「最近胃が張る状態が続いて気分が悪い」
「膨満感はがんの兆候だと聞いてすごく不安だ」
胃がパンパンに張っている状態は主に食べすぎたときや飲みすぎたときに発生する症状です。
食生活以外にもストレスが関係していることもあり、その場合胃が張る状態が長続きするケースは珍しくありません。
食事が原因の場合は時間の経過とともに解消しますが、食事量が少ないのに胃が張る状態が続いている場合、病気が原因で胃が張っている可能性も考えられます。
この記事では、胃が張る主な原因と解消方法についてまとめております。
膨満感に悩まされている場合、ぜひご参考ください。
胃が張る原因は食べ過ぎと飲み過ぎと病気
胃が張る主な原因は、おもに次の3つが関係しています。
- 食生活
- ストレス
- 病気
これらは上から順に解決しやすい順番になっており、原因もシンプルです。
これら3つの原因について、詳しく説明しましょう
食べ過ぎによる胃痛の負担
食べ過ぎは、胃が張る原因として最も一般的なものです。
胃の容量を超える食事を摂取すると、消化が追いつかず、胃が膨れたり、痛みを伴ったりすることがあります。
本来、胃は食べ物を胃液によって消化し、蠕動運動によって腸へ送ります。
この消化活動の時間はおよそ3~5時間程ですが、食べすぎることで消化にかかる時間が増えてしまい、胃に食べ物が残りやすくなってしまうのです。
特に脂肪分が多い食品や、消化に時間のかかる繊維質の多い食品を一度に摂ると、胃の負担が増します。
また、早食いや飲み込みが早い習慣も食べ過ぎによる胃の張りを助長します。
よく噛まずに飲み込むことで固形の状態のまま胃に送られるため、消化に時間がかかりやすいのです。
空気の飲み過ぎによる呑気症
胃の張る原因として、呑気症が挙げられます。
これは喋るとき、食事をするときなどに空気も一緒に飲み込んでしまう症状です。
例えるなら、空気入れで膨らむ風船のようなものです。
呑気症は命に関わる症状ではありませんが、おならの増加やゲップ、そして胃が張るといった様々な症状を引き起こすので、あまり良い症状とはいえません。
呑気症の主な要因として、次のものが挙げられます。
- 炭酸飲料やガムの飲み過ぎと食べ過ぎ
- ストレスが溜まった状態での食事
- 会話しながらの食事
これらは自分が意図せず空気を飲み込んでしまうことが多いです。
胃炎や胃潰瘍などによる病気
胃の張りが長期的に続く場合、胃炎や胃潰瘍といった病気が隠れている可能性があります。
これらは、胃の粘膜が弱まり炎症や傷が生じることで発生する症状です。
胃は粘液によって保護されていますが、ストレスを感じると粘膜の分泌量が減り、反対に胃液の分泌量が増加します。
胃炎と胃潰瘍の状態についてまとめると、以下の通りです。
症状 | 詳細 | 治療期間 |
---|---|---|
胃炎 | 胃の壁が胃液によって荒れて炎症を起こした状態 | 2~3日 |
胃潰瘍 | 胃の壁が胃液によって傷つき、穴が空いた状態 | 6~8週間 |
このように、胃潰瘍になると治療期間が大幅に伸び、胃の張り以外にも様々な症状が出るため、胃炎のうちに解消するのが好ましいです。
胃が張る原因別の解消方法を紹介
胃が張る原因は複数あり、解消方法も原因によって異なります。
共通しているのは、現在の環境の見直しであり、早くに対処することで早期改善が可能です。
ここでは胃が張る原因別の解消方法を紹介します。
食べ過ぎの場合は食生活の見直しで解消が可能
- 睡眠2~3時間前までに食べる。
- 消化の良いものや低脂肪の食材を選ぶ。
- よく噛んでゆっくり食べ、消化を助ける。
食べ過ぎで胃が張る場合は、食生活を改善すればすぐに解消できます。
食べ過ぎによる胃の張りを改善する場合、重要なのは「消化しやすく、胃に残りにくい状態にする」ということです。
寝る2~3時間前までに消化の良いものを中心に食事を摂ることで翌日に食べ物が胃に残ることを減らせます。
また、よく噛んで食べてペースト状にすることで消化吸収されやすくなるので、噛むことを意識して食べましょう。
呑気症はストレスの解消で解消に繋がりやすくなる
- ストレスは蓄積させるのではなく適宜解消する
- 軽い運動を行い空気を体外に出しやすくする
- 漢方を使用する
呑気症は、空気を過剰に飲み込むことで起こるため、ストレスの軽減が解消の鍵となります。
