん検診の補助を行っていることが多く、格安あるいは無料で検査が可能です。
しかし、自治体の提示した条件や医療機関でなければ適用されないため、自治体のホームページを確認しましょう。
まとめ
この記事では、胃カメラは何歳から行えばいいのかということや、胃カメラの基礎知識について紹介しました。
胃カメラは、年齢ではなく症状で検査を受ける、受けないが決まります。
お腹に痛みや吐き気があり、慢性的に続くのであれば、何歳からでも胃カメラで検査を受けることを考えましょう。
しかし、40歳を過ぎたら将来のことを考え、症状がなくとも定期的な検査をおすすめします。