過度な緊張状態では無意識に空気を飲み込みやすくなるため、日常生活でリラックスできる時間を意識的に取り入れることが重要です。
ストレスの解消でおすすめなのは、軽い運動です。
軽く運動することで胃の中の空気を大概に出しやすくなる他、胃の動きを活発にするので消化を促進でき、程よい疲労で睡眠の質も上がります。
また、運動できる時間がないのであれば、漢方を検討してみましょう。
漢方には呑気症に対して有効に働くものも販売されている他、病院で処方してくれることもあります。
ストレスの解消は呑気症以外にも病気や食べ過ぎに対しても有効なので、病気になる前にストレス解消を行いましょう。
胃炎や胃潰瘍は消化器内科で適切な診断を受けて解消
- 病院で早期に診断を受ける
- 定期的な検診で健康状態をチェックする
- 医師の指示に従い治療する
胃炎や胃潰瘍が原因の場合、専門医の診断を受けることが最優先です。
これらの病気は放置すると悪化し、胃の機能に深刻な影響を与えることがあります。
医師による適切な診察のもと、胃粘膜を保護する薬や感染症に対する抗菌薬を使用することで、症状を改善が可能です。
また、定期的な健康診断で胃腸の状態をチェックするのも、症状の悪化を防ぎます。
病気の場合は消化器内科で診察を受けよう
病気の場合は、消化器内科で診察・治療することになります。
消化器内科とは胃や腸といった消化器の症状に特化した内科であり、内科よりも専門的な治療を受けられます。
ここでは、消化器内科で行う検査や治療について紹介します。
症状が長引く場合は胃腸に異常がないかを検査
胃が張る症状が数日以上続く場合は、胃炎や胃潰瘍、さらには腸閉塞や胆のうの問題など、さまざまな病気が潜んでいる可能性があります。
そういった場合、消化器内科では症状に合わせて様々な検査で症状や状態を特定します。
消化器内科で行う検査には、主に以下の方法があります。
治療内容 | 詳細 |
---|---|
採血 | 血液から感染症、炎症の有無や肝機能、腎機能、コレステロールを検査し、消化器の異常を調べる |
腹部エコー | 超音波を当て、反射を電気信号に変えることで内臓の状態をチェックする |
便潜血検査 | 便に血液が含まれていないか調べることで、消化器に炎症、潰瘍、腫瘍による出血がないかを調べる |
腹部レントゲン検査 | 異様なガス溜まりや腹水、便秘、腫瘍がないかをレントゲンで調べる |
内視鏡検査 | 胃や腸にカメラを挿入し、直接腫瘍や炎症・潰瘍がないかを調べる |
定期検診を受けていればがん進行のリスクは大きく減る
胃の張りが慢性化している場合、胃がんのリスクを念頭に入れる必要があります。
特に40歳を超えると胃がんのリスクは上昇するといわれており、40代以降の胃腸の異常は注意深く診察する必要があります。
しかし、定期検診を受けることで早期発見が可能となり、がんの進行を大幅に抑えることができます。
胃がんは初期段階の進行が極めて遅く、年単位です。
そのため、年に一度の定期検診で胃腸の状態を調べれば、がんは発見しやすくなり、早期で治療が可能です。
消化器内科で行う治療
消化器内科では、胃の張りの原因に応じた専門的な治療を行います。
胃が張る場合、主な治療は薬による治療です。
例えば、胃炎や胃潰瘍の場合は胃酸の分泌を抑える薬、ピロリ菌除菌治療、あるいは症状に応じた消化を助ける薬が処方されます。
しかし、重大な疾患が確認された場合には、手術や内視鏡を用いた治療が選択されることもあります。
- 初診時に過去の症状や生活習慣を詳細に伝えることが診断精度を高める。
- 薬を処方された場合は、指示を守りきちんと服用を続ける。
- 治療後も医師と相談しながら、食生活や生活習慣の改善を続ける。
まとめ
この記事では、胃が張る原因と対処法について紹介しました。
胃が張る症状は、日常生活の中で多くの人が経験する不快感の一つです。
しかし、その原因は食べ過ぎや空気の飲み過ぎといった軽度なものから、胃炎や胃潰瘍といった病気まで多岐にわたります。
胃の健康を維持するためには、バランスの取れた食事やストレスの軽減が欠かせません。
定期的な健康診断や検査を受けることで、重大な病気を予防できます。
日常的なケアと医療の力を組み合わせ、胃の不調を改善し、健康な生活を取り戻しましょう